トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ349号目次

スケッチ山行・雁坂峠
内藤 美智子

山行日 2015年6月13日~14日
メンバー (L)内藤、渡辺(智)、大田、森田(純)

 以前から油絵という同じ趣味を持つ智世さんとスケッチ山行をしたいねと話しており、今回それが実現できた。例会山行に出してみたのはいいが、他に参加者があるかどうか不安だった。大田さんと純子さんも参加してくれることになり、わたしとしては小躍りせんばかりにうれしかった。

【6月13日(土) 晴れのち曇り】
 塩山駅で9:05発の西沢渓谷行のバスに乗る。梅雨の季節だし朝遅めの時間なのでそんなに混まないだろうという予想を裏切ってバスは長蛇の列になった。電車を降りた途端ダッシュでバス停に向かったので座ることができた。雁坂峠入口でバスを降りる。新地平から終点の西沢渓谷入口までは自由乗降区間なのでぼんやりしていると終点まで連れていかれてしまうので注意。
 雁坂峠登山道入口の標識に導かれ、林道をたどる。村営釣り場の横を通り、巨大な雁坂トンネルの高架をくぐる。分岐を違う方へ進んでしまったが、おかげでワラビをとることができた。沓切沢橋まではショートカット部分をのぞき、舗装道路が続く。
 沓切沢橋からようやく登山道に入り、30分ほどで沢を渡る。これが沓切沢で沓切橋が架かっていたのは唐松尾沢というからややこしい。ここから峠沢右岸を緩やかに登っていく。これまで何組か下山してくる登山者を見かけた。たまたま休憩中に下りてきた方にお聞きすると日帰りでみとみから甲武信岳を登って雁坂峠を回って下山するとのこと。このコースを日帰りするだけでスゴイと思うのにさらにまだお昼過ぎで雁坂峠から下ってきているとはどれだけ足が速いのかと驚く。
峠沢右岸沿いに登っていく  登山道が沢から離れるとジグザグの急登になる。少々きつい登りだが、だんだんと視界が開けて気持ちが良い。足元に小さな花も咲いている。ようやく着いた雁坂峠は三伏峠、針ノ木峠と並ぶ日本三大峠で、日本書紀にも記述がある歴史ある峠であるとか。あいにく雲が広がってきており、富士山も見えなかったのは残念だった。雁坂小屋に向かう道には白いかわいらしい花がいくつも咲いており、智世さんから「オサバグサ」と教わる。
 雁坂小屋では小屋番さんからまず小屋の名所?北側向かいの尾根に見えるハートを教えてもらう。雁坂小屋は昔ながらの風情の小屋、トイレの掃除も行き届いて水が豊富なのもうれしい。テントを設営してからスケッチタイムとなる。峠まで戻るのはしんどく、曇って景色も今一つだったので小屋周辺で思い思いに描くことにする。純子さんはスケッチはせずに料理という文化活動に専念して美味しい晩ごはんを作ってくれた。途中で採取したワラビはやはりあく抜きが必要なのでお土産に持ち帰ることにする。
 その夜は雨が降り出して一時は強い雨音が聞こえていたので翌日のことがとても気がかりだった。

ディナーは塩豚ポトフとお手製フランスパン

古礼山付近の草原でスケッチ 【6月14日(日) 雨のち曇り】
 雨が小降りになったので予定通り雁峠に向かうことにする。準備をしているうちに雨はやみ、雨の中を歩くことは免れた。
 小屋から峠には戻らず、巻き道を通って水晶山に向かう。ここにもオサバグサがあちこちに咲いていた。奥秩父らしい森の雰囲気もいい感じだった。水晶山山頂は樹林の中で景色は見えず、通過。
 次のピーク古礼山は南側が開けていて晴れていればさぞ景色がいいだろうという場所。あいにくの曇り空で富士山も見えないが、草原の雰囲気も素敵なのでここでスケッチをする。ついでにお湯を沸かしてお茶を飲んでのんびりする。周囲を散策して鹿の角を2本も見つける。
 古礼山から雁峠へは景色もよく、適度なアップダウンがあり、歩きやすい道。燕山周辺はシャクナゲの木がたくさんあったが、花はほぼ終わっていた。雁峠への最後の下りだけは急だった。雁峠でも1時間ほどスケッチタイム。ガスが出てあっという間に笠取山が隠れたり、また現れたりと目まぐるしい天気だ。
雁峠から新地平へ下る  雁峠からの下山は半分が沢沿いで、何回か沢を渡る。残りの半分は林道歩き。この林道は亀田林業所の私有地とのこと、良識ある態度で利用したい。
 ゆっくりスケッチしながらでも予定より早めに下山できたので塩山温泉で汗を流してさっぱりしてから帰京した。

〈コースタイム〉
【6月13日(土)】 雁坂峠入口(10:20) → 沓切沢橋(11:35~50) → 雁坂峠(14:25~40) → 雁坂小屋(14:50)
【6月14日(日)】 雁坂小屋(6:15) → 水晶山(7:05) → 古礼山(7:35~9:10) → 雁峠(10:15~40) → 新地平バス停(14:05)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ349号目次