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旧中山道(横川駅~旧碓氷峠~軽井沢駅)を歩く
鈴木 章子

山行日 2016年11月27日
メンバー (L)鈴木(章)

【11月27日】曇のち雨
 9月に登った浅間山の帰路歩く予定だったが、天気の関係で帰宅してしまった。
 今回、リハビリとリベンジを兼ね歩いてみた。
 当初の予定は逆コースだったが高崎までの車内で暴力行為があり遅延、8:40着。そのため、8:20発軽井沢駅行バスには間に合わず、次のバスは10:15。とても待っていられず逆コースから歩くことになってしまった(予定より1時間余分にかかる)。全く悪い迷惑を受けての出発になってしまった。
 改札口を出てからルートがわからず関所跡の指導標を頼りに峠に向かった。
碓氷関所跡  関所跡に着くと『碓氷関所は日本でただ一つ関所門が残っているが、国の指定になっていない』と、ボランティアのおじさんが教えてくれた。関所跡見学は無料だ。実物の手形などを見学後、旧中山道に行く道を尋ねる。何だか旅行者気分。
 街道沿いは旧旅籠街道だ。道の両脇の家には屋号が全ての家についている。過疎化で空き家も目立ち、このまま朽ちていくのは勿体ない気がした。
 旧国道の脇の東屋の脇に旧中山道入口と書かれていたので急登を登りだす。途中の道案内は『安中遠足』の看板が目印。
旧中山道  『安中遠足』は安中藩主が藩主の鍛錬のため碓氷峠の熊野神社まで7里余りの中山道を徒歩競争させた日本マラソンの発祥。現在も年1回、仮装マラソンとして実施中。
 歩き始めから分かり易い道で迷うことはなく、至る所に史跡の説明版があり結構楽しい。四軒茶屋~弘法の井~北向馬頭観音を過ぎ刎石山へ。
 しかし、11月だというのにスタートから風は冷たく刎石山から先は僅かだが積雪がある。
 歩き始めから登りが続き、天気もすっきりしない暗い道の中、旧山中小学校跡を過ぎると、突然、数十年間放置されたバスや廃屋らしい洋館風の建物が現れた。この地域が観光などで栄えた時期があったのだろうか。一人考えながら歩くとまもなく子持山に着いた。
 ここから『安中遠足』のコースと別れ左側の細い山道に入る。雨が降り出し傘をさして足元は雪の中、道中の史跡の説明版を読みながら1時間ほど歩くと林道に出た。眼下にワサビ田を見ながら進むとまもなく鼻曲山登山口着いた。登山口の石碑に目をやりながら進むと、急に『峠の力餅』の、のぼり旗で道が賑やかになった。車も数台停まっている。碓氷峠に到着!
碓氷峠  雪でも観光客は思いのほか多い。『峠の力餅』も元祖・老舗・本家等、どの店も売り込んでいた(私は食べなかったが)。
 峠の熊野神社に参拝。神社の真ん中に線が引いてあり神殿に向かって右側が群馬県、左側が長野県。神殿も2つあり住所所在地で左右を選ぶことが、私には少し滑稽に思えた。峠から車道を避け足跡のない雪の山道を旧軽井沢に向かった。
長野県と群馬県の県境  旧軽沢の橋を渡ると観光客がぐっと増え『さすが軽井沢』を実感。特に、観光客の中に外国人ツアー客の多いのにびっくり。オフシーズンの軽井沢は至る所でバーゲン中だったが求める人は少ない気がした。
 駅に向かい歩いていくと、遠く見える駅対岸のスキー場にはスキーヤーも目に入る。
「今年は冬が早いのかなー」と
 商店街を覘きながら、何も買わず駅に着いてしまったが、今度は、駅の混雑にびっくり。冷えた体には、暖かいものが必要と横川駅と同じ蕎麦屋で天ぷらそばを注文。が、横川駅より¥50高かった。これも『さすが軽井沢』かな?
 帰路に新幹線は高崎まで運賃¥740・新幹線料金¥1860は高すぎと迷っていると、30分後に横川駅行のバスが有ったのでそれに乗った。これも思いの外、乗客が多い。やはり¥510は魅力的かな。
 旧国道、新国道、高速道路等々新しい道はいくつもでき便利になったが、歴史を感じない道は寂しい。それが、不便であればあるほど歴史があり魅力を感じる。今回、腰が痛いと言いながら歩きすぎたようだが、心の栄養にはぴったりだった。
 帰路、どうしても温泉に入りたく探したところ、高崎駅から15分(南高崎駅から2分)の所に『桜湯』¥550があり入浴。近隣では有名とのこと、黒っぽいお湯の温泉だった。お湯も値段もグー 疲れが取れ ホカホカ気分で、再度、帰路に着いた。

〈コースタイム〉
横川駅(8:30) → 関所跡(9:10) → 旧中山道入口(10:00~10:15) → 上り地蔵・下り地蔵(10:45) → 覗 → 碓氷坂の関所跡 → 刎石山(11:00) → 北向馬頭観音(11:20) → 座頭転がし(11:30) → 旧山中小学校跡(12:10) → 子持山(12:30~12:45) → 化粧ヶ水(12:55) → 長坂道(13:00) → 鼻曲山分岐(13:30) → 旧碓氷峠【熊野神社】(13:30) → 旧軽井沢 → 軽井沢駅(14:50)


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