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ハイキング・風雨雷山~鶏鳴山
藤岡 弘之

山行日 2015年12月23日
メンバー (L)峯川、別所、箭内、三澤、天城、藤岡

 もう今年も終わってしまう! 1月の例会の後、色々な事情で、とうとうここまで参加することができなかった。2014年末に入会したものの非常に不完全燃焼な状態で、このまま静かに会を去るという選択肢が頭をよぎりつつも、折角の機会を無駄にしたくないという思いの方が強く、気持ちを入れ替え、再スタートを切るつもりで参加させていただいた。それにもう一つ、今回参加した理由がある。「風雨雷山(ふうらいさん)」という山名だ。何とも心惹かれる山名で、不動岳、大無間山(いずれも南ア深南部)などのときと同じく、ココは登っておかなくてはという強い気持ちを持ちつつ参加した。

【12月22日 22時 駒込駅出発】
 クリスマス直前で、祝日前夜ということもあり、一杯引っ掛けた飲み客の多い山手線を駒込で降り、北口のロータリーで皆さんと合流した。同行させていただく方々とは、今回初めて話す方ばかりで、少しの緊張と楽しい時間への期待が入り混じる。私は三澤さんのCX-5に乗せていただき、峯川さんのハスラーとともに出発した。東北道を北上し、日光宇都宮道路へ入ると道はガラガラだ。普通ならばこの時期、クリスマスを楽しむか、年賀状を書くことに時間を使うので、当然と言えば当然である。今夜仮眠する日光口PAに到着すると駐車している車は1台だけで、難なく芝生の上にテントを設営して、酒盛りが始まった。そしてなんと!今回は4000回目の例会に当たるという話に驚いた。確かに、前回の原稿を書いたときに3900を超えていたので、それを考えると数字を実感することができた。それにしても切りの良い数字で、狙って参加できるものではなく、ビール、ワイン、焼酎の祝杯が飛び交っていた。昔話に花が咲き、別所さんが山を始めて50年という節目も重なって、短い時間であったが大いに盛り上がった。このような記念すべき例会の原稿を、実績もない私が書かせていただいて良いものか、非常に悩ましいものである。

【12月23日 風雨雷山~鶏鳴山】
 朝6時頃に起床し、笹目倉山の登山口へ移動する。登山口近くに駐車スペースを探し、小来川(おころがわ)保育園前にある運動場へ峯川さんのハスラーを駐車することにした。そして、下山口になる東小来川公民館近くに三澤さんの車をデポし、準備を整えた後に、6基の庚申塔に見送られ風雨雷山へ向けて出発した。
営業色のない地味な風雨雷山・・・  まずは、杉林の尾根を一直線に急登する。左手に笹目倉山から風雨雷山へ続く稜線が何度か見え、登山口から標高差300mほど登ると、鳥居と3基の石祠が祀られた風雨雷山(653m)へ到着した。ただ、名前を記した頂標などは何も無く、拍子抜けしてしまう。どうせならば、『風雨雷山 例会4000回記念』などというプレートを掛けたくなる。山名に魅せられて登ってきた者とすれば、その由来を記した看板などを期待するのだが、今の時代にあっても営業色の全くない山であった。
 小休止して、次の笹目倉山を目指す。杉林を急登し、小ピークを越えると独特な造りの社がある笹目倉山(799.9m、栃木百名山65座)へ到着する。天善王大神が祀られているが、この社の壁は驚くことにステンレスで覆われていてピカピカである。何でステンレスなのかということが話題になり、風雨に耐えるため?雷対策??など考えを巡らすもよく分からない。
 次に、今回のルート中の最高点となる鶏鳴山(けいめいさん)を北に目指す。
 まずは急下降し、鞍部から少し登り返すと643m地点へ到着する。この先の平坦と緩やかなアップダウンのある場所には、石垣が目印となる炭焼き跡が多く残っていた。

笹目倉山にあるピカピカのお社今回のルートにはいくつもの石祠があります

 大きな岩が現れると登り始めのサインである。尾根線を30分ほど登って815m地点へ到着する。ここには下山道の標識があり、距離的にはおおよそ笹目倉山と鶏鳴山の中間地点になる。
 少し下り、小さな石祠を過ぎると再び登りになる。急登気味の所もあるが、それほど長くは続かない。947m地点を越えると鶏鳴山が視界に入ってくる。距離的には近いのだが、空腹を感じているためか、まだ遠く感じた。

947m地点からの鶏鳴山

 この辺りは、しっかりした落葉樹の林になっていて心地良い趣きだ。少し急な下りがあり、鞍部を過ぎて登り返すと鶏鳴山(961.4m、栃木百名山60座)の山頂は近い。
 山頂手前で全員揃ってから記念すべきピークを踏み、登頂の喜びを人文字で表して写真に残すことにした。私ももちろんであるが、先輩方の喜びはひとしおであり、まさに記憶にも記録に残る登頂になった。
記念すべき三峰例会4000回目を人文字で祝う!  4000回人文字記念撮影を終え、展望があまり良くないこともあり、200mほど北側へ移動して丸太が置かれている場所で、皆さんお待ちかねの昼食タイムとする。なんと、峯川さんがホットサンドを作るというので、準備を始めて5分もしないうちに、家でローストしてきたという豚肉をフライパンでバジルソースに絡めて温め出した。先輩方が祝杯を挙げだす頃には、ローストポークとミニトマトをサンドしたパンをホットプレートに挟んで、ヘッドで焼いている。なんと手際の良いことか!こんな旦那を持つ奥さんはどんなに幸せなことか、羨ましい限りである。そして味は言うまでもなく、美味しいの一言に尽きる。ソースで一層高められた深い肉の味と肉汁。温かいものが食べられるだけで十分なシチュエーションなのだが、贅沢極まりない。記念すべき山行にピッタリの昼食だー! 思わず、敬愛する椎名誠のあやしい探検隊"焚火酔虎伝"に出てくるリンさんを思い出してしまった。

バジルソースで絡めた豚肉をパンに乗せて・・・例会4000回をバジルポークホットサンドで祝う

 昼食を堪能して下山を開始する。一度、小さな石祠が幾つもある北側を探索してみる。
 石祠がある北側には予定している下降点らしき場所は見つからず、昼食を取った付近を探した。峯川さんが方位を確認、他のメンバーはテープを探し、下山ルートを北西方向へ派生する尾根と判断し下降を開始した。
鶏鳴山の歴史を感じさせる石祠  ちなみに、下山ルートは今回のコース中で唯一、登山道として記載されているのだが、一番分かり難い場所であった。よく見ればテープはある程度の頻度で付いているが、注意深く進む方向を見定めないと小さな派生尾根も多く、沢へ引き寄せられる地形になっていた。しかも、かなりの急斜面で、同じ場所に立とうとするならば、木に掴まるか、意識して体を山側へ傾けておかないと転げ落ちそうな状況で、焦らずに慎重な行動が求められるルートであった。道迷い防止という意味では、登りに使用した方が良さそうだ。
なかなか神経を使う下山ルート  下降を開始して30分強で林道に出合い、ひと安心する。ここからは気楽で楽しい歓談タイムになり、別所さんに昼食時の話の続きをねだって色々とお聞きした。ルックスに違わず破天荒で(?)ドラマッティクな生き方をされていて、男目線でも何とも魅力的である。
 三澤さんの車をデポした東小来川公民館近くの駐車スペースへ到着し、地元の方に小来川温泉の営業を尋ねた。入浴できそうな話を聞くが、登山口へ車を回収しに行く途中に寄ってみると残念ながら営業しておらず、日光駅近くにある日光温泉で汗を流して帰京した。

 最後に記念すべき例会に参加させていただき、ありがとうございました! 2015年最後の山行でもあり、今度こそ、三峰で本格活動するぞという気持ちを強く持つことができました。例会5000回へ向けて!

〈コースタイム〉
小来川小学校跡地【駐車】(7:30) → 笹目倉山登山口(7:40) → 風雨雷山(8:20~30) → 笹目倉山(9:00~15) → 815m地点(10:15~30) → 947m地点(11:00) → 鶏鳴山南峰【三角点】(11:25~35) → 鶏鳴山北峰【昼食】(11:40~13:00) → 林道出合(13:35) → ゲート(14:20) → 東小来川公民館(14:25)


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