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沢登り・柿其渓谷
永岡 恵二

山行日 2017年8月5日
メンバー (L)永岡、古屋、小芝、斎藤(吉)

 翌週の双六本谷の泳ぎ、渡渉の練習も兼ねて、古屋さんから提案があった柿其渓谷を企画してみた。
 台風5号もあり、増水が気になっていたため、8月2日から、その周辺の降水状況を確認していた。すると、毎日このエリアだけ局所的に夕方にゲリラ豪雨が降っていた。今回水量は相当あるだろうと覚悟した。
 8月4日22時30分に西国分寺を出発し、1時過ぎに日義木曽駒高原道の駅に到着した。道の駅にある情報館が24時間オープンしており、大阪から自転車で来た大学生たちが既に寝ていた。感知式の電燈の為、中で動かなければ暗くなったので、快適に寝ることができた。
高巻き開始  翌朝は、冷たい沢との情報だったため、ゆっくり7時に出発した。8時過ぎに柿其渓谷の駐車場に到着した。準備をして、直ぐに入渓。写真で見たほど水は綺麗でない。連日のゲリラ豪雨で増水しているためだろう。しかし、ちょっと水量が多いかなぁという程度なので、遡行にはさほど問題ない。と、思った矢先に登れない滝が現れた。牛ヶ滝だ。ここは左岸の登山道に上がって高巻く。しかし、普通に登山道を行くと沢から離れてしまうため、途中で左の藪に突入。牛ヶ滝だけ高巻いて沢に降りようと思っていたが、その先はずっとゴルジュが続いており、しかも激流でとても降りられない。しかも藪は微かな踏み跡があるが、滑ると一気に沢に落ちてしまいそうな急斜面。慎重に藪を漕いで進んだ。ウェットスーツを着ているので、暑さでヘロヘロになりかけた時、傾斜が緩く4人が座れるくらいのスペースがあったので、そこで一本とった。
一本取りながら沢への降り口を探すと、ちょっと先で懸垂で降りられる場所があり、やっと沢に戻ることができた。
 沢に降りると暑さでヘロヘロになった体を直ぐに沢に沈め、冷却し、遡行再開。少し行くと流れは強いが、流されても先が少し浅瀬になっている遊べそうな場所があり、そこで一本取った。40代、60代の若者が子供の様に水に飛び込んで流れて遊んだ。
各自単独で渡渉  また、暫く激流を遡行していると、ちょっとした渕が現れた。左の流れは激流。その先は進めないため、左岸に渡らなければならない。戻るにしても相当戻らなければならず、歩いて渡れる深さではないので、ここは泳ぎだ。フローティングロープを出して、岩場から激流の先に飛び込んだ。問題なく対岸に渡り、後続のメンバーも続いた。更に激流の遡行が続いた。
 また、ゴルジュが現れた。20m以上あり、浅瀬はなく泳ぐしかない。比較的右側の流れが遅いため、右側を泳ぐことにした。泳ぐが、なかなか進まない。ゴーグルをしていたので、下が見えて、あと20-30cm泳げれば足が届きそうというところで、流れに負けて押し流された。3度の挑戦で何とか突破。

何とか泳いで突破し、後続が続く  その先も激流の遡行が続く。
 14時を過ぎたころ、美しく深い流れの先に水しぶきが見えた。右岸をへつって先に行くと、大きな渕の先に、幅15m高さ10mほどの滝があった。一目でここは登れないとわかる。ウエットスーツを着ていない2名が寒さに震えていることもあり、ここで終了とすることにした。滝下は日陰で寒いので写真だけ撮って、陽当たりに戻って一本取った。右岸を見上げるとガードレールがあるが、ガードレールの下は壁でとても登れない。滝の方に少し傾斜が緩くなっているところがあったので、そちらの方の藪に入っていくと、先ほどの滝の展望台に続く階段があり、難なく登山道に上がれた。
 今回は激流過ぎて、渡渉、泳ぎの回数が少なかった。もう少し水量が少なければ、もっと楽しめたと思われる。
霧ヶ滝で終了  駐車場近くの柿其温泉(750円)で入浴後、今晩の宿場道の駅へ向かった。
 土曜日だけで、おなか一杯になったので、翌日はそのまま帰路に就くことにした。

〈コースタイム〉
入渓(8:40) → 牛ヶ滝(9:00) → 高巻き終了(11:20) → 霧ヶ滝(13:50) → 登山道(14:35)


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