トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ352号目次

沢登り・舟岐川黒沢火打石沢深沢左俣~越ノ沢下
金子 隆雄

山行日 2016年6月11日~12日
メンバー (L)金子、小幡、飯塚、CHIAKI、大田、澤野、千葉

 当初の計画では2泊3日で栗子山塊の沢へ行くつもりにしていたのだが平日が1日含まれるためか参加者がほとんどなく止む無く日程と場所を変えることにした。火打石沢は昨年の集中山行で行ったことがあるのだが全く同じルートではつまらないので少しルートを変えてみた。火打石沢から深沢の左俣を辿って越ノ沢を下降するというかなりマイナーなルートを選んだ。

【6月11日】
 前夜に道の駅「湯の香しおばら」で仮眠して早朝に桧枝岐を目指す。前回来たときは初めてだったので舟岐橋を通り過ぎてしまったが今回は大丈夫。橋の脇のスペースに駐車して準備していると帝釈山登山口の駐車場と勘違いした車が次々と停まる。ここは違うと教えるとまた奥へと進んでいく。
 左岸の踏み跡を辿って沢へと降りる。水量は昨年来たときとほぼ同じだ。最初の堰堤下で二人の釣り人に出会う。少し見物して先へ進む。最後の堰堤を越えたところでまた二人の釣り人に追い着いた。全ての堰堤を越えてさあこれから釣るぞというタイミングで我々が追い着いてしまってなんだか気の毒だ。
チョックストンアブミで越える  特に悪場もなく淡々と進んでいく。越ノ沢手前の2段4mほどの滝が唯一のアクセント。1段目を軽く登り2段目は右のクラック状に挟まった石にシュリンゲを掛けてアブミ代わりにして澤野さんが這い上がる。後続はお助け紐で引き上げてもらう。昨年は2段目を右岸から捲いた滝だ。これを越えるとインゼルとなり越ノ沢の出合だ。随分早く着いてしまったが先へ進むつもりはない。
 タープを張り薪を集めて焚き火の準備が整ってもまだまだ夕暮れまでには時間がたっぷりある。釣りをやってみるが釣り人が先に行っているのかさっぱりなので 早々に諦める。集めた薪に火をつけて燃え上がったところで一杯始める。バタヤンは本領発揮で粘りに粘ってイワナを釣ってきた。夕食が終わり宴もたけなわになると澤野さんが作ったというケーナという楽器をチアキが持ってきていて演奏を披露してくれた。何とも三峰には似つかわしくない夜が更けていく。

【6月12日】
 朝飯に手間取って予定より少し遅れて出発する。ここに戻ってくるのでほぼ空身、天気も良くて今日の溯行は随分楽そうだ。火打石沢は適度な間隔で滝が現れるが厳しいものはなく、癒し系の渓相が続く。やがて沢幅が狭まり短いゴルジュとなる。奥には2条の滝が見える。滝に近づくにはツルツルでホールドのないところをヘツるか泳ぐかだ。オオマサ、果敢に挑戦するも諦めて戻るときにドボン、見慣れた光景だ。無理しなくても右から簡単に捲けるので昨年同様捲いて越える。
深沢の林道に架かる橋  このゴルジュを過ぎると右岸から深沢が出合ってくる。深沢へ入るとすぐに林道に架かる橋を潜る。深沢は昨年下降したので様子は分かっているが、二俣まではほとんど滝もなくただ高度を上げていくだけのはずだ。
 1,630mの二俣を左俣へと進む。深沢の左俣は初めてだがこちらもほとんど滝らしいものがない。水が枯れて沢が藪っぽくなってくる頃によく踏まれたしっかりした道へ出た。この道がどこへ通じているのかよく分からないが大倉高山方面へしばらく辿って頃合いをみて道を離れ越ノ沢へ下降する。
 ほんの少し藪をいくと沢地形になりほどなく水も流れ出す。この沢も特に何もなく下り易い沢だ。巨岩のゴーロになってくると左岸に踏み跡が出てきたのでしばらくこれを辿る。林道が近づいてくると踏み跡が沢から離れていくので沢に戻って少しで林道に架かる橋が出てくる。橋から10分ほど下れば出合の幕場だ。
 撤収後に再び越ノ沢を登って橋の手前で廃道になった林道へ上がってこれを辿る。昨年迷った所も今回はすんなり通過できた。自分とバタヤンは脇目もふらずサッサと下ったが後ろからきたメンバーは根曲がりの筍やらウドやらをたずさえて降りてきた。そうか山菜が採れるんだったね。
 ちょっと物足りなさが残ったかもしれないがシーズン始めの足慣らしということで。

〈コースタイム〉
【6月11日】 舟岐橋(8:30) → 第4堰堤(9:50) → 越ノ沢出合(12:30)
【6月12日】 幕場(6:50) → 深沢出合(7:50) → 山道(9:45) → 幕場(12:30-55) → 舟岐橋(14:20)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ352号目次