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第4回日韓交流登山白馬岳
その2 白馬岳
小山 重彦
山行日 2013年10月5日~6日
メンバー (L)永岡、荻原、原口、小幡、斎藤(吉)、高木、深谷、杉本、内田、江島、(平塚)

 昨年11月のチェジュ島漢拏山(ハルラ山1,950m韓国最高峰)以来、1年ぶりの山行である。猿倉から大雪渓を登り村営頂上宿舎テント場で鑓温泉からの日韓交流隊と合流、翌日は白馬大池・栂池高原へ下る。台風の影響で雨を覚悟していたが恵まれ気味の天気になり、紅葉の真っ盛りに歩くことができ最高の秋山となりました。

2012月11月2日 漢拏山

【10月5日(土) 曇り】
遅れる後続を心配する、葱平  7時に猿倉駐車場に到着、車2台を下山場所の栂池高原駅に回送している間、十分過ぎるほどの休息をとる。8時半猿倉山荘横の林道を歩き始め、色づいた樹林帯を約1時間「お疲れさん!ようこそ大雪渓へ」と書かれた大岩に迎えられる、閉鎖された白馬尻小屋前のベンチに腰を下ろし小休止。
 しばらく歩き、やっと大雪渓の取り付きにでるが最近の大雨で痩せ細っている。ガレや土埃で汚れていて最初は雪渓と気付かなかった。秋道で雪渓を歩くのはほんの少しで軽アイゼンは不要。台風が近づいているせいか雪渓を歩く登山者はまばらである。峰々は雲に隠れ登るにつれ険しい山肌を見せている。葱平(ねぶかっぴら)の尾根に取り付くあたりからきつい急登がつづき喘いでいると、上から荻原さんが下りてくる。私と重いザックを背負った原口さんが遅れているので心配して迎えに来る、さすが元大学山岳部である。
 村営頂上宿舎の裏にまわるとすでにテントが設営され、その横で合流した交流隊とワイワイガヤガヤと賑やかな酒宴が始まっている。そのなかに懐かしい権さん、カウボーイハットが似合うチェさんの顔が見える。漢拏山以来1年ぶりである。女性が来日しなかったのは残念であったが、新人も加わり楽しく語らい飲む酒はうまく、気持ちよく酔っ払って夜の帳が下りていった。風はなく寒くなくテントの中は暖か過ぎた夜であった。

【10月6日(日) 晴れ】
朝日に輝く白馬岳 photo:権  4時半起床6時出発、予報に反し青空が広がっている。10分程歩いて白馬岳山荘、振り返れば雄大な剱岳から立山連峰その左側に槍ヶ岳まで続き、手前には杓子岳と鑓ヶ岳が綺麗に見渡せる、しばし名峰の絶景を堪能する。記念に売店で白馬岳山荘タオルを購入する。
 山頂では、三峰レディが両手を上げて歓声をあげている(私にではない)「アレは私よ~、写ってる~、綺麗~?」ブロッケン現象に少女のようにハシャギまわっている。山頂は360度の大パノラマ、どこを見ても絶景、富士山も見えている。東側は恐ろしいほどの絶壁。北には雪倉岳や朝日岳がゆったりとした山容をみせている。
 山頂を後にしてガスがとれてはかかる雪倉岳のカラフルな斜面を見ながら稜線に沿ってゆっくりと下る。ここで猿倉の車を回送するため健脚組(CHIAKI他)が先を急ぐ。
白馬岳山頂 奥の方に剣 photo:権  小蓮華山から1時間半程歩くとガスの中から紅葉色した赤い屋根の白馬大池小屋が見えてくる。小屋前には隊の皆さんが待ちくたびれている。
 ナナカマドの紅葉を通して眺める青い湖面の輝きはカラフルで幻想的な景観である。
 ひと休みののち、岩の間を登りハイマツ帯にでる。乗鞍岳の標識が現れたが頂上感はない平坦地である。稜線から下りは大岩がゴロゴロしたところをピョンピョン渡り歩くのであるが、私はこの渡りがきつく膝が笑いだす「ヤバイ」。なんとか渡り切り、急勾配の道を下ったところで急に前方が開けてくる。そこには素晴らしい紅葉の絶景が広がっている。深紅のナナカマドと黄葉のダケカンバの彩りでカラフルな景色は素晴らしすぎて絵にもかけない美しさである。しばし、ここで紅葉の最高の瞬間を堪能する。行き交う登山者の誰もが、ここで足を止めてシャッターを押している。
 燃える紅葉に興奮しながらナナカマド林を通リ抜け天狗原へ、木道を歩き再び樹林帯の下り、右へ左へ喘ぎながら紅葉祭りで賑わう栂池自然園に下山する。隊の皆さん、お待たせしました~。そこからロープウェイとゴンドラを乗り継ぎ栂池高原駅に下り立つ。お疲れ様でした。権さん最高の紅葉でした! 企画された方々に感謝の山行でした。

三峰美女と韓国隊 白馬大池

 追記:10月13日に白馬岳初冠雪、ナナカマドの紅葉は強風で吹き飛ばされ、山の紅葉は一瞬で過ぎ去ったようです。権さんの写真を掲載しています。

〈コースタイム〉
【10月5日】 猿倉(7:00~8:30) → 白馬尻小屋(9:30) → 村営白馬岳頂上宿舎テント場泊(14:30)
【10月6日】 テント場(6:00) → 白馬岳山頂(6:30) → 小蓮華山(8:30) → 白馬大池山荘(10:00) → 乗鞍岳 → 天狗原(11:30) → 栂池自然公園(12:30) → 栂池高原駅(14:30)

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