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岩登り・一ノ倉沢衝立岩中央稜
山蔦 隆宏

山行日 2016年6月4日~5日
メンバー (L)山蔦、軽部、宮本、古屋

 言わずと知れたアルパインクライミングの入門ルート衝立岩中央稜。今回は本チャンマルチピッチデビューの古屋君を含め4名でチャレンジ。古屋君とは二子山中央稜、越沢バットレスとロープを組み万全の準備をしてこの日を迎えた。直前に三峰No.1クライマーの軽部っちの参加も決まり残る心配は天気と雪渓。
 谷川岳の指導センターで仮眠、一ノ倉沢出合の避難小屋にテントと宴会セット一式をデポ。ビールを沢に沈め一ノ倉沢を向くと正面奥に衝立岩の大岩壁が迫ってきた。雪渓通しで進めるほどの雪はなく右岸に上がり小1時間頑張りいつもの懸垂でテールリッジ末端に降りた。この辺りから既に大小4パーティほどが前後している。相当な渋滞を覚悟した。雪渓の端からテールリッジに乗り30分ほどで中央稜末端に着くと3パーティが取付きで順番待ちをしていた。
 先発の山蔦、古屋は基本山蔦がオールリード。軽部、宮本はツルベで登攀スタート。のはずだったが、ここで1時間ほどの順番待ち。この日はピッチを切る度に30分以上の待ちとなった。
 1ピッチ目は衝立岩の左の凹角からフェースを登るが特に難しいところもなく終了。下を見ると上半身裸の宮ちゃんが登ってくる。ボルダ―の露出癖はなかなか治らない。
1ピッチ目  2ピッチ目は奥壁側に回り込んでから易しいルンゼを登る。距離はないが尾根の向こう側でコールが届き難くあらかじめ声が届かない場合の意思疎通は必須だ。
 3ピッチ目、高度感のあるトラバースから左にルンゼ状、右に草付きが出てきた。右の草付きを選んだが支点が取り難く足元も微妙。左のルンゼが正解であった。
 4ピッチ目核心のチムニー、手足を突っ張りジリジリと突破。
 5ピッチ目終了点で上からの同ルート下降のパーティとすれ違い。ふー疲れた。オールリードのつもりだったがここで力尽き古屋君にバトンタッチ。実はここ、1ピッチ勘違いをしていて想定より難しそうに見えたが事前の特訓の成果もあり危なげなく終了。
テールリッジ末端  後は難しいところもなくロープを一生懸命引っ張って終了。最後は横に伸びた幹で終了点を取り後続を待った。
 その後衝立の頭から北稜を懸垂で下降。コップスラブをトラバースし略奪点を経由して一ノ倉沢へ。そのまま雪渓通しで降りたかったが雪渓の状況が悪く右岸に上り急いで出合に着くと同時に真っ暗になってしまった。
 翌日は南稜をやるつもりだったが予想以上の長い一日にぐったりとしたリーダーは早々と翌日の南稜の中止を決断した。なお下記コース時間の半分以上は待ち時間であり全く参考にはなりません。
衝立岩

〈コースタイム〉
出合(6:00) → 中央稜取付き(7:45) → 衝立の頭(13:30) → 出合(19:00)


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