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縦走・下ノ廊下
永岡 恵二

山行日 2016年10月22日~23日
メンバー (L)永岡、荻原、津田、青木、渡辺(靖)、藤岡

 昨年の夏、上ノ廊下を制覇したことから、秋は下ノ廊下で黒部川を制覇だ!と意気込んでいたが、結局開通せずに1年持ち越しとなり、満を持して今年、下ノ廊下を企画した。メインルートは黒部から欅平だが、阿曽原温泉の幕場の場所確保が遅くなると厳しいことから、逆ルートにした。

【10月21日】
 今年オープンしたばかりのバスタ新宿から22:30富山行きの高速バスで出発。予約したときに最後の6席だったため、席はバラバラだったが3列シートで、ゆったりできた。

【10月22日】
 4時40分黒部ICで下車し、共同装備を振り分け、IC近くのコンビニで朝食をとって、徒歩で新黒部駅に向かった。当初6時30分発の列車の予定だったが、始発の5時54分に間に合った。
 宇奈月温泉から7時32分の欅平行きのトロッコ列車で出発。藤岡さんはトロッコ列車を満喫したいということから寒い中窓がない吹きっさらしの車両で、残りは窓がある特別車両で向かった。8時47分に欅平に到着。トロッコ列車には結構人が乗っていたようで、改札の外は登山客ですぐに一杯になった。山ガールや若者が多く、みな綺麗な格好をしていた。わがパーティーは...。
 のんびり身支度して出発。いきなり急登だった。先に出発した人たちが早々にバテており、すぐに追い抜くことになった。
 急登が終わるとあとは見事なまでの平らな道、水平歩道だ。写真で見た通り、絶壁を見事にくりぬいた登山道だ。この道を作った人には本当に脱帽した。へつるような箇所もなく、普通に歩けた。折尾谷のところで砂防提内の真っ暗なトンネルがあった。結構長く下は水浸し。不精して青木さんのヘッドライトを頼りに歩いたので結構歩きづらかった。
見事な水平歩道  阿曽原温泉に近づくと、登山道から幕場が見えた。すでに結構なテントが張られていたので、急いで阿曽原温泉に向かった。到着すると、ジャンボテントが張れそうなところは、トイレの前と温泉へ降りる道の入り口しかなかった。温泉に降りる道の入り口にテントを設営した。見ると殆どが一人テントだった。
 テント設営後は、いつもの通り、宴会スタート。温泉は1時間おきに男湯/女湯になる。男湯の時間になり、入りに行くと、既にいっぱい。いい湯ではあるが、隣の人と肌が触れ合うのは、ちょっと気になる。そこそこ温まったら、すぐに上がった。一汗流がせると、やはり気持ちがいい。すっきりした体になって宴会再開。あとはいつもの通り。

【10月23日】
 ヘッドライトを付けて4時30分出発。1時間ほどで関電人見平宿舎に到着し、軌道トンネルを歩いて、仙人谷ダムで一本とった。少し明るくなってきた。林道を歩くと、前方に関電の送電線が山の斜面から出ていた。恐らく黒四ダムからの送電線だろう。こんな山奥で作業性も悪いところによくあんな送電線用のトンネルを作ったものだと感心した。林道から登山道になり、6時30分ごろS字峡についた。登山道からははるかに下にあるが、豪快かつ綺麗な渓谷に圧倒された。
S字峡  8時30分ごろに十字峡に着いた。一人ずつ橋をわたって先の右側に十字峡に降りる場所があり、その周辺で集まっていたが、藤岡さんが急にいなくなった。恐らく先に行ったんだと話し、揃って先に進んだが、途中で一部のメンバーが後ろかもしれないと言い出し、急きょ捜索することになった。結局、十字峡の橋を渡ってそのまま先に進んでいた。
 すれ違う人は想像通り少なかったが、白竜峡付近になるとチラホラ黒部ダムの方から来る人とすれ違った。
 ほぼ水平な登山道を歩き続け、13時に黒部ダムの下に到着。
 今回は狙った通り、紅葉が一番よかった時だった。ちょっと残念だったのは、今年は天候不順で赤色が少なかったかな。

十字峡の橋をひとりずつ通過延々と続く水平な旧日電歩道
〈コースタイム〉
【10月22日】 欅平(9:15) → 阿曾原温泉(14:10)
【10月23日】 阿曽原温泉(4:30) → S字峡(6:30) → 十字峡(8:10) → 黒部ダム(13:00)

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