トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ356号目次

西表島横断
宮本 容幸、他
山行日 2017年11月22日~25日
メンバー (L)エデンガイドVer.(宮本)、
ポールダンサーに成れなかったコサックダンサー魅惑の藪女(内田)、
1.6mの巨人(軽部)、
ヤンバルシューマッハ(古屋)、
海老カツ女(津田)、
股ズレ貧乏(元会員戸田)

 無事、皆の力を合わせて横断することが出来ました。計画段階では一般横断路が限界かと思われた日程も初日に移動できたことで予備日をフルに使った内容ではありましたが横断成功です。簡単ではありますが記録を残させて頂きます。
 明日は石垣空港到着30分後に出るバスに乗るまでにターンテーブルから荷物を回収し不要品をヤマト急便で宿に発送手続きをしなければならない。荷物回収後ダッシュで宅急便センターに持ち込む。送り状は自宅で記入してきた!
 計画通りバスの発車10分前にバス停に到着したが誰も居ない!!!
 まぁ、この程度で焦る私ではない。正確には慣れた。結局、メンバー全員がバス停に集まったのはバスが発車してからだった。計画では乗り過ごしたバスに乗って離島ターミナルに移動し乗り換え時間20分の間でガス缶と簡単な買い物をする予定だったが厳しそうである。10分後のバスに乗車し時計を睨みながらバス到着時刻を予想し役割分担をする。
 股ずれ貧乏とガイドはガス缶担当、魅惑の藪女と海老カツ女はフェリーチケット担当、巨人とシューマッハはガス缶班の荷物担当。
 今回の旅は初日が非常に重要である。本来は移動日で終わる日程を分刻みで調べ計画したことで実現できた計画だ。4泊5日の休暇で行く場合、前後1日が移動日となる。山行に当てられる日程は2泊3日。今回の西表島横断ルートは最短でも2泊は必要だ。人数が多いから予備日含め3泊で計画するには初日の移動日で取り付きまで進むしかない。初日が核心である。
 その為スタート地点の浦内川下流船着き場14時発の船に乗らなければならない。その次は15:30発の最終便になる。上流船着き場に着くのが16時、情報では19時まで歩ける明るさなので予定地に着けると思われるが早く着いてのんびりしたい。
 既にバスに乗り遅れている。現時点の予定だと出港10分前に港に到着予定だ。船を1便遅らせる覚悟で走って買い物に向かう。既に本日2回目のダッシュ!!
 買い物を終わらせ離島ターミナルにダッシュ!あと五分で出発なのに藪女がチケットカウンターに・・・・もしかして直前過ぎて買えない?焦りを感じながらカウンターへ行くと奇跡が。予定していた上原行きの船が欠航。大原行きに乗船し大原から振替輸送で浦内川観光の最寄りバス停へ。
 出港まで10分間のフリータイムが出来た。
 ターミナル内で手作り弁当400円を購入し乗船。船内で昼食の弁当を食べるが上原行きが欠航する天候のため揺れまくるなか必死に弁当を抱えながらも無事に完食。そしてお昼寝。
 大原到着後はバスの時刻を確認するが時間が決まっていない。バスの到着する場所だけ確認し荷物整理をしながら待機。12時頃にマイクロバスが到着。バス乗り場へ行くと既に満席状態。運転手さんも大型ザック6個+6名が乗車するために荷物を移動し、補助席をフル活用。ギリギリ乗車出来た。
 大原港から浦内川観光までバスに揺られること1時間で到着。チケット売り場にて西表横断の目的で片道乗船券を購入したいと伝えると入山届を森林管理署に提出の有無、同じ物を受付
にも提出を求められた。運よく予備で森林管理署の入山届を持参していたので提出。そしたら受付奥から管理職の方が登場。この場で森林管理署に電話するように言われる。
 私的には??? 電話先の管理署の方にFAXで入山届を出した者で今日から入山することを伝え電話を切ろうとしたらチケット売り場の管理職の方が電話を代わるように言われ代わる。何度も念入りに電話先の管理署の担当者に入山させて良いのか?と確認している。ここまで厳しいとは・・・。
 結果的には無事チケット購入し船に乗れた。しかも臨時便が出るとの事で予定よりも30分早い乗船。当初予定していたよりも30分早く上流船着き場に到着。バスに乗り遅れたのに不思議なものです。

ここまでの交通機関のスケジュール
【飛行機】
羽田6:15発 石垣9:40着
【バス】
計画:空港10:00発 船着き場10:30
実際:空港10:10発 船着き場10:40
【フェリー】
計画:船着き場10:50発 上原11:45
実際:船着き場11:00発 大原11:35
 ※欠航のため大原へ
【バス】大原12:15頃 浦内川観光13:10 ※船会社振替輸送
【遊覧船】14:00発 14:30 ※臨時便

【その他】
●ガス缶
ガス缶は機内持ち込み出来ないので石垣島離島ターミナルから300m離れた中村釣具店にて購入した。実はターミナル内に中村釣具2号店がありガス缶を売っていた。
●着替えなど
着替えなどは石垣島空港横のヤマト急便石垣空港センターから宿へ発送した。
送り状などは事前に用意すると時間短縮。
翌日着でした。
●振替輸送バス
上原行きが欠航した場合、大原から各地へ船会社の振替輸送が利用できる。
振替輸送用のバスはマイクロバス1台で乗れる人数限定。臨時便など増便なし。
人数が多くて乗れない場合は次の船の振替バスまで待つことになるので要注意。
●入山届
森林管理署へ西表入山届を提出する必要がある。しかも提出先は管理署・警察・浦内川観光の3箇所。受理されないとチケットが購入出来ない。
また、下山連絡を入れなければ捜索隊が出動しますので要注意。

●マヤグスクの滝 高巻きルート
今回の大高巻きは調べた限り記録として無いので参考にログを残します

マヤグスクの滝 高巻きルート

【11月22日 晴れ】記録:津田
 1日目:羽田空港~第二山小屋跡
 始発の羽田~石垣便に乗るべく前夜に羽田空港に集合し国際線ターミナルで仮眠。夜中に発着する国際便がこんなにも多いとは知らず、活気に溢れていたことに驚いた。煌々と明るい電灯の中、いつもの三峰スタイルで寝袋就寝。
 寝る前には前回経験者の宮本リーダー兼ガイドが手際よく指示してくれ、山行中に不要なものを石垣空港から下山後の宿へ宅急便で送るため、段ボールに予め詰めておいた。起床後国内線ターミナルへ移動。6:10発の便なのに、お弁当屋はなんと6:00開店。朝食にありつけないのは辛いので開店と同時に購入して乗り込んだ。石垣空港に着いてからも、宮本Lと戸田くんは宅急便に荷物を預けるのに走り、その間、私はお昼ご飯を買っていたが、なんと10時のフェリー乗り場行きのバスに乗り遅れてしまった。そのあとの臨時便に乗れていたので、私のせいでみんなが乗り遅れたのに気づかされたのは山中だったのだが...。
 フェリー乗り場では、目的地の西表島上原港行きの便が、荒波のため欠航と知らされ、代わりに南部の大原港行きの便に乗って、そこから船会社のバスで上原港まで行くことになった。この日のうちに西表縦断を始める予定だったので乗船前からバタバタ。しかしフェリーに乗り込んだ後は、最後尾の甲板に乗って青空と海と風を満喫した。だいぶ揺れたが朝からビールを飲み続けていたメンバーも酔うことなく無事西表島に到着。大原港から上原港行きのバスは、本来乗るはずだった上原港行きのフェリーの到着予定時間よりも早く着いた。さらにバスを乗り継いで浦内川下流船着場へ移動。その後、遊覧船に乗って上流船着場の軍艦岩へ。「分単位スケジュールよ~」とリーダーに言われていたが、まさにその通りだった。遊覧船では周囲の景色を楽しむ間もなく荷物整理。軍艦岩に14時に到着し、ここからのハイキングコースでようやく縦走スタートとなった。
西表島横断のはじまり~!  歩きやすい遊歩道は南の植生を感じさせるシダ類が繁り、西表島にいることを実感する。30分ほど進むと、「マリユドゥの滝」の展望台がある。階段を上がると東屋となっており、ここから大迫力の滝が眺望できる。
 遊歩道というだけあって、所々に横断道や動物に関する説明書きがある。さらに30分ほど進むと、滝のそばまで行ける「カンビレーの滝」に出た。ここで大休止。そろそろ行こうかというところで、軽部っちにトラブル発生。特大スキットルからウィスキーが漏れてしまったらしい。これからの3泊4日の縦走を思うと悔しそう。ザックに浸透したウィスキーで、軽部っちの後ろを歩くと酔いそうだったそうな。
マリユドゥの滝  カンビレーの滝からしばらく川沿いの岩盤を歩くが、岩盤にはポットホールという穴が空いていて(急激な流れによってできたものとのこと)エビなどの生き物が生息している。
カンビレーの滝のあとのポットホール  「横断道入口」の銀色の標柱まで来るとまた森の中に入っていく。ところどころにピンクテープがありわかりやすい。またぬかるんだ泥に足首まで入ったりして、ここは沢靴がよい。
ぬかるんだ道  17時にこの日の寝床の第二山小屋跡に到着。狭い面積に、昔どんな山小屋があったのかと思いをはせる。ここでタープを張った。隣には沢が流れ、ここで水を汲んで持ってきた浄水器をフル稼働させて水作り。虫が多いので虫よけスプレーとネットは必携だ。タープの中にはホタル、カナブンが入ってきた。また素肌を出しているとヒルに襲われる。寝具はシュラフカバーのみだったが、沢沿いなので風が抜けて結構寒かった。この時期に行くのなら薄いダウンジャケットとズボンがあれば安眠できそうだ。長い一日を終えて早々に就寝。

【11月23日 曇り】記録:軽部
 2日目:第二山小屋跡~幕場
 今日はいよいよ入渓、小雨が降っているけど皆笑顔で出発。
 幕場を出るとほどなくしてイタジキ川の出合いに着く。水量は多いものの深さはないので体が持っていかれることはないが、渡渉するときは気を使った。沢はナメ床で晴れていれば気持ち良く散歩気分で歩けるのだろう。
 沢床は滑っていてラバーソールで来てしまったことを悔やみながら、そろそろ歩きでしばらく行くと真っ白なマヤグスク滝が見えてきた。
 水量が多くネットで見てきた滝とは様相が違っていて、マヤグスク滝も登れずに敗退か?と思いつつも登れそうな所を探すと左岸側は流れが少なくそこから登れた。

うーん、水量多し...真っ白なマヤグスクの滝

マヤグスクの滝のゴルジュの入り口  「マヤグスク」とは猫の城という意味だそうで、滝の上は扇形の広場になっていて猫が集会を開くには十分な広さがある。滝の落ち口は幅20mほどで、両岸はスレートの岩壁になっていて川は壁に狭められていき幅3mほどのゴルジュになり、そこから水が噴き出していた。水線からの遡行はとても無理そうなので高巻き出来そうな所がないか探したり、写真を撮ったりしつつ話し合うが、よいラインがないので浦内川との出合いまで戻り、尾根に上がることになった。
 一度、浦内川に出て一般道を少し南に行った後、280mから北北西に伸びる尾根に取り付き280mを目指すように登り、平坦になってきた所で隣の北へ伸びる尾根に移りイタジキ川に戻るルートになった。
 最初の登りは急で足元が滑りやすいので周りに草木を手掛かりにしようとするものの根っこごと抜けたり、腐っていたりであまり頼りにならず登りづらい。藪は一部濃いが大方は密度が薄く、歩きやすかったけれども地図、GPS と地形を細かく見ながらだったので進みはよくなかった。
 イタジキ川への復帰は先頭が傾斜の緩い所を見付けてくれたのでロープを出さずに降りられた。沢に降りるといい時間になってしまったので、あとは幕場を探しながら遡行して、タープぴったりサイズの平坦地があったので周辺を整えて幕場とした。

【11月23日 曇り】記録:内田
 2日目:第二山小屋跡~幕場
 朝5時に起床する予定だったが、誰も目覚ましをかけておらず20分遅れの起床となる。湯を沸かし各自朝ご飯を食べようと準備をしていると、タープから出ていたかるべっちが嬉しそうに海老を2匹捕まえて戻ってきた。海老ってそんなに簡単に素手で捕まえられるの?と驚いたが、巨人の身体能力をもってすれば文字通り朝メシ前という事なのだろう。今日は核心のゴルジュ越えが待ち受けているので、一同期待と不安の入り混じった気持ちで出発する。
 歩き始めて45分程でイタジキ川の出合に到着する。昨日から感じていたが、やはり水量が多い気がする。水線通しで進むことは困難なようなので、素直にテープに従い左岸を歩いていくと間もなくしてマヤグスクの滝に到着した。そして目の前の風景に圧倒された。それは写真で何度も見た階段状のマヤグスクの滝とは程遠い代物だった。細かい段々は全て白瀑に覆われていて黒部ダムの放水と化していた。各々登りたいところを登るなどと形容されていた滝は、登れるルートは一箇所くらいしか見出せない不寛容さで我々を迎えてくれた。核心の滝の上のゴルジュは鉄砲水のような水量でマヤグスクの滝を落ちていく。
 ゴルジュの奥を覗くが、この水量に耐えられるだけのホールドがあるようにも見えない。敗退の文字が一同の脳裏をよぎったが、行程に多少の余裕はまだあるので高巻こうという結論になった。とは言え地形的に見て右岸も左岸も切り立った崖になっている。結局入渓ポイントまで戻り、過去最長の5時間弱の大高巻きをする事になった。その後は地形図との睨めっこで、なるべく等高線が緩いところを最短でなぞるルートを取っていく。藪は所々濃いが、激藪という程でもないかなという印象だった。斜面が急になると藪も濃くなり、緩斜面になればなるほど藪も薄くなるという特徴を早い段階で把握出来たので、ルートは直線で結ばず距離は長くなっても等高線をきれいになぞるアップダウンの少ないルート取りに終始する。途中何度も休憩を入れながら再度イタジキ川に降りる頃には既に時刻は15時前になっていた。高巻きに5時間近く費やしたのは自分の中では最長記録だ。この後はたいした滝やゴルジュもないので、心配していた増水に影響を受ける程ではなかった。西表はもう少し日が長いかと思っていたが、17時頃には暗くなるので、この後は幕場探しに集中する。右岸に幕を張った記録はあったが、どこなのか判然としない。見逃さないように、水線沿いではなく、右岸の藪に分け入り歩くこと1時間程で整地をすれば幕場になるエリアに到着する。日没前にゆったりと身体を休めるところが見つかりホッとする。タープを張り水を漉しながら明日の作戦会議をする。その結果、明日の昼過ぎくらいまでに幻の湖に到着出来れば敗退は免れるという結論になった。今日の進み具合如何で敗退の可能性もあったが、なんとか明日に望みをつなぐことが出来たようだった。

【11月24日 晴れ】記録:宮本
 3日目:幕場 ~ 幕場(320m付近)
 記録担当者の原稿を集めて岩つばめ用に原稿を纏めようとしたら2日目の記録が重複し3日目の記録が無いことが発覚。皆で記憶を集め原稿を作ることに・・・一部記憶が飛ぶ可能性あり。
 当初3日目のスタートは幻の湖上流付近で幕場を考えていたが我々は直線距離にて約3km手前に居る。ここが本日のスタート地点である。昨日の作戦会議で決定した幻の湖に12時頃までに到着出来ない場合、敗退することを再確認し3日目が始まった。
 イタジキ川を幻の湖に向かい溯上を開始する。意外と水温が低く陸路を選びながら時々水遊び。先頭を歩くヤンバルシューマッハが本当に歩くのが速い。沢の貴公子と名前を改名しても良いのではと考えていた時、奴は出現した!今回の目的の一つ大ウナギである。奴は意外と素早い。ヤンバルシューマッハもポールポジションを明け渡してしまう程である。この時の目撃者は先頭のみ。
大ウナギとメンバー達  その後、1時間ほどしてから先頭2名が数m先の奴を再発見!今回は残りメンバーに奴を見させようと間隔を保ちながら居場所を説明するが皆何処に居るか分からない・・・。詳しく説明されても分からない。ただ一つここが浅瀬であるということ。
 説明しても分からないなら近くで拝見するべく上流・下流に各3名に分かれ奴との間を詰める。
そして開戦の時がきた・・・。
【上流3名】奴に飛び付く。
【大ウナギ】攻撃を回避し下流へ逃走。
【下流3人】奴を待ち伏せる。
 奴は一直線に突進してくる。驚いて陣形があっさり崩れる!! 下流から時々悲鳴が。ガイドは身を呈してバックスライディング。触ったがヌメリにあっさり敗退・・・。
【上流3人】下流3人と合流し更に追い込む。奴はさらに浅瀬に!そして大人4人が奴に飛び付き捕獲成功。
 その後も陸路と水遊びを交えながら幻の湖を目指す。深い淵を泳いだりしながら突然広いスペースが登場。直ぐに幻の湖と気が付かなかった。記録で見たことのある岩が。GPSで確認して幻の湖と確定。時は13時若干の遅れはあるものの先を急ぐメンバー達。幻の湖上流側にピンクテープが現れた。ここから陸路主体になりテープとGPS、地図コンパスを頼りに先へ進む。

幻の湖に到着!!これが幻の湖

 14時ごろ昨日予定していた幕場予定地を通過。明日の行程が順調に進める保証がないので16時頃に幕場を確保するイメージで先へ進む。15時を回る頃から幕場に適した地形を探し無事に幕場を確保し本日の行程は終了。

【11月25日 晴れ】記録:古屋
 4日目幕場~ユツン川登山口
 遡行最終日。今日の行程はイタジキ川を詰め、ユツン川を下降する。
 源頭部は谷や尾根が複雑に入り組み、ルート取りが難しい。普段ならコンパスを合わせ藪に突っ込んだりもするのだが、西表の藪は強烈と聞いていたので藪漕ぎは出来る限り避けたい。昨日同様に林野庁のテープをたどることが出来れば、すんなりユツン川までたどり着けるかもしれない。
 まめに地形図やGPSで現在地を確認しながら進む。出発から小1時間で分水嶺と思わしき場所に着いた。この辺りでルートを見失うが、少し藪を漕いだところにテープがあった。その先は下りの涸れ沢、方角を確認しユツン川の支沢であることを確信する。やっとここまで来た。ここを下ればユツン川に合流できると思うとだいぶ気が楽になった。暫く下ると沢も広く緩やかになり、水の流れも出てくる。亜熱帯のジャングルのような渓相に見惚れながらトコトコ歩いていくと、薄暗い渓の前方に、洞窟の入口のような明るい光が見える。ユツン滝の落ち口だ。視界が一気に開け、滝の上はマングローブの森と青い海が目前に広がる絶景ポイントだった。
ユツン川上流部  ここまでくれば後は登山道を下るだけだ。ユツン滝はツアーコースになっていて、登山道が整備されているので楽に下れるはずだ。滝下への降り口は沢を少し戻った右岸にあった。道は整備されていてフィックスロープもあり、滝下へは5分程で着いた。
 豊原行きの最終バスまで時間は十二分にあるので、登山道脇のプールに飛び込んだり、エビを捕まえたり、釣りをしたりして遊びながらも、1時間半ほどで登山口に到着した。バスを待つ間、装備を外し着替えたりしてのんびりする。ここはバス停ではないが、西表島の路線バスは通りすがりに乗ることができる。40分程バスに揺られ、大原港に程近い本日の宿、民宿なみ荘に向かった。打ち上げの居酒屋の迎えが来るまでの間、汚れたものを洗濯したり、装備を庭で乾かしたり、シャワーを浴び、無事横断完遂の祝杯をあげた。

ユツンの滝横断完了!
〈コースタイム〉
【11月22日】 軍艦岩(14:10) → カンビレーの滝(15:20~45) → 第二山小屋跡(17:00)
【11月23日】 第二山小屋跡(7:30) → イタジキ川出合(8:30) → マヤグスク滝(8:45) → 尾根取付き(10:20) → イタジキ川(15:00) → 幕場(16:00)
【11月24日】 幕場(186m付近)(7:30) → 幻の湖(13:10) → 幕場(320m付近)
【11月25日】 幕場(7:50) → 分水嶺(8:40) → ユツン滝滝上(10:00~10:30) → ユツン滝下(10:40~11:00) → ユツン川登山口(12:40)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ356号目次