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縦走・八ヶ岳東西天狗岳
大西 直美

山行日 2018年1月13日~14日
メンバー (L)齊藤(慈)、大西、他1名

【1月12日(金)】
 残業後の集合のため八王子駅南口22:30近くに集合となる。清里駅での野宿、駅で寝るのは大学生以来だ。駅舎の中で貸し切りで寝られる幸せ、就寝は確か1:30頃だったかと思う。

【1月13日(土)】
 翌日5時起床、稲子湯へ向かう。稲子湯駐車場からスタート。ミドリ池への道は最初舗装道路もあり、なだらかな所も多かったが、何せまともな雪山歩きは今回が初めて。ザックの重みと共にきつい。
 しらびそ小屋が見えた。カチンコチンのミドリ池に向こうに見える天狗岳、水分とエネルギー補給をして出発したが、ここから中山峠へ向かう途中、山で初めて足がつってしまう。今まで山仲間が山で足をつる姿を何度かみていたが、自分がつるのは初めての経験。アミノ酸などをいただき足を伸ばし再び歩き始める。
 雪山歩きに慣れていない私は意識してもキックステップがうまくいかず、そのたびにズルズルと雪にはまる。バランスを崩し先にトレースができているのにそこを踏めずに横にはみ出し大きく足を取られひっくり返る。ザックの重みに亀のようにひっくり返って起き上がれない。たぶん10回以上あったかと... その度に体力を消耗する。
 やっと中山峠に出る。道はガリガリに凍っている。アイゼンを履くが分厚い手袋、寒さでなかなかうまく履けずここでも時間を取られる。
 ここから中山展望台へ。相変わらず足をズボズボ取られひっくり返る。情けない。中山展望台からの眺望も素晴らしかったが、もはや余裕なく堪能できず...引き返し黒百合ヒュッテ見学。トイレを借り中山峠脇の秘密のテン場が今夜のお宿。日没直前なんとか設営。
 夜はお約束のようにやはり鍋だ。赤ガスストーブの暖かさは、外気温がマイナス20度くらいを忘れるほどテント内を温めてくれる。お酒と鍋と歓談。そして床に就く。

【1月14日(日)】
 起床、ポカポカぐっすり寝られたがシュラフは若干凍っていた。
 テント撤収し中山峠7:20発、東天狗岳へ向かう。結構他のパーティーも多い。岩もゴツゴツ。森林限界だ。途中ピッケルをガツンと振り凍った岩場に刺して登る。アイスクライミングのようでスカッとした気分。
 東天狗岳山頂。360度の眺望と八ヶ岳ブルー。西天狗岳に向かう稜線。素晴らしい美しさ。荷物を東天狗岳にデポし西天狗岳へ。15分ほどのはずが、西天狗岳への登りでラッセルしているパーティーあり時間もかかる。そして西天狗岳山頂。そこからまた引き返し東天狗岳へ。ここからは根石岳へと向かう。東天狗岳を少しだけ下りた所がちょうど風もなく一本取る。
 下山に向けてスタート。しかし根石岳に向かう道は強風で体がぐらつく。数々のエビの尻尾。一歩一歩踏みしめ根石岳、箕冠山、夏沢峠。
 硫黄岳が目の前に堂々とそびえ立つ。一気に本沢温泉に向けて下山。硫黄の香りがしてくると、そこは露天風呂。露天風呂はまたの機会に本沢温泉へ。山頂の強風や零下が嘘のようにポカポカ春のようだ。一本取り、さらにミドリ池に向けて下山。ずっと下りかと思いきや、だらだらとゆるい登り返し、テンションが下がり気味。ミドリ池まではとても長く感じた。
 13:30 稲子湯駐車場到着、この後稲子湯温泉で汗を流しトンカツで英気を養い帰路に着く。
 今まで雪訓やアイスクライミングは経験があったが本格的な雪山歩きは初めてで全く余裕なく相当な時間がかかってしまった。これから経験を増やしもう一度余裕を持ってあの八ヶ岳ブルーをいつか見てみたいと思う。
 素晴らしい経験に感謝。

〈コースタイム〉
【1月12日】 八王子駅南口(22:30) → 清里駅 就寝(1:30)
【1月13日】 稲子湯駐車場(7:40) → しらびそ小屋 ミドリ池(9:54) → 中山峠(13:05) → 中山山頂(14:41) → 中山展望台(14:52) → 黒百合ヒュッテ(15:53) → 中山峠テン場
【1月14日】 中山峠テン場(7:20) → 東天狗岳(8:45) → 西天狗岳(9:10) → 根石岳(10:20) → 箕冠山(10:40) → 夏沢峠(11:10) → 本沢温泉(11:50) → 稲子湯駐車場(13:30)

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