トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ353号目次

雪山登山・甲斐駒ヶ岳
齋藤 慈宏

山行日 2017年1月1日~2日
メンバー (L)齊藤(慈)、小松

 2017年の登り初めは甲斐駒から。ということで世間の皆様が静まっている夜に小田急線柿生駅に集合して出発しました。
 小松さんと会うのはこの日が初めて。1週間ほど前にお電話を頂き、参加希望のご連絡を頂き2名での山行となりました。
 下道も高速もとても空いていて途中コンビニより快適に駒ヶ岳神社に到着、軽く挨拶の祝杯をあげて早々に就寝。
 翌日は、七丈小屋に荷物をデポ後、甲斐駒ピークまで目指すため、5:30出発とした。
 翌朝、まだひと気のない、駒ヶ岳神社に安全登山の祈願と2017年の初詣をし、入山。
 長い黒戸尾根の登りの始まりだ。
 横手方面への出合い手前でご来光。樹林がなければとても綺麗なご来光を望めたのに。早く稜線に出たいと長い尾根が恨めしい。
 太陽が出たと同時に上空の方がとても騒がしくなる。猛烈な風が吹いていることがとてもよく判る。予報では午前中は寒気が降りて来るが午後には風が落ち着くという予報だ。
 ほどなく歩いていると、下山者に出会う。甲斐駒で年越しをした人だろうか。そうするとあるパーティに山頂はとても風が強く寒くて上がれないから早々に降りた方が良いとアドバイスを頂く。出会う人皆、上は風が寒かったと撤退をして来ていた。2回目の休憩後から雪が出てきて、登山道にも氷や雪の跡が見られる。黒戸山を越えて五丈小屋跡に到着。
 ここからが登りの核心である。ここでアイゼンを装着する。30分ほどで七丈小屋に到着した。小屋には誰もおらず、テン場も1張もなく見事にきれいに整地がされていた。風が少なく綺麗な整地跡にテントをデポし、休憩を取り、甲斐駒本峰を目指す。我々が着いたくらいから風の音もだんだんと弱まり始めているのを耳で感じることができた。
 とはいえ、流石の森林限界を越えた稜線は風が強く齊藤は体を何度か煽られる。ほとんど空身で来たため、風に体が持っていかれる。そんな中、小松さんは、多少バテ気味なのかペースが落ちてきているとはいえ、確実にトレースを踏み高度を稼いで行った。過去の経験から乗越まで行けば風が弱まることは判っていたため、早くこの地帯を抜けたく小松さんに声援を送る!乗越まで辿り着くと予想通り風は弱まり、順調に歩みを進めることができる。目指すピークもだんだんと見えてくる。
 休憩をとるも、小松さんのペースが上がらないが、声援を送り続ける。
 13:30登頂! 誰も居ない甲斐駒のピークを2人で満喫する。風も止み。この時期らしからぬ強い日差しが疲れを癒してくれた。15分ほどのんびり景色を堪能した後、下山開始15時くらいにはテン場に到着をして、祝杯をあげる。
 この辺りから小松さんの様子がおかしく頭痛を訴える。後から聞いた話では、テン場について登り始めるときから具合が悪かったとのこと。高山病も疑ったが、喉が痛く本人が年末に患った扁桃腺炎をぶり返したのではないかとのことで、養生をすることとした。
 そんな具合が悪くても晩飯の食当になっていた小松さんは、キッチリとキノコたっぷりのほうとう鍋を作ってくれた。翌日の予定は、再度登頂を試み、摩利支天まで行く予定であったが、4時に起きた際に喉痛と頭痛を訴えたため、この日は下山のみに決定。日の出の時間に下山ができるように30分ほど寝坊をして起床。6:00には出発の態勢となったがまだ暗いため、テントの中でお茶を飲む。日の出の時間になり、用意をしながら稜線からのご来光を望むがこの日は雲が多く期待したご来光は望めなかった。小松さんの具合が悪化する前に下山をしないといけないため、ゆっくりと、下山を開始する。10:50に駒ヶ岳神社に着き、その後ベルガの森 尾白の湯にて汗を流して帰宅の途に着いた。

〈コースタイム〉
【1月1日】 駒ヶ岳神社(5:30) → 五丈小屋跡(10:00) → 七丈小屋(10:30) → 山頂アタック開始(11:50) → 甲斐駒山頂(13:30) → 下山開始(13:50) → テン場着(15:00)
【1月2日】 起床(4:30) → 下山開始(6:50) → 下山(10:50)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ353号目次