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ハイキング・恵林寺山(扇山)
峯川 正行

山行日 2015年3月8日
メンバー (L)峯川、三澤、土肥、森田(純)

 塩山の北側にある扇山。以前から気になっていたが、地元の人からは扇山ではなく恵林寺山という山名が一般的らしい。今回の山行案件は坂脇峠から読図の練習もかねて恵林寺山をめぐり、最終目的地の塩山駅北口の居酒屋に向かうこととしました。
 当初の予定日だった7日土曜はあまり天気がよくないので、皆さんに許可をとって日曜にスライドすることとしました。どなたも日曜NGの方がおらずにホッとしました。
 塩山駅改札を出ると、予約していた塩山タクシーの運転手が「峯川さん~」とお出迎えをしてくれました。大した距離ではないのでなんとも申し訳なくタクシーに乗り込みます。塩山タクシーは塩山駅前の営業所でも仮眠をさせてもらえるし、テッシュをくれるなどサービスは素晴らしいです。
 ザゼンソウで有名な小倉山の麓を通り、玉宮集落を抜けて鈴庫山林道ゲートまで20分ほどで到着。以前はこの先の坂脇峠まで車も入れたのですが、伐採工事の影響なのかしばらくゲートがかかり通行止めになっているようです。ゲートで歩き始めの準備をしていると、ハンターが銃を持ち、なんとも物騒なので、我々の行き先を言って出発しました。天気はまだ霧状態で尾根にいっても視界はあまりよくなさそうです。塩山界隈は天気が良くなってくると信じててくてく林道を登っていきます。
 1時間ほど歩いてようやくゲートがある坂脇峠に到着です。ゲート先が小屋敷林道で、我々はこの林道を進みます。しばらくして尾根が下がってきて取付けそうな場所を選んで登ろうとしましたが、北面で雪が付いていて滑るので一応軽アイゼンを付けて稜線まで上がりました。上がるのに結構難儀してしまったようでした。少し進むともっと楽に上がれたので申し訳なかったです。
取付地点 もう少し先の方が楽です  稜線に上がるとまったく雪がないので、すぐに軽アイゼンを外して滑沢山を目指します。いきなりの急登で堪えます。本日の標高最高点1,291mの滑沢山にはこの界隈によくみられる味のある山名板がありました。まだ、霧は抜けておらず、少し先しか見えない状態でした。ここからは少し下りながら最初の分岐ポイントの1,250mPを目指します。家での予習でもここは注意をしなくては!と思ったのですが、まんまと引っ掛かりました。鉄塔を目指すことばかりを考えていたのですが、目指す鉄塔は霧で全く見えずに、小ピークと思える個所に『西群馬幹線No.178⇒』とあり、これだこれだ!と思ってしまい、歩きやすい急坂を下ってしまいました。とても歩きやすいルートなのですが、どうも一気に下降しすぎで、すぐに出てくる鉄塔はないし、一旦台地状になるはずなのにまだまだ下降しようとしている・・・。しまったと思い地形図を見ると、右隣りの尾根をまんまと下っておりました。1,250mPはもうひとつ先の小ピークであり、我々は一つ手前の小ピークから、となりの鉄塔を目指して下降しておりました。後から確認すると目指す鉄塔は177号鉄塔でした。早めに間違いを修正できてよかったですが、下降する場所を確定させるのは本当に難しいです。よくやるチョンボです。トラバースは危険なので、皆さんには申し訳なかったですが、もう一度稜線まで登り返しとなりました。おかしい?と思ったらすぐに地形図で確認するのは大切な作業だなあと(ルート間違えの言い訳・・・)。
惑わされた「西群馬幹線 No.178」案内板  気を取り直して1,250mPを目指しますが、少し先にいくとまた小ピークがあり、これかなあと思いましたが、となりにもピークらしきものがあり、みんなで協議しておそらく隣のピークが1,250mPだということになりました。今日の中で一番ややこしい部分だったと思います。怪しい小ピークが3つ並んでいるのでかなり気を使わないと間違えて鉄塔に下降することになります。
 ちょうどその頃から、予想したとおりに霧が抜けてきて外界の景色が見えてきました。そして一番の確認材料である鉄塔もしっかり視界に入ってきました。このおかげで1,250mPを正確に確認でき、南側へ下降するルートも確認できました。すぐに177号鉄塔付近まで下降し、鉄塔の台地まではいかずに右側を巻く感じで176号鉄塔を案内する黄色杭を見ながら進みます。177号鉄塔から176号鉄塔までのルート上には結構大きな岩があったりして巻きながら下降してきます。
177号鉄塔と176鉄塔の間の岩場  小さな鞍部を登ると176号鉄塔に到着です。ここからの景色はなかなかでした。もっと晴れていれば素晴らしい景色でしょう。乾徳山もまだ雪雲に覆われている感じでした。国師ヶ岳や金峰山も前日かなり雪が積もったかもしれません。また、秋の紅葉の時にでも、この場所から乾徳山などの雄姿を見てみたいものです。
 ここからは防火帯を一気にかけ下ります。目の前には本日の核心部?の1,002mPへの急登防火帯が見えてきます。鞍部の越道峠で一本とります。風情のあるいい名前の峠です。目の前には急登の防火帯がそびえています。左側の樹林帯を歩けば問題無いです。この峠はかつてかなり歩かれたようで、左右の集落につながるルートはかなりしっかり残っていました。お地蔵さんでもあればもっと風情があったのにと思ってしまいました。
 一気に登って行くと1,002mPに到着です。赤い恩寵林の石票がありました。ここからは大きなアップダウンはなく、次のピークには御料局三角点がありました。恵林寺山も一登りで到着です。こちらには三角点がありました。山頂には扇山と書かれた陶器の山名板はありましたが、恵林寺山と書かれた山名板がなくて残念でした。冬木立なので多少の眺望があり気持ちいいです。

越道峠からの急登 左側植林帯を登ります恵林寺山という山名板があってほしかった!

 ほどほどの休憩後に、あまり考えないで尾根を下ってしまったのですが、ちゃんとチェックしていない!と思い地形図を出してコンパスで方向を合わすと明らかに違うので少し登り返して、やり直しです。そうそう、ここは少し尾根の方向が変わる場所で、ここも家で注意をしなくてはと思っていた場所でした。南西方向の尾根に乗り、810mPを通り、ラクダのコブのような小ピークが並ぶ所を通り、3つ目の小ピークでストップして地形図を出して確認です。752mPには向かわずに、この小ピークから南東方向に向かいますが、倒木かなにかでルートを塞いでいるように見えました。
 ここからはアカマツとヒノキの林を通り、左側に貯水タンクが見えてくるとそろそろ細い未舗装の林道があるので、そこに降り立ちます。道をたどって進むと古い別荘みたいなものが見え、左側に畑が出てきて、T字路に着くのでそこでは右に曲がりましたが、どうも不法投棄が多いようで、いろんなものが捨ててあり、なんとも物悲しい。しばらく舗装路をジクザク下って行くと子供の声が聞こえてきて、塩山ふれあいの森総合公園内に着く。なんとも平和な場所で、その先の道を作業中のおじさんに聞くと親切に甲州弁で教えていただきました。左側の舗装路を進むと国道の山梨フルーツラインに出て、左側に進み「ころ柿の里ウォーキングコース」の道標があったので、それに従い塩山駅までテクテク歩きました。今まで塩山市内は車でしか通ったことがなく、歩いてこのような集落内を歩いたことがなかったのですが、とても風情があり珍しい形の祠が点在していて歴史を感じました。興味津々でキョロキョロいろんな物を眺めながら、ぽこっとした塩ノ山を目指していくと思ったよりも早く、目的地の宏池荘に到着です。値上がりしたのか400円で入浴しますが、この時期なのかガラ空きでのんびり入浴できました。
 入浴後は本日の最終目的地の塩山駅北口前にある居酒屋「はちまる」です。こちらのお店も空いていましたが、おいしい料理を沢山頂くことができました。そしてハスキーボイスの素敵な女将さんからいつものようにボールペンを皆さん頂きました。毎度ありがとうございます。

〈コースタイム〉
塩山駅(8:50)=鈴庫山林道ゲート(9:05~15) → 坂脇峠(10:15~25) → 小屋敷林道稜線取付(10:30~40) → 滑沢山(11:10~20) → 西群馬幹線No.178案内【道違い】(11:25) → 1,250mP(12:00) → 177号鉄塔巻く(12:10) → 176号鉄塔(12:30) → 越道峠(12:50~13:00) → 1,002mP(13:15) → 御料局三角点(13:30) → 恵林寺山【扇山】(13:50~55) → 三つ目のコブ(14:30) → 貯水タンク(15:10) → 塩山ふれあいの森総合公園(15:25) → ころ柿の里ウォーキングコース入口看板(15:50) → 塩山温泉宏池荘(16:15~50) → 居酒屋はちまる(17:05)

〈諸経費〉
タクシー:2,800円【塩山タクシー】
塩山駅⇒玉宮集落先の林道ゲート前


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