トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ347号目次

雪稜登攀・阿弥陀岳北稜
山蔦 隆宏

山行日 2015年2月28日~3月1日
メンバー (L)山蔦、小芝、青木、軽部、内田

 早いもので入会から早3年、先輩方に連れられ沢、岩、雪稜と本当に入会前では考えらなかった山の楽しみに触れることができました。お蔭で、簡単なバリエーションであれば何とかリーダーで出せるかもしれないと思える程度の自信もつきました。また、お世話になった三峰に多少なりとも貢献していかなくてはとの思いから、初のリーダー例会を企画したのが本記録の阿弥陀北稜です。
 赤岳主稜、石尊稜、阿弥陀南稜と迷いましたが、初のリーダー山行で阿弥陀の北稜を選んだのは登攀の難易度が低いこともさることながら、やはり実質的な登攀時間、距離が短いことが理由でした。前日までは不安で何度もチャレンジアルパインクライミングの同じページを読み返し、ネットで動画や写真などの記録を確認して当日を迎えました。
北稜岩峰  前夜発で某道の駅にて仮眠。赤岳山荘まで車で入れたこともあり10時半ごろには行者小屋に到着しました。軽部さん、青木さんはアイスキャンディーへ練習に、小芝さん、内田さんと山蔦はジャンクションピークまで偵察を兼ねてトレースを付けに行きました。やはり不安から取付きは確認しておきたかったのですが、南岸低気圧が前日に通過したところでトレースはありませんでした。
 北稜の全貌をJPから確認して一安心しテン場に帰還、週末営業中の行者小屋で一杯やりながらアイスキャンディー組を待ちました。夜は青木シェフのおいしい料理と、いつもの宴会と湯たんぽ代わりにしたプラティパスのお蔭で熟睡。
 翌朝、4時半起床、5時45分出発! 1時間でJPを越えて取付きに到着。この日の北稜一番乗りで順番待ちも心配無用。ロープは事前の打ち合わせ通り小芝、内田、青木チームと軽部、山蔦チーム。
 北稜のロープは第一岩峰と第二岩峰の2ピッチのみ。簡単ながらも核心は第一岩峰です。第一岩峰は左から大きなホールドの凹角をアイゼンの前爪を確認しながら右上5メートル程のペツルでランニングを取り、そのままバイルのよく効く草付をよじ登ると第二岩峰基部にペツルの支点がありピッチを切ります。1ピッチ目は40mほどでしょうか。
 第二岩峰はそのまま基部から10mほど直上し広いナイフリッジ?を過ぎたところの低木の枝を終了点としました。難易度的には第一岩峰よりも更に容易でクライマーの軽部さんは消化不良気味の様子。

山頂尻セード

 終了点から見上げると、そこには阿弥陀の山頂。無風快晴の中、近くに南アルプス、遠くに北アルプス、中央アルプスもきれいに見えました。無事に登れて一安心。雪の状態も良いことから中岳沢を下山し10時過ぎには行者小屋に降りていました。
 天気とメンバーに恵まれ実質的な登攀時間は一時間半ほど。本当に気持ちの良い時間を過ごせました。芝ちゃん、うっちー、青木さん、軽部ちゃん、ありがとう! これまで色々と教えて下さった先輩方これからもよろしくお願いします。

〈コースタイム〉
【2月28日】 赤岳山荘(8:00) → 行者小屋(10:30)
【3月1日】 行者小屋(5:45) → 北稜取付(6:45) → 阿弥陀岳(8:15) → 行者小屋(9:30) → 赤岳山荘(11:30)
北稜全景

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ347号目次