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雪山登山・西黒尾根~谷川岳
小幡 信義

山行日 2015年11月28日~29日
メンバー (L)小幡、紺野、内田、小松

 今年の正月も鹿島槍を計画しているため、本番前の足慣らしとして毎年11月末に谷川西黒尾根を目指している。メンバー4名で締め切り、電車とバスで乗り継ぎ、谷川ロープウェイまで行く。

【11月28日】曇り時々雪
 バスから降りてベースプラザで準備に取り掛かる。天神平のスキー場はオープンしていない模様でフロアは閑散としていた。
 本日の幕場予定地のラクダのコブを目指して歩きだす。外は曇り空でどんよりとし、いまいち気持ちが盛り上がらない。ボッカも兼ねて水2Lを持ち上げるため、ザックは重みを増し衰えた体にはきつい。25日~26日にかけて下界は冷たい雨となり、山は雪になっているだろうと期待する。
 西黒尾根入口の標識から登山道に入るが、暫く雪はなく落ち葉を踏みしめてのんびりと足を運ぶ。鉄塔下を通り過ぎても未だ雪は見られず、標高1,000m当たりからやっと雪も出始めてくる。例年より少ないと感じる。
 ラクダのコブ直下の鎖場の通過は雪の付きが少なく、アイゼンを付けるか迷うがそのまま鎖にしがみつき強引に登り切る。一瞬鎖を持った手が滑りひやりとしたのでゆっくりと足を固め慎重に登ることにする。3か所くらいか鎖場を過ぎラクダのコブに到着する。いつもテント場としているすり鉢状の箇所に何とかテント1張り張れそうな積雪量だ。周辺から雪をかき集め踏み固めようとするが新雪でフワフワの雪のため中々平坦にならず。狭いなりにも何とか4人が横になれるスペースにテントを張る。四隅が浮いた状態で納得のいかないテントであったが、中に入れば忘れてしまうだろう・・・!!
 テントに入ると自分のスペースを確保し早速雪山では一番合うと自分では思っている菊水でちびちびやる。夕飯は体が温まるキムチ鍋、各自3品程度の具材を用意し沸騰したキムチ鍋に適当に放り込めば直ぐに食えるので楽、旨い、温まる、の三拍子で1泊の雪山山行は定番のメニューにしている。テント内はキムチ鍋と適度なアルコールで暖かいが外は湿った雪がしんしんと降り続いていた。

【11月29日】小雪
 ラクダのコブを6:30に出発する。湿った雪であったが少し積もったようだ。アイゼンを装着し山頂を目指す。ガスって視界は効かないが岩に黄色のペンキ目印が見え隠れしているので方向は問題ない。今日はザックが軽いので急登であってもペースは上がる。積雪も膝程度、部分的に雪溜まりもあるが特に問題なし。若い内田さんと小松君が先頭を競うようにトレースを付けていくので我々年寄り2人には有り難い。
 右側を望めばマチガ沢を挟み東尾根がうっすらと観られる。3年前の3月に行った記憶がよみがえる。午前中は晴れていたのに国境稜線手前から天候急変、吹雪となり、肩ノ小屋から天神尾根下山を試みるも視界が効かず、さまよっていたら突然目の前に赤旗を発見、それも等間隔に刺してあった。あの赤旗により無事に降りられたのである。谷川は怖い山である。
 いくつかのピークを越え小屋近くの標識が見えた時はやっと着いたかと一寸安心する。トマの耳に9:15着、小雪のちらつく中、とりあえず山頂の記念写真を撮り、肩ノ小屋で休憩とする。狭いスペースでゆっくりと行動食を貪っていると、急にドアが開かれ単独の登山者が入って来る。天神尾根から来たとのことだ。休憩もほどほどにして帰りのトレースが消えないうち下山にかかる。下山中何人かとすれ違うがザックも小さく一日で登ってしまうのか・・・!!
 ラクダのコブに10:50着。テントを撤収しソソクサと下山する。
 正月合宿の準備山行としてはまずまずの出来であったかなと、まずは一安心の気持で電車に乗り込む。

〈コースタイム〉
【11月28日】 ロープウェイ(10:45) → ラクダのコブ(14:15)
【11月29日】 幕場(6:30) → トマの耳(9:15) → 幕場(10:15) → ロープウェイ(13:40)

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