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アイスクライミング・八ヶ岳峰ノ松目
荻原 健一

山行日 2015年1月17日~18日
メンバー (L)荻原、小幡

 昨年アイスシーズンが終了する3月下旬にアックス2本を購入した。三峰のクライミング仲間数名が来シーズンに備えてアイスギアを揃えた話を聞き、私も刺激を受けてしまったのだ。結局そのアックスは未使用のまま昨年のアイスシーズンは終了し、アイスのハイシーズンとなる今季の12月は正月の鹿島槍縦走に向けた山行が続いたためアイスは封印。そして、ようやく今回、新品のアックスを試せる山行が企画できた。

 ルートは初日に初心者向け定番の八ヶ岳ジョーゴ沢で練習したあと、2日目は静かで穴場的存在となっている峰ノ松目沢へ行くこととした。峰ノ松目は一昨年の『岳人』の八ヶ岳クラシックバリエーション図鑑でも紹介されていて、昨年くらいから入山するパーティーも増えてきたようだ。

【1月17日】
 まずは、いつもの道を赤岳鉱泉へ。冬装備一式にロープやギアが加わり、更にアイススクリューの重みが肩に食い込む。鉱泉で幕を張り重力から解放されると心も体も軽快になってジョーゴ沢へ。しかし天気は悪く吹雪模様だ。F2でロープを出し滝上に出るとそこはもう数m先も見えない猛吹雪の世界。予定ではジョーゴ沢大滝まで行くつもりだったが、早々に撤退を決める。幕場に戻りまだ時間が早いのでアイスキャンディを数本やって本日は終了となる。

【1月18日】
 今日は昨日と打って変わって朝から快晴だ。風もほとんどない。幕場から美濃戸方面へ下っていき昨日確認した取付きへ向かう。前日のトレースが薄ら残っているが、峰ノ松目沢に入ると昨日の降雪と沢地形のためトレースは当てにならなくなる。ほどなくF1だが、だいぶ雪で埋まっておりノーロープで越える。今年は八ヶ岳に限らずだが雪が多い。第一の核心となるF2はしっかり出ており、ここでロープを付ける。左のカンテ状の氷を登る。ビレー点は残置のリングボルト2本とシュリンゲで取れた。F3~F7は雪で埋まっていたり氷が出ていても傾斜が緩く、ビレーの必要は感じない。コンテで越えていく。ラッセルがきつくなってきた頃、ようやくF8基部へ到着。写真でよく見るツララのカーテンが懸かっている。ハング状に被さってくるツララは勿論登れないので、一番左の垂直部分を登るが、雪が多いせいか短いのでそれほど困難はない。ビレー点はスクリューで取る。峰ノ松目沢はここから更に登って稜線~赤岩ノ頭~硫黄岳登山道と合流する下降ルートもあるが、F8で終了とし同ルート下降するのが一般的だ。今回は雪も多いことから我々も同ルート下降として、2回の懸垂とクライムダウンで出合まで戻った。

F8ツララのカーテン

〈コースタイム〉
【1月18日】峰ノ松目沢
赤岳鉱泉(7:00) → F1基部(7:40) → F8基部(9:40) → 下山開始(10:40) → 赤岳鉱泉(12:10)


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