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縦走・神室山~火打岳
峯川 正行

山行日 2016年5月20日~21日
メンバー (L)峯川、高木、深谷、内田、三澤、鈴木(章)

 神室山といえば、高木さんを思い出す・・・。というのが神室山のイメージです。何度となく神室山に通っている高木さんを拝見していると、一体神室山にはどのような魅力があるのか・・・。長距離ではありますが、高木さんの助けのもと企画をすることといたしました。核心は往路の運転でしょうか。下山予定は土曜夜として、あゆっこ村バンガローで祝杯をあげて日曜は観光しながらのんびり帰京するという帰りの運転には優しい山行を企画しました。

【5月20日(金) 晴れのち曇り】
 ちあきさん車と私のハスラー号にて駒込駅を21時過ぎに出発し、三峰では定番の国見SAにて仮眠です。しかし、国見SAにたどり着くまでが眠気との戦いで大変でした~。
 翌朝は4時起床で5時前に出発し、庄内を目指します。私はこの辺りの道は初めて走るので、興味津々状態で目覚めがとても良いです。とぎれとぎれの無料高速道を果てしなく北上すると庄内に6時過ぎに到着し、コンビニで一休みです。とても涼しく山頂では相当寒いだろうと覚悟しました。庄内のコンビニから火打新道登山口は1時間くらいで到着し、下山口である火打新道登山口にちあきさんの車をデポするためにハスラー号が2往復して土内登山口に移動しました。林道も問題なく走れました。
 取付から歩き始めて数秒でいきなり三つ葉を発見しました。この先一体どれだけの山菜が待っているのか。楽しみになりました。新緑の中、沢沿いを進み遥か下にある雷滝が登山道から見える頃になると、沢の支流を渡渉する場所に到着です。岩に打ち込んだ鉄の梯子があるのですが、結構な流れで下が見えにくくなっていて、なんとも嫌らしいです。
渡渉点の梯子は使わないで手前のトラロープ利用  三澤さんが先に渡っていてストックを出してくれるのですが、足をすくわれたらただではすまないと思い、ちょっと手前にトラロープが下がっているので、そこを下り渡渉して少し登り返すことにしました。こちらの方が全体がちゃんと見えるルートだったので安心でした。ここで一本取り、急登をこなしていくと権八小屋跡に到着です。その途中にはコシアブラやユキザサなどあり、みなさんキョロキョロしております。特に高木さんは凄い!山菜360度アラウンドビューモニターでも搭載しているかのごとく、奥まったところでもヒットしていきます。私はコシアブラぐらいしかわかりません。ちあきさんと高木さんが今回の山行に来てくれなかったら山菜は判らなくてつまらない山行になっていたことでしょう!
 ここからは標高1,000m台の稜線あるきですが、樹木があり見通しはあまりよくありません。ただ、今は景色よりも山菜が大事なので左右キョロキョロしながらゆっくり歩きます。途中には私は初めて見る、キクザキイチゲの大群生がありました。花の色が白と紫の二種類ありました。とても印象深いお花で茶道の茶花としてしつらえたら素敵だろうなあと思いました。

初対面のキクザキイチゲです!尖ったところが神室山です!もうすぐです

 しばらく進むと神室山と避難小屋が見えてきました。1,050m鞍部に向けては、カタクリロードが待っておりました!関東では保護されているカタクリですが、ここでは全く保護されていません。というかカタクリを踏まないように歩くのが大変なぐらいに一面に咲いておりました。高木さんはもしかすると時期がずれていてカタクリロードには対面できないのではと心配されていたようでしたが、素晴らしいカタクリロードを鑑賞させていただきました。とても嬉しい気分になりました。
 最後の登り返しをしてようやく14時半に避難小屋に到着です。平日なので予想通り貸し切りでした。数年前に建て替えられた避難小屋は二階建てで快適そのものでした。トイレもバイオトイレで飯豊にあるような漕ぎ漕ぎタイプです。
とても綺麗な神室山避難小屋  まずは水汲みに小屋の下の雪渓付近まで降りますが、今年は雪がなくなるのが早いようで、かなり下まで下がることとなりました。草付きは雪渓が落ちたばかりなのか、つるつるで非常に危ないです。小屋にあったデカタンクに水を入れて登り返しますが、これがまたリスキーです。私はアイゼン持ってきたので、草付きをアイゼンつけて登り返しました。
 小屋からは鳥海山、月山が見えて最高でした。ちょっと曇ってきたので夕日が見えなかったのが残念でした。小屋内部では山菜祭りです!なにせ私は山菜を山でいただくなんて初めてなので、おとなしくステイ状態です。高木さん、ちあきさんの動きが半端ないです。すべてを知り尽くした人はやはり凄いです。私はやはりコシアブラファンになりました!なんとも言えない絶妙な極上のコシアブラ・・・。山の幸に感謝申し上げます。楽しい時間があっという間に過ぎて明日は長い行程なので早めに就寝です。

コシアブラの天ぷらは最高でした!

【5月21日(土) 晴れのち曇り】
神室山から景色は最高  今日の行動時間が長いので、4時起床6時出発です。お掃除もして、お世話になった快適な小屋に維持協力金として一人500円で3,000円箱にいれさせていただきました。いつまでも綺麗なままの小屋だったら嬉しいです。今日は高曇りですが神室山山頂からの眺望は堪能できました。
 以前、高木さんが来たときは残雪が多く、山頂から天狗森方面への稜線下降においてクレバスがあったりと非常に危うかったようで、その際は小屋からトラバースされたとのこと。今日は全く雪がありません!快適に稜線を下っていきます。今日の稜線歩きは昨日と違って最高です。左右に樹木もなく景色を楽しみながら歩けます。ただ、ちゃんと下をみていないと、カタクリリロードを破壊してしまいます。こんな経験なかなかないので写真撮りまくりです。
これがカタクリロードです!天狗森が見えます  天狗森には山名板のようなものはないですが、三角点はありました。鳥海山の存在感が素晴らしかったです。この鳥海山を見て、7月連休で鳥海山の例会を出すことを決めました。岩牡蠣を食べたいのが本当の理由ですが・・・。天狗森から小又山へは多少下って、また登り返しですが、極上のコシアブラ様が出迎えてくれます。なかなか前に進ませてくれません!こんな経験初めてです!関東の山ではおそらく体験できないと思います。ホクホク状態で小又山に着くと、初めて単独の男性に会いました。短パン姿の男性をアッコさんは虫にさされないか、たいそう心配しておりました。山で会った方はこの男性のみでした!やはり平日から入山したのは正解でした。ヤマレコを見ると、土曜、日曜に入山している人はかなりいたようです。そして、今年は季節が多少ずれていましたが、それが幸いしてなのか山菜がドンピシャだったかと思います。高木さん、ちあきさんも満面の笑みです!
小又山から火打岳  まだまだ火打岳は遠いですが、今日は曇り模様で陽が差していないので非常に助かりました。みなさん快調に歩いていただいて、予定通りに12時前に火打岳到着しました。月山、鳥海山を眺めながらの稜線歩きはここで終了です。あとは下山ですが、西火打岳近くでは多少残雪がありましたが、それ以降は芽吹いたばかりの色鮮やかなブナに囲まれて気持よく降りるだけです。下りながら夜今日宿泊するバンガローでの夜のバーベキュー食に何を買おうかしら~と考えていました。5合目2.5合目などの看板をみながら降りて行き、沢の音が聞こえると登山口に到着です。私有のキャンプ場のようなところを通過して吊橋を渡ると、ちあきさんの車が待っておりまして、15時過ぎになりましたが、予定通りに無事に歩き通すことができました。ハスラー号の回収に向かい、夜の食材を仕入れるために庄内の大型スーパーに向かいました。あゆっこ村に到着すると、有名な天に昇る鮎のモニュメントを発見です。
あゆっこ村の昇る鮎が夕日に照らされています  とても綺麗に整備されたキャンプ場で朝から入浴できる温泉施設も素晴らしいです。BBQコンロなども予約したので外のデッキで楽しいBBQとなりました。アッコさんの誕生日会も開催させていただきました!ケーキ美味しかった~。楽しい夜はあっという間に過ぎ去り、翌日はみなさんの意見から出た、銀山温泉観光となりました。私も銀山温泉は行ったことがなかったので、楽しみでした。歴史のある温泉街で、とても賑やかでした。朝10時前でしたが、温泉宿に日帰り入浴させてもらいました。
 今回はいつか行きたかった神室山を思う存分堪能させていただきました。一人でいってもおそらく全然つまらなかったでしょう。高木さん、ちあきさんには山菜も含めて色々とお世話になりました。そして山行に参加していただきましたメンバーにも感謝申し上げます。

最終日は銀山温泉で観光
〈コースタイム〉
【5月20日】 土内登山口(7:50) → 砂利押ルート分岐(8:05) → はきかえ峠(8:45~55) → 雷滝(9:30) → 枝沢渡渉(9:40~50) → 雷滝原源(10:00) → 権八小屋跡(11:45~55) → 神室山避難小屋(14:45)【小屋泊】
【5月21日】 神室山避難小屋(6:05) → 神室山(6:08~15) → 天狗森(7:50~8:00) → 小又山(8:50~9:15) → 砂利口(10:55) → 火打岳北峰(11:35) → 火打岳(11:50~12:15) → 西火打岳(12:45) → 水場入口(13:00) → 5合目(13:50) → 2.5合目(14:20) → 神室岳登山口(15:20)

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