山行日　2016年8月13日～16日
メンバー　(L)小幡、大田

【8月13日】
　畑薙第一ダムでバスを降りたのは14時過ぎ。橋を戻り右折してダム沿いの林道を進む。8年前に来たときはこのまま林道をヒルと戦いながら進んだが、今は林道が途中崩壊していているので対岸に渡ってから河原に下りるようだ。
　30分ほど行くと、吊橋が見える。そこから数メートル進むと吊橋へ下る踏み跡があるので下りて行く。吊橋に辿り着くも、下の河原に水がないので、橋を渡らず少し引き返してから河原に下りた。乾いた河原を30分ほどで、水の流れが出て来たので沢装備を着けた。
　10分ほどで、前に来たときに泊まった戸立沢に着く。前回は増水していてここから数十メートルしか先に進めず敗退したのだが、今回は全く様相が違う。しばらく行くと流れが大きく左に曲がった右岸に焚火の跡があり、17時も近かったので、ここを一泊目とする。夕食のおかずに一匹が釣れた。

【8月14日】
　3時過ぎ起床して準備をしていると、ヘッドランプ2つが近づいて来る。挨拶はするものの暗くて姿はわからず。5時出発。
　アシ沢を越え瀬戸を通過するも、水が少ないのでどんどん進める。順調に進んでいると今朝の2人と会う。やはり釣り師で日帰りとのこと。三俣をどっちに行くか聞かれ本流と答えると、「では本流でない方に行きます」と言われ別れる。それから10分ほどで二俣となり、迷わず大ヨギ沢だろうと左に入ると、また二俣に。
　「こんな顕著な二俣、地図にないし！？？」と地図とコンパスでにらめっこ。
　「この近さは小沢と中俣沢では？でないとおかしい！」
　「でも大ヨギ沢見てないし・・・」と言い合っていると先ほどの釣り師がやって来た。
　「こっちは小沢ですよ」
　「やっぱり～」
　「大ヨギ沢ありましたか？」
　「さぁ～？」お礼を言って本流へ戻った。
　戻るとすぐに第1ゴルジュに入る。最初の2m滝は釜に入り、へつり気味に越えた。水量はあるものの高巻くほどでもなく、天気が良いので水流を進んで行く。次々現れる滝をどんどん越えるが第1ゴルジュは結構長い。ようやく明るくなりオリタチ沢に着く。ここで大休止をとって釣りをしたりのんびりしていると、単独の男性が追い越して行った。当たりなく、先に進む。
　第2ゴルジュは狭く薄暗い感じだが、水流通しで進むと、最後に2m滝が現れる。短いがくの字で水流が強い。右岸のスラブ壁に残置シュリンゲがあったので、それを使って登ろうにもホールドスタンスとも乏しく、もう一歩上へ上がれない。よく見るともう一手上に太いボルトの残骸があり、これをなんとかつまんでトラバース気味に越えて、ロープを出してもらう。この沢の一番の核心だった。やっと第2ゴルジュを脱出して14:30。
　第3ゴルジュも越える予定だったが越えるとまた夕方になるので、ヨモギ沢を越えた左岸を幕場に、釣りをすることにした。幕場の上流は淀みに垂らすと必ず釣れるイワナの楽園だった。淀みを一つずつ上に移動するだけでどこまでも釣れそうだったが、合計7匹で打ち止めにし、イワナ三昧の夕食となった。

【8月15日】
　5:30出発。すぐにホウキ沢を越え、2段6mを右から巻いて上がるとテント跡があった。たぶん昨日の単独者が泊まったのだろう。その先から第3ゴルジュが始まる。
　2条7mは右岸から巻くとトラロープがあり、これで下りる。3連続小滝は左岸を巻いて最初の木を目印に下りると小さく巻けてゴルジュ終了。
　しばらく行くと西沢が左より入って来て、明るいゴーロとなる。二俣にテントが張ってあるのを見ながら進むと、上から昨日の単独者が竿を片手に下りて来た。定着して釣り日なのか？
　西沢から上は大春木沢と名前が変わる。特に難しいところはなく右岸についた巻き道を進んだりしながら、どんどん高度を上げる。2,350mで水流がなくなり、最後のツメは方向を定め、ハイマツを避けながら上ると薮こぎなしに稜線に出た。
　横窪沢小屋泊を予定していたが、天気が下り坂で時間も16:30。茶臼小屋に泊まることにする。希望峰を越えた辺りから霧が出て来て、周りの景色がまるでわからないまま小屋に着いた時にはびしょ濡れで18:30だった。

【8月16日】
　下山日。昨日からの雨がまだ続いていて茶臼岳も見えず、ひたすら下りて横窪沢小屋に着く頃ようやく天気が回復。どんどん気温が上がり、ウソッコ沢小屋に着く頃には日が照りつけて、暑い暑いと言いながら畑薙ダムに戻り、白樺荘で汗を流して帰った。