トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ351号目次

雪山登山・西黒尾根~谷川岳
津田 友紀子

山行日 2016年3月12日~13日
メンバー (L)小幡、紺野、古屋、有馬、津田

 毎年都合がつかずに逃してしまっていた雪洞訓練。今年も小幡さんが谷川の雪洞泊を出してくださって、念願叶って参加することができた。

【3月12日(土) 晴れのち曇り、小雨】
 水上駅から10:41発の谷川岳ロープウェイ行きのバスに乗車。お天気はまずまず。ベースプラザの建物の中でしっかり身支度を整え、登山指導センターの奥のゲートから登山口に向かう。取付きは土がすっかり出ていて、解けた雪と混ざってヌルっと滑る。鉄塔まで行って稜線に上がると、ようやく雪山の景色。周囲の山々が見渡せた。
 この先で雪上訓練を行っているパーティーがいたが、ほとんどの人が噂の防寒青ゴム手袋をしていた!来年の雪洞訓練にはあれを買っておこう。
 稜線を進み、小幡さんが予定していた場所で雪洞掘りを開始。締まった雪がたっぷり積もっている場所でなければならないが、その斜面の急なことに驚いた。しかし今年は雪が少ないせいで、しばらく掘ったら枝が出てきてしまい、もっと上に移動して掘りなおすことにした。
 雪洞はまず両端から入口を作って奥に掘り進めていき、その間にある壁の厚さが十分な強度を保てるまでになったら、互いをつなげるため今度は横に掘り進めていく。スコップを上、右、左に刺し、最後に下を刺してブロック状に切り出していくが、雪はずいぶんと締まっていて奥に行けば行くほど固くなり、生半可な力ではスコップが刺さらない。紺野さんと小幡さんのスピードと、リズムに乗った鮮やかなスコップさばきは素晴らしく、いざ私もとスコップを振るうも時間ばかり掛かってしまう。私が掘り出すことができた量はどれだけだったのだろうか・・・。
貫通後の雪洞内、広い!  掘り始めた頃から気温が下がってきていたが、雪洞掘りに夢中になっている間は寒さを感じなかった。壁が貫通したら、室内の壁をきれいに整えていく。天井は暖気で滴が垂れないように平らに削る。入口のうち一方は切り出したブロックで埋めて、もう一方はビニールシートを張った。最後に壁に棚を作ってようやく完成。最初の斜面での掘削開始から3時間。自分がこんなに雪洞掘りに夢中になるとは、意外だったが嬉しい発見だった。
 水作りの雪集めは、壁の棚を拡張するように削り取ればよく、締まった雪のおかげで少しで済んだ。また棚にロウソクを立てれば明るくムード満点。
 この日の夜はみんなで具を持ち寄ったキムチ鍋。野菜、豆腐、キノコ、お肉とバランスよく揃ったが、マロニーは入れるか入れないかで意見が分かれた。そして酔いも回って小幡さんの「一ノ倉ズンドコ節」。初めて聴いたが、そのうちみんなで手拍子を打ちながらサビを合唱。トコズンドコズンドコ・・・唄付きの宴会は楽しい!

【3月13日(日) 曇り時々晴れ】
 この日はトマの耳までのピストンなので、空身だ。醤油ラーメンを啜って身支度をして外に出る。薄曇りで風はほとんどない。
 尾根上もやはり例年より雪が少ないとのこと。鎖場はクサリが出ていた。ラクダのコル~ザンゲ岩の間は直登ルートにも踏み跡があったが、夏道である岩の右、マチガ沢側のルートを取る。足元はところどころ笹が出ていて雪が締まらず登り難い。急登を過ぎて肩の広場まで上がるとガスが晴れてきた。トマの耳では、万太郎沢も遠くの山々も見渡すことができた。
 帰りは来た道を戻って雪洞の中にデポした荷物を回収し、あっという間に登山口まで下りた。

時折見せる晴れ間トマの耳にて
〈コースタイム〉
【3月12日(土)】 水上駅(10:41) → バス~谷川岳ロープウェイ(11:01~11:35) → 西黒尾根登山口(11:50) → 雪洞地点(13:40)
【3月13日(日)】 雪洞(6:50) → トマの耳(9:25) → 雪洞(11:20) → 西黒尾根登山口(12:35)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ351号目次