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縦走・幌尻岳~十勝岳
アルプス 別所

山行日 2015年8月27日~31日
メンバー (L)別所、吉田(貞)、成田、佐藤

○幌尻岳山行
 100名山の中で一番厄介な山行になると言われている幌尻岳行きを無事終えたので、そのへんを含めて山行を記録しました。

【8月27日】
 JR苫小牧駅前でフェリー組に航空機利用の成田さんが合流し"あきら車"で幌尻登山基地の「とよぬか山荘」に向かった。
 途中平取(びらとり)町立二風谷アイヌ文化博物館に立ち寄り、アイヌの生活ぶり映像などを見た。
 豊糠山荘は旧小学校を改造して作られており、食堂、洗濯場、風呂場、団欒室と設備が整っていて使いやすいが、寝場所は二段ベッドが詰めて配置されていて窮屈な感じを受けた。
 翌朝山荘朝食をすまし、2日分の食事・寝袋と沢遡行の装備をパッキングし7時発のシャトルバスに乗った。
 第2ゲートから北電取水口までの林道歩きが終わると、沢沿いの登山道を辿った。
 10:30に渡渉を開始し十数回の渡渉で1時間後幌尻山荘に達した。
 山荘管理人から、雨天ではないので屋外での食事・山荘内には寝袋とマットだけの持ち込み・指定箇所での睡眠を言い渡された。

沢沿いのへずり山荘前での昼・夕食

【8月28日】
 命の水経由4時間の登りで幌尻岳山頂に着いた。200名山のカムイエクチカウシ山と300名山の神威岳を同定した。
 戸蔦別岳(トッタベツだけ)に向かい七つ沼カールを見下ろしたが、キャンプ地としては素晴らしい環境と思えた。(地元の登山者からは北海道で一番の幕営地だと聞かされた)
 北戸蔦別岳への鞍部から急勾配の下山道に入ると小雨が降りだした。山荘手前で数本の沢を横切り16:00に幌尻山荘に着いた。

曇天であったが360度の展望七つ沼カールと戸蔦別岳

【8月29日】
 第2ゲート8:30発のシャトルバスに乗り込むべく5:00に山荘を出発する。
 ヘッドランプで沢を下るが、しばらくしての渡渉地点では明るくなってきた。順調に一昨日登ってきた沢と林道を下り、バスに乗り9時過ぎに前進基地のとよぬか山荘に到着し幌尻岳山行を終了した。

 幌尻岳へは今回のルートの他に、ニイカップ・ボロシリ山荘経由・チロロ林道経由と伏見岳避難小屋経由があるがいずれもアプローチが長い。この中で今回の幌尻山荘経由は林道をバスでの往復シャトル便があり、山頂攻略には便利になっている。ただしこのコースは糠平川の沢の登降があり、増水時には遭難の事故もあり山荘運営側からバスの運行、宿泊の制限がなされている。
 とよぬか山荘・シャトルバス・幌尻山荘の利用には予約が必須、毎年4月1日からの受付で電話申し込み後に予約確認書が送られるので必要事項を記入し、FAX又は郵送で返事をして申し込み完了である。
 宿泊日が限定されることにより、もし登降遡行日に増水の可能性があるとバス・山荘利用が中止となり山行不可となる。中止は現地到着後に出ることもあるので、またの出直しとなると場所が北海道だけに辛いところである。

○十勝岳山行
【8月30日】
"三峰山"の文字は見逃せなかった!  前日泊った吹上温泉白銀荘駐車場に車を残し、十勝岳温泉凌雲閣バス停までタクシーを利用した。
 1,270mの登山口より三段山分岐経由富良野岳に向かった。晴れなので視界もきいて気持ち良く登山道をたどり富良野岳分岐に着く、ここに荷物をデポし山頂を往復した。
 富良野岳山頂ではヒグマの生活範囲と言われている"原始ヶ原"を見下ろしたりして時を過ごした。今日の宿泊地上ホロ避難小屋への稜線歩き途中に三峰山(さんぽうやま)があり記念にシャッターを押してもらった。
 曇天ガス模様の中2時前に避難小屋に着いた。こじんまりした小屋には先着者が一人いただけで、我々は2階を占有し、ゆったり宴会・食事を楽しんだ。

【8月31日】
 今日は4時半出発で火山石の尾根道を行き、曇空のもと十勝岳に達した。
 ここからも草木のない、茫洋としてなかなか得られない火山景色の中、美瑛岳への道を辿った。美瑛岳には9時に到着、美瑛からの途中で函状の沢(ポンピ沢)があり取り付けられているさる梯子で渡渉した。
 雲ノ平分岐・泥流分岐を経て白銀荘駐車場に戻った。
 野天にあり、自由に使用できる吹上露天風呂に入り今回の山行を終えた。

私はこれで99座目の達成

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