山行日 2014年10月11日~12日
メンバー (L)渡辺(守)、津田
せっかくの三連休なので、まるまる使って、のんびり山を楽しむ予定だったが、天気予報は芳しくない。急きょ、土曜朝発の予定を金曜夜に変更して土合へ向かった。2時ごろだったと思うが登山口の駐車場はまだ空いていた。ここで仮眠をして、まだ夜も明けきらないうちに歩き始める。
この馬蹄形ルートは今年買った某山雑誌の100ルートとして載っていて、いつか行きたいと思っていたところ、思いがけず早いうちに例会という形で実現した。
土合から、しばらくは樹林の中の急登が続く。やがて樹林を越えると、快晴の中、谷川岳の岩面が見えてきた。堂々たる谷川岳の灰茶色の山肌と、空の青とのコントラストが清々しく気持ちよい。
松ノ木沢ノ頭では10人近くが休憩していたが、白毛門を過ぎて朝日岳まで来ると、ぐっと人が減った。朝日岳は頂上が広く、また風も強くて一枚羽織って手袋をしないと寒くて居られないほどだった。
朝日岳を越えると、それまでとはうってかわって別世界である。岩と池塘が点在し、まるでラピュタの世界だ。宝川温泉の湯けむりも見える。あまりの幻想的な景色に離れがたく、しばし腰を下ろしてこの世界に浸った。
この後も、あまり人には出会わず360度の雄大な景色を存分に楽しむことができた。西に向かって歩いていくので、昼下がりの太陽の光が目にまぶしく、紅葉真っ盛りの赤、黄、緑の葉も輝いていた。
清水峠までアップダウンが続き、砂状のガレ場や、ぬかるみに足を取られるところもあり、睡眠不足と暑さで少々バテ気味の体にこたえた。また目的地の三角屋根が見えてからが意外と長い。メルヘンな茶色の屋根に「今晩はあそこに泊まるんですね~」と心が躍ったが避難小屋ではなく送電線監視所だった。その白崩避難小屋の脇にテントを張る。
水場は2013年版のエアリアのとおりで、送電線監視所脇の三方向の標識のうち、土合方面に5分ほど行ったところにある。登山道を横切る形で豊富に流れていた。
2日目は曇り気味で、出発時は少し心配していたが、大源太山の分岐まで来ると、すっきりとして、青空が出てきた。朝の日の光の影で黒々とした山肌と、湧き出す白い靄が作り出す絵は天空の世界にいるようだ。感動して周囲の人々ともつい声を掛け合う。
蓬峠に向かっていくと、また靄の中に入ってしまい、周囲は真っ白。目先の数mが見えるのみだ。1,700mが靄の切れ目のようで、これを越えると、また青空に出る。
武能岳からは急坂を笹平まで200m下り、そこからは茂倉岳まで400m登る。朝の元気なうちでよかった。茂倉岳まで来ると、肩の小屋が見え、一ノ倉岳で最後の静寂を楽しんだ。オキノ耳から先はたくさんの登山者で溢れていて、下山道も渋滞していた。まだ登山を始めたばかりのころ、最初の大きな山が谷川岳だった。オキノ耳までだったが、そのころとは同じ道でも随分印象が異なり、当時を思い出しながら下った。
馬蹄形ルートは景色が刻々と変わり、1泊2日で行けるのに大充実のおいしい行程だ。天気がよいと遠くまで見渡せる。山々を見ながら歩くのが好きなので、ぜひまた訪れたい。
【10月11日(土)】 | 土合橋(5:45) → 白毛門(9:15) → 朝日岳(11:50) → 清水峠【幕営】(14:00) |
【10月12日(日)】 | 清水峠(5:50) → 蓬ヒュッテ(7:50) → 武能岳(8:45) → 茂倉岳(10:40) → 天神平(14:40) |