トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ349号目次

沢登り・大鹿川平ッ沢
鈴木 章子

山行日 2015年7月26日
メンバー (L)鈴木、大田、小幡、内藤、津田、小川

 平ッ沢はこれまで2度行ったことがあるが、どちらも大滝は登らなかった。今回、大田さんの希望と、小幡さんのリードで登ることができたことには感謝。
 救助訓練の帰路、大田さんから小川さんの沢デビューの話があり、近くてアプローチが良く、ほどほど遊べて、ツメが少ないところ、と言うことで平ッ沢を選んだ。帰路の入浴ができないのが欠点だが、駅から、往復歩いて行けることは大きな魅力だ。
 当初は、大田さん、小川さんと私の3名だったが、前日までに少しずつ人数が増え6名になった。
 沢の難度はともかく、濡れる沢である。当日は恐ろしいほどの猛暑。沢には最高の好天。しかし、飛瀑を受け全身びしょ濡れで登るには寒ささえ感じた。

 笹子駅8時30集合、滝子山登山口まで、暑い暑い道のりを歩いた。途中、軽トラックのドライバーから、「沢は荒れているよ、気を付けて」とアドバイスをいただいた。
 登山口までの50分の道のり、暑くて暑くて発狂しそうだった老いた体には暑さが堪える。登山口で身支度をしていると、多くのハイカーが通り過ぎていく。タクシーで登山口迄来るパーティーもいる。20名くらいの人が、各パーティーに分かれて登って行ったが、沢登りは我々のみだった。
「暑かろにー、大変」
見送る我々は、彼らにそれ以外の言葉が出なかった。
 身支度を整え、橋の袂から入渓。水量は前回の3割強か?スタートから結構濡れる。出合から小滝の直登を繰り返し、腰の辺りまで濡れたころ、2本目の橋を過ぎる。平凡だが良く濡れる沢だ。

今日は水量が多い核心の大滝

 この辺りから沢の中に倒木が目立ちだす。両脇の斜面が崩れている。ドライバーの話通りだ。倒木を避けながら、再度、小滝の直登を繰り返し大滝まで思いのほか早く着いた。
赤い肌の岩が大滝の印。しかし、今日は凄い水量。飛瀑を巻き上げ飛び散らしている。同じ沢でもこれほど違うのか。
 駅からの道すがら大田さんの希望で大滝を登ることにした。小幡さんが左岸のクランクした所をリードする。ビレーは大田さん。他約3名は、飛瀑の洗礼を受ける。若者は「キャッ、キャッ」と叫んでいたがー(若いってイイナ)

大滝と戯れるリーダー初沢でスイスイ登るAちゃん

きれいなナメでフィニッシュ!  これほどまでにこの滝が大きく感じたことはなかった。滝登りは安定した小川さんの登りもあり全員すんなり登り切ったが、滝の上部は斜度のきつい、滑りそうな赤い沢底が続く。全員気を使いながらゆっくりと進んだ。突然ドーム状のナメ滝が現れ、それを登りきると美しい滑床の沢が現れる。これまでと景色が一変。遊び心も出てくる。わずかな距離だが「ほっ」とする瞬間。
 若者は、「楽しい、楽しい」と、繰り返す。多くの沢の経験を積み重ねると、感動が薄くなる自分が悲しい。
 100m位の距離だが、全員笑顔で会話も弾む。滑床が終わると沢も終盤に差し掛かる。終了点で、着替えと休憩後、下山。2~3時間の沢だが、4時間遊ばせて貰った。
 『笹一』に向かっての下山は、国道に出てからは、暑く苦しい道のりだった。『笹一』で、着替えと軽く飲み食いをして駅に向かった。

〈コースタイム〉
笹子駅(9:00) → 登山口(入渓)(9:50~10:20) → 沢出合(10:40) → 橋(登山道)(10:55) → 大滝下部(12:40) → ナメ滝(14:05) → 滑床(14:10) → 終了点(14:20~14:45) → 笹一(16:15) → 笹子駅


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ349号目次