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山スキー・越後駒ヶ岳
荻原 健一

山行日 2017年4月8日~9日
メンバー (L)荻原、永岡、古屋

 今年のGWは日本オートルートにしよう!と決めたのだが、以前と違ってこの時期にルート上で開いている有人小屋は太郎平小屋しかない。五色ヶ原山荘、双六小屋がやっている時代ならこれらの小屋を繋げば荷物は行動食と非常用のツエルトぐらいでテントや寝袋、食料、燃料などは不要となり大幅に軽量化出来た訳だが、現在はその手は使えずハードルは高くなった。少しでも軽量化すべくテントの代わりにツエルトで行くこととしてメンバーにはツエルトビバークに慣れてもらうべくこの例会を企画した。

【4月8日】曇りのち晴れのち夕方から雨
 当初の予定では道行山と小倉山の間のどこかでツエルトビバーク、翌日に越駒山頂、山頂(2,002m)から北側のオツルミズ沢を滑降、標高1,670mあたりで駒ノ小屋(1,880m)に登り返し、百草ノ池(もちろん埋ってる)あたりから白沢滑降という欲張り企画であった。が、天気予報は土曜午後から雨、日曜も終日雨、気温も異常に高く雪崩リスクは極大。とても沢筋に入れる状況ではなくモチベーションは全く上がらない。中止も考えたが、KGのツエルトビバーク体験だけでもという言葉に背中を押されて予定通り出発する。
 天気が崩れてきたらいつでも引き返して駐車場の近くまで戻り、雨の中でのツエルトビバーク体験をしてさっさと帰るつもりであったが、天気はなかなか崩れない。っていうかむしろ晴れてきた。道行山に着いたころにはすっかり視界も良くなり、眼前の越後駒ヶ岳が、おいでおいでをしているではないか!

山頂が姿を現す越後駒ヶ岳山頂

 すっかりモチベーションを回復した我々は予定を変更し、今日中に山頂を目指すことにする。ツエルトビバークと言っても、シュラフ、食糧、酒、燃料、コッフェルなどそれなりに荷物はあるのでこれらを道行山から少し下った平坦地にデポし、最低限のビバーク装備のみを持って山頂を目指す。百草ノ池付近から独標1,763mの急登はなかなか堪える。更に駒の小屋直下の急斜面を越えると山頂は目の前だ。小屋から15分ほどで山頂に辿り着く。
 時間は14:40。まだ天気はもっているが、さすがに雲が増えてきた。しかも黒雲だ。1泊2日の予定を実質日帰りにしたこともあり、今回はオツルミズ沢の滑降は割愛し、早々に下山にかかる。雪は重いが、ザラメなので悪雪というほどでもない。百草ノ池付近からの白沢は雪崩の巣状態でとても入る気がしないので、同ルートをそのまま戻る。スキーの下りはあっという間で山頂から50分でデポ地へ戻ってしまう。(登りは3時間半)荷物を回収して更に1時間弱で道行山下の独標1,064m付近で本日の行動を終了。ここで今山行の第二の目的であるツエルトビバークとする。それぞれが一張りずつ張って本日の寝床を確保、まだ明るく風もなく暖かいので外で宴会をする。1時間ほど経つと雨が降り始めすぐに本降りとなったのでそれぞれツエルトに潜り込み就寝となる。

【4月9日】雨
 昨夜は降ったり止んだりだが、それほど土砂降りにはならず、ツエルトでもそこそこ快適だった。北ノ又川沿いの林道までひと滑りしてそこから1時間ほど林道沿いにスキー歩行して石抱橋を渡り駐車場に戻った。

〈コースタイム〉
駐車場(7:30) → 道行山(11:00) → 越後駒ヶ岳山頂(14:40) → 独標1,064m(16:50)


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