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縦走・2017南アルプス
齊藤 慈宏

山行日 2017年10月6日~9日
メンバー (L)齊藤(慈)

【10月6日】1日目
 南アルプス縦走。
 初日は椹島から千枚小屋へ。
 畑薙までの道のりが遠いので、レイトスタート。嬉しいですが、この日の予報は雨、早く小屋に到着したいです。
 途中蕨段あたりでしとしと降り出しましたが、影響はない程度で、無事に小屋に到着。
 チェックインをして、一休みしたら急に降りが激しく...ラッキーでした。
 翌日に向けて、軽く祝杯を上げて明日に向けて早々に就寝。早く止んで欲しいです。

【10月7日】2日目
 この日は今回の山行の核心です。
 荒川三山を通り、赤石岳を越えて百軒洞山の家まで歩くタフでロングコース。
 雨は、時折止むものの一晩降り続いてます。予報では早いうちに回復をする予報ですが、期待ができない感じです。出発を2時間遅らせ、朝日が少し望め、雨が止んだタイミングを狙い出発。まずは千枚岳を目指します。南アルプスは、森林限界が高く2,800~2,900m位まで樹林があります。千枚岳の直下までハイマツ帯が続き、その下はキレイな紅葉が時折切れるガスからよく見えます。
 千枚岳を越えるといよいよ荒川三山。
 東岳(悪沢岳)、中岳、前岳と続きます。
 稜線上は雨風強くガスガスです。ここは晴天のときに歩きたかった。中岳で休憩をして、荒川小屋向かいます。長い下りです。
 後から気づいたのですが、前岳は、荒川小屋の分岐の先にあり、今回は悪天候もあり、パスをしてしまった。
 なので、今回は、荒川三山ではなく、荒川二山です...。
 荒川小屋を抜け、赤石岳へ向かいます。緩やかな長い上りです。雨は小雨になるも、ガスは取れず。今日1日ダメそうです。それでも、赤石岳では薄日も射して天候の回復を期待できます。
 赤石避難小屋の有名な句を拝み、百軒洞山の家へ。
 赤石避難小屋は小屋終いをしていました。ここからも長いガレを歩きます。百軒平の手前でふと振り向くと青空が雲の切れ間から見えました。
 ようやく長い雨とガスが終わりそうです。沢筋を歩くと、小屋が望めて来ました。結局1日最後まで雨でした。
 小屋内には先客2名が...。
 おひとりは初日に聖沢から聖平に向かわれた方です!
 別れのときに道中での再会を話しておりましたが、小屋でお会いできましたヾ(*´∀`*)ノ。
 嬉しいものです。再開を祝しあいました。小屋の中は、真っ暗ではありましたが、風もなく快適でした。
 夜更け前には雨もあがり、月が爛々と輝き、星が煌めいていました。明日からの歩きが楽しみです。

【10月8日】3日目
 この日の核心は聖岳への登り。2500mくらいのコルから一気に3,013mのピークに突き上げます。3日目ということで体もだいぶヘタってきており、登りがキツい。
 手前の兎岳からのミニキレットも地味に体力を奪います。
 まずは百軒洞から稜線へ。
 雨は完全にあがり幻想的な朝を迎えることができました。東にはこれから登る太陽と富士山。西には月が気持ちの良い朝です。太陽があがると同時に周囲の紅葉が、輝いていきます。とても綺麗です。稜線から子兎岳へ。眼前に聖の山塊を目にすることができます。なかなかの登りです。順調に兎岳まで歩みを進めますが、ここから先は地味に道も悪く慎重に進みます。そして、取り付きへ。取り付き部分は結構急峻でしたが、少しあがると、なだらかに。とはいえそれなりの登りです。あれがピークか!これがピークかと登っても登っても終わりが見えない登りです。
 1時間以上かけてようやくピークが見えてきました。
 もう、これ以上登らなくてよいと思うとホッとします。ε-(´∀`*)ホッ
 日本最南の3,000m峰に無事到着しました。
 荷物を降ろして、足取り軽やかに奥聖へ。
 後は聖平へ向かうだけ。天気も良く暖かいので昨日望めなかった荒川三山や赤石岳を見ながら休憩。遠く仙丈?や塩見、中央アルプスなど大パノラマを満喫しました。聖平方面からはたくさんの方が上がって来ます。ここまで、人に会うことはほとんどなかったのですが、久しぶりにたくさんの人にお会いしました。
 聖平までは結構長く標高差もあります。時折、木々の合間から見える聖平はとても良い感じでした。ステキなテン場が期待できます。テン場には既に10張前後のテントが張ってあり、小屋の中からも人が出入りしているからたくさんの方がいるのでしょうか。
 近くで大学生が打ち上げをしている中、3日間の山行の疲れを癒すべくのんびりとしたテント時間を過ごせました。3日目にして、ようやくテント泊の楽しさを満喫です。

【10月9日】4日目
 最終日になりました。この日は聖平から上河内岳を経て、茶臼岳を踏んで畑薙に降りる計画でしたが、コースタイムが最長の10時間越えということと、下山後の帰宅などを考慮して、椹島へ降りる計画へ変更。
 とはいえ、聖平から椹島までもコースタイムで7時間弱はあります。
 10:30のバスを目指して、3:30過ぎに出発。
 氷は張らないものの、霜が降りてフライはびしょびしょとても手が冷たいです(凍ってくれた方が良かったかも)。
 下山道は下っては渡渉して登り返しというルートで全く高度が落ちません。真っ暗な林道、沢筋を慎重に踏み後を探しながら歩くも、ペンキと見間違える印に一度道を踏み外す。すぐさま登り返して戻り難なくクリア。2時間ほど歩いて朝日も出て落ち着いたタイミングで休憩するも、テン場からは150m下がっただけ(≧∇≦)
 なかなか厳しい道でした。
 一度高度が下がり始めれば順調に下山ができると思いきや再び最後に緩い登りが...。出発してから5時間ようやく林道に到着です。後は、椹島へ40分の歩き。バスにも間に合いホッとひと息。椹島の手前で東海フォレストのバスに出会う。挨拶がてら手を振ったら、なんと乗れとの合図。
 行きに運転してくださった優しいおじ様は帰りも優しく出迎えて下さいました。ありがとう(≧∇≦)
 無事に椹島到着。初夏を思わせる快晴の空の元、気持ちの良い芝生で暫し乾燥作業をしつつ最後の南アルプス時間を満喫できました。

今回のルート兎岳からの景色

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