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ハイキング・八ヶ岳お中道(八ヶ岳横断歩道)
鈴木 章子

山行日 2017年4月29~30日
メンバー (L)鈴木(章)、千葉(朋)

 以前から目には留ってはいたが、なんとなく流していた『棒道』と『八ヶ岳お中道』。
 今回、白山書房のH29年冬号に取り上げられていたので出かけてみることにした。同行人は、今、何でも興味がある千葉さん。今の私には有難い存在になりつつある。

坂本増次郎自筆の石碑  当日は、かなり以前に、山梨県のどこかの観光センターでもらった資料と本の内容を照らし合わせて甲斐大泉駅から歩きだすことにした。駅ではドラマ?の撮影中。駅内で身支度をする我々は、ただただ、迷惑がられている様子。これから行く天女山・天の河原には駐車場があり歩く我々は珍しい存在。そのせいか車道を歩く我々を珍しそうな眼が付いてくる。
 春の日差しに感謝しながらのんびりと天女山登山口から山道に入る。入るとすぐ八ヶ岳を開墾した財閥、坂本増次郎氏の碑がある。彼が富士山お中道巡りに対抗して開墾したが完成を見ずに終わった。現在、コースの一部変更はあるが概ね彼のコースを基準に作られていると言う。天女山までの登山道は静かで、睡眠不足の二人がチンタラ歩くにはベスト環境。ところが山頂は軽装の人々で賑わっていた。駐車場が近くに・・・、納得。天の河原も同様だったが、そこを過ぎると遂に二人きりになった。地図上では天の河原から横断歩道は始まっているが、資料通りに権現岳への登山道に沿って1,840m石標があるところまで登り、1,791mPを目指し下降を始めた。尾根を乗り越すと巨岩帯が現れ、岩の割れ目から湧水が取れるとも書かれていたがよく判らなかった。笹藪はそれほど酷くなく後ろを歩く千葉さんも「楽しい!」と明るい。
 小さな尾根も含めいくつか越えたところで、噴火で飛ばされたのだろうか黒々とした巨岩帯に合流。岩の間から水を確認。暫く水洗を追いテント泊の水を各自2L汲んだ。ここで、再度コンパスを1,791mP方向に当て直し、藪を漕ぎ漕ぎ進むと広い登山道に合流。難しいコースではなかった。合流後20分ほど登れば本日の最高点1,791mPに到着。そこには石仏があると聞いていたので探したが見つからなかった。(帰宅後、調べれば、登山道から50m上に石仏があることを知った。睡眠不足の体調では探す根気もなくしてしまう自分が情けない)本日の目的地を通過、時刻は15時も過ぎ、雲が多くなってきたので少し下って風の少ない場所を幕場にした。夕方には風が強まり南アからの雪も舞ってきた。疲れた二人は、お酒のないささやかな食事を済ませ横になったが、これほど静かな八ヶ岳があることを再発見。二人ともぐっすり眠った。
コース唯一の滝、三味線滝  翌朝、暑くなる前にと6時に出発。手入れの届いた登山道は高度が下がると樹林帯も濃くなってきた。出会う指導標には番号が振られていて、過去に入手した資料と照らし合わせながら行くのも楽しい森林浴コースだ。尾根を幾つも乗り越えるので多少のアップダウンのあるのは仕方がないが一年を通じて楽しめそうだ。観音平が近づくと、このコース唯一の滝『三味線滝』の沢を渡る。私から見れば何処にでもある3mほどの水量も程々の滝にしか見えないが、やはり水音は心を和ませてくれる。滝の前は広場になっていてテントを張るのも悪くないかな。駐車場のある観音平は荒れていて長居をする気分にはなれなかった。更に、採集禁止地区なのに蝶網を振り回している男性、光苔のある石の下は荒れ放題。便利社会の虚しさを感じた。観音平~自然ハイキングコースを過ぎると舗装道路。太陽は高くなり暑さも増す。お腹も空く。お互い口数が少なくなったころに道の駅に到着。館内の人はとても感じが良くゆっくり入浴を済ませ、数少ない市民バスで小淵沢駅に行き食事をした。美味しかったが、地方にしては値段が少し高い気がした。
 今回のコースは、特に強い印象はなかったが、地図上のコースは1日で完歩可能。手入れもよくされているので1日の歩ける量が少なくなりつつある体には程良い量だ。もっと土地の人もPRしてよいのではないかと思った。

〈コースタイム〉
【4月29日】 甲斐大泉駅(10:00) → 天女山登山口(10:45) → 天女山山頂(11:10~11:30) → 天の河原(11:45) → 1,840(下降点)(12:25~12:35) → 1,791尾根下部(1,650辺り) → 1,791(15:10) → 幕場(1,670辺り)(15:15)
【4月30日】 幕場(6:00) → つばめ岩(8:05) → 三味線滝(9:15~9:45) → 観音平(8:40) → 自然歩道ハイキングコース → 道の駅(入浴)(12:10)=小淵沢駅

道の駅入浴料 ¥820
道の駅=小淵沢駅バス代 ¥300


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