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沢登り・入川金山沢大荒川谷
金子 隆雄

山行日 2015年7月25日~26日
メンバー (L)金子、和田、内田、深谷、古屋、下村

 大荒川谷はアプローチに車を使えばそれほど不便ではないが、車が1台だと入山場所に戻れないので下山後に長い距離歩かなければならない。今回は2台の車を確保できたので下山後の問題は回避できた。東部方面隊は都内で集合、西部方面隊は東所沢駅に集合して出会いの丘駐車場で合流することにした。西部方面隊は金子、下村の2名、他の4名は東部方面隊。集合時間や距離を考えると我々の方が先に着くと思っていたが駐車場に着くとちょっと先に都内組が着いていた。中央道から雁坂トンネルを通って来たそうだ。その夜は休憩所の軒下で寝る。

【7月25日】
 1台の車に6人全員が乗れないので2台で入川の渓流釣場に向かう。人と荷物を降ろしてから出会いの丘駐車場へ車を1台デポするために戻る。渓流釣り場の駐車場に駐車すると高い料金を取られるので少し離れた路肩に駐車する。
 渓流釣り場からゲートを通り少し行くと入川沿いに緩く降りていく道があるのでこの道を進む。この道は森林軌道跡へと続いている。昔はこの道がなかったので林道を更に奥まで進んで大きくカーブして登りになる所から悪い踏み跡を辿って森林軌道跡へ出るルートをとっていたが今は随分と楽になっている。森林軌道跡は平坦で歩きやすく1時間強で赤沢谷出合に着いた。
細いフィックスでツルツルの滝を越える  赤沢谷出合から入川の本流を溯行していくこともできるが、金山沢まではゴルジュが続き時間がかかるので今回は登山道から金山沢出合へ降りることにした。 赤沢谷に架かる橋を渡って赤沢谷沿いの水平な道をしばらく進むと柳小屋方面への分岐が出てくる。赤沢谷沿いの道はまだ先へと続いているが途中で途絶えていて何処かへ抜けることはできないようだ。分岐から急登の柳小屋方面へ進む。
 登山道は入川の遥か上についているので登山道から金山沢の出合は見えない。地図をしっかり見ていないと下り口を見逃してしまう。登山道に指導標がある所に入川へ下る踏み跡があるのでこれを辿って急下降する。入川に降りると金山沢が穏やかに出合っている。金山沢は出合から直ぐに左へ曲がっているので奥は見えない。
 金山沢に入って直ぐに沢が左へと曲がるとゴルジュになり深い釜を従えたツルツルの手強い小滝が続く。ここがこの沢の核心部かなと思わせる。心細いフィックスが垂れているのでそれに縋って越えていく。その先もいくつか登れない滝が出てきて捲いて越える。捲きはほとんど左岸からだが悪い捲きではない。ゴルジュが途切れた少し先で沢が右に屈曲するとそこには豪快に水を落とすゴンザの滝が控えていた。これは到底登れそうになく左岸から捲いた。下からは全貌は見えなかったが捲いている途中から何段かになっているのが確認できた。
豪快に水を落とすゴンザの滝  ゴンザの滝を越えると再びゴルジュになる。深い釜を避けて左岸から捲いて降りると左手から滝から水を吹き出すように小荒川谷が出合ってくる。本流はここから大荒川谷と名前を変える。大荒川谷に入って直ぐの右岸に良い幕場があったので予定通りに泊まることにする。タープを張り、薪を集めて準備完了、後はいつもの光景が繰り広げられていくだけだ。
 小荒川谷がどんな沢か少し入ってみたが大岩がゴロゴロする荒涼としたゴーロが続いているような沢だった。

【7月26日】
 大荒川谷もしばらくはゴルジュが続く。ゴルジュが終わるとナメ滝が多くなり快適に登れる滝も多くなる。奥秩父らしい苔むした渓相になってくるが同時に倒木が多くなり煩わしい。この沢には岩魚がいるらしいのだが昨日、今日と魚影は一度も見ることはなかった。
 幕場から2時間で中の二俣、そこから更に1時間15分で三俣状になった所に着いたがこれが溯行図に記された三俣かは定かではない。一番右はまだ少し水流があるが他は水流はない。どれをとってもたいして変わりなさそうなので真中を進む。やがて藪に突入するが低い灌木が多いので見通しは悪くない。詰めが適切でなかったようでかなり長い時間藪をこいで立ち枯れの木が目立つ稜線上の登山道に出た。
立ち枯れの木が目立つ稜線  靴を履き替え長い下山にかかる。雁坂嶺へ登り雁坂峠から雁坂小屋、小屋から黒岩尾根上の登山道を豆焼橋を目指す。あせみ峠までは起伏の少ない歩き易い道だが長いのでもうヨレヨレだ。あせみ峠から一気に下ると舗装路にでるが 豆焼橋まではまだかなりある。18時少し前にようやく豆焼橋着。入山時にデポした車を回収して大滝温泉で汗を流し解散とした。

〈コースタイム〉
【7月25日】 渓流釣場(7:30) → 赤沢谷出合(8:40) → 金山沢出合(11:00~30) → 小荒川谷出合(15:15)(泊り)
【7月26日】 幕場(7:00) → 中ノ二俣(9:00) → 二俣(10:15) → 登山道(12:30) → 豆焼橋(17:50)

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