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沢登り・柳沢川本流右俣~左俣下降
鈴木 章子

山行日 2015年6月13~14日
メンバー (L)鈴木(章)、和田、内田、津田、山口(順)、古屋

 先月誕生日を迎え一つ大人になったリーダー。膝が痛い、目が見えないと言いながらも増々元気になっていくリーダーが、今年お初の沢登り。期待もワクワク参加する。

【6月13日】(晴れのち曇り)
 東武日光駅8時半集合のはずが、古屋氏が7時頃、寝坊したと連絡あり。ナント!4時台に家を出た者がいるというのに。なぜか怒りが込み上げてくる。
 「おいおい、お前は新人だろう。初めてのお泊り付き沢に行くんだろう。もう少し緊張感はないのか」
 リーダーのムラムラする気持ちを和田氏が治める。
 赤沼発11:20のバスまで待つので車で追いかけるように指示。日光駅に早く着いてしまった我々は食料の買い出しをし、東武日光駅前のバス停は非常に混み合うのでJR駅前のバス停に移動、のんびりと過ごした。
 赤沼バス停で古屋氏と合流。なんだかニコニコしている。(こいつは、リーダーの苛立ちを解っているのか?)  西ノ湖を予定よりも1時間半遅れて出発。3週間前に西ノ湖へ来たというリーダー、和田氏、山口氏は慣れた足どりで進むが、分岐を間違え右往左往。結局入渓点に着いたのは13時。この時点で、リーダーと和田氏の判断は、本日は二俣迄行き幕、明日は荷物をデポ、空身で沢を登り帰路回収することになった。

西の湖にての右往左往ナメ滝を遡行するリーダー

 沢はさほど大きくはないが小滝・滑床の繰り返しで技術的にはさほど難しいところもなく行ける。水流通りに2時間の予定を2時間半かけて二俣迄登った。晴れていれば滑沢の美しさも感じ取れたが、入渓と同時に空は曇りだし少し残念だった。
 二俣は左右ともナメ滝の美しいところだったが幕場適地ゼロ。さんざん探して10分ほど戻ったところで幕を張った。
 幕を張るより焚火がしたいと和田・内田両氏。さっさと薪集めに行ってしまう。焚火の着火に自信がないという二人。仕方なさそうにリーダーが着火作業をする。
 炎が上がり火も安定すると全員安堵感に包まれた。後は何時ものように焚火を囲み宴と夕飯の準備に入る。初めての沢泊と焚火に古屋氏ウルウル。我々に大いに感謝すべきではないか!
 豪華な食事だった。(詳細は和田氏に尋ねてください)

着火作業中のリーダー

 リーダーと津田氏は疲れているからと食事が終わると早々にテントに戻っていた。残った4名でありったけの薪を火にくべ、今日という日が終わっていくのを惜しんでいた。

【6月14日】(曇のち晴れ)
滝を登り!!  明け方、雨の音で目覚めた。増水のことも頭をかすめたが、幸い大降りにはならなかった。
 朝食を済ませ、小雨が気になる中、5時40分に出発。二俣迄行き右俣へ。急な滑床を登っていくと、突然12mスダレ状の滝が現れる。先頭の和田氏はガンガンと水流の左側を登っていく。後の5名が続く。小粒ながら充分楽しませてくれる沢だ。しばらく行くと、この沢のメイン2段15m(黒滝)が現れる。和田・内田・古屋3名は直登。他3名は右岸を巻いた。
 その後、沢は終盤に入る。落石に気を付けながら水がなくなる辺りから尾根を目指して笹原を15分ほどよじ登り登山道と合流。そのまま登山道を2,077P手前の鞍部迄進み休憩。
 この地点を下降点にしたのはベストだった。シラビソノの樹林の中、ヤブを気にせずに歩け、沢と合流。沢の上部はガレと笹で覆われていた。滑床の沢を時々シュリンゲで確保をしながら二俣まで「アッ」という間についてしまった。
 荷物を撤収後、林道めざし更に下降を続けた。天気はすっかり回復して暑ささえ感じる。林道近くの本流も滑床で美しい沢だった。沢終了点で靴をはきかえ保護された樹林帯と観光客の間を少し急ぎ気味にバス停に向かった。
 観光地ではあるけれど、知名度が低いのか日光の沢は入門者でも行ける静かな沢が多い。
 今回のようにオネボーしても十分行ける。沢登り・沢下りの可能な沢も比較的多いのではないだろうか。これからまた、ルート開拓が始まりそうな予感・・・。

〈コースタイム〉
【6月13日(土)】 東武日光駅=赤沼=西の湖バス停(12:00) → 林道~入渓(13:05~13:40) → 3m滝(14:05) → 4m滝(14:45) → 二俣(15:00) → 幕場(15:20)
【6月14日(日)】 幕場(5:40) → 二俣(5:45) → (右股) → 12m滝(5:50) → 2段15m滝上部(7:00) → 15mスダレ状滝(7:15) → 登山道(8:20) → 下降点(9:00~9:20) → 沢合流(9:40) → 二俣(10:10) → 幕場(回収)(10:15~45) → 4m滝(11:30)~3m滝(12:00) → 入渓点(12:40) → 西ノ湖バス停=赤沼バス停

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