山行日 2018年1月20日~21日
メンバー (L)齊藤(慈)、軽部、小芝、眞鶴
【1月19日】
八王子駅に集合して、道の駅小淵沢へ向かう。
道の駅にはたくさんのパーティが幕を張っており大混雑。赤岳鉱泉のキャンディはこのところの陽気で週末はクローズのため、前週の荒天でトレースもあまり期待できないことから広河原へ入るパーティがいることを期待する。
【1月20日】
5時に起床して、コンビニ経由で舟山十字路へ。駐車場手前300mあたりで路面凍結のため、車がスタックする。危うくJAFにお世話になりそうであったが、小芝さんの絶妙なハンドル捌きと力のあるメンバーのおかげでなんとか切り抜け、舟山十字路に到着するも、先行パーティはおらず、後続のパーティは阿弥陀南稜組ばかり...。
貸切だ~!と喜ぶのも束の間で、ラッセルを強いられるため、不安がよぎる。そうそうに準備を整え、広河原へ向かう。
路面は凍結しており、チェーンスパイクが欲しいくらいツルツルである。
広河原もやはり人気やテントもなく閑散としている。一番平らな所を選んでテントを建てる。1パーティ上がって来たがそのまま左俣へ行かれた。我々も準備をして、右俣を目指す。渓中はやはりトレースがないが少し歩くとうっすらとトレースを見つける。これで、はまらずにスピードアップをして進むことができる。
二俣を過ぎると簡単な滝が出てくる。凍結してない釜や岩の下を抜けるトンネルなどがあり、楽しく歩ける。
1,2ルンゼを分ける大氷柱が見える所の手前右上に伸びるルンゼが3ルンゼ。ですが、氷柱は半分程度埋まっており全然見る影がない状態。苦労なく登れそうな勢いです(≧∇≦)
ここからは足を外すと、おむすびころりん状態になるので気合を入れ登っていく。止まって後ろを振り向くのが怖いくらいの急登になります。
100mほど高度を上げたところで、3段の滝が出てきます。この日は気温も高く、陽射しも強いことから陽当たりの氷はしゃりしゃりに。ここでロープを出します。絶景と初めての光景に眞鶴さんは吠えまくる(≧∇≦)
齊藤、軽部が、それぞれリードする。50mいっぱいで良い支点があるためそこまで伸ばす。
次のピッチは、小芝、齊藤リードで行く。小芝さん先頭右俣の垂直氷柱を登る。ここで地図を確認してみると、3ルンゼ右俣に登ってしまったことに気が付く。本来は手前で左俣に入りP4にでる予定だったが、確認ミスで、P3へ抜けてしまうルートへ。小芝、軽部ペアは過去このルートで3ルンゼを登ったとのことで、時間もあまりないこともあり、そのまま右俣を抜けることに。
小滝を登りもう1本氷が足元で切れてる小滝を登ると一面の雪原が広がり前方にはP3が聳えている。
最後のピッチは眞鶴さんリードで、スタンディングアックスビレイで、ビレイをしてもらう。
ここでもトレースがないので眞鶴さんの訓練がてらラッセルで先頭に立ってもらうがようよう進まない。200mほどみんなでラッセルを交代してようやくP3基部に到着した。
基部には雪がほとんど着いておらず微かな雪にはトレースも確認できた。
岩陰で1本立てるも全然影にもならず、日はだんだん陰り体温を奪われるので、下山をすることに。青ナギ下降点まではヘッデンなしで降りたい。日が残るうちに青ナギに着いたがやはりここからもラッセル。ヘッデンを装備して早々に降りる。雪深くなかなか進まないが、だんだんと沢底を確認。二俣のすぐ近くに抜け出ました!ここまで来れば一安心。テン場へと急ぐ。
我々のテントの隣にもう1張り。豊橋の山岳会の方で、情報交換を。翌日は、広河原は初めてで、3ルンゼに向かうとのことで色々お話をする。
そして、テントの中で寛いでいたらいきなり軽部さんが、ロープを忘れた!と。P3の基部で装備をたたんだ時に置き忘れたとのこと。急遽予定を変更し、翌日は、我々のパーティも3ルンゼ左俣を行くことにした。
【1月21日】
6:20 日の出の時間くらいに出発。3ルンゼを目指すと話していた隣のパーティは既に出発をしていたが、3ルンゼではなく、左俣の方に向かったようだ。我々はロープを回収するべく3ルンゼを目指し出発する。
トレースもバッチリ着いていて他のパーティも入った跡が見られ、道もしっかりしてきている。順調に高度をあげ3ルンゼ出合いに到着すると雪上になにか落ちている。先頭の眞鶴さんが、拾って開けて見ると、ジェットボイルのセットが入っていた。他にパーティが入った形跡がないので、強風か雪と共に落ちてきたのではないだろうか...(後で眞鶴さんが確認したところ、無事に利用できたようだ)。
3ルンゼに入り3段の滝へ。
今日は眞鶴さんリード。スクリューも決めて無事に抜けることができました。
その後、左俣へ。更なる急登であるが、不思議なことに人が1人分通れるくらいの通路のようなものができておりそこだけは雪が固まり登りやすい状態になっている(過去のトレースの上に雪が付いたが、風で飛んでこのようになったのか?)。眼前にあまり雪が付いていない岩肌が広がる。ここからは小滝を越えていくが、その小滝は雪も氷も全く着いておらず、しかもスラブ滝となっている。ここで1本取り作戦会議。
軽部さんリードで、左岸の壁を登る。見た目以上に立っているのと全く支点がないとても緊張感のある登攀である。齊藤達は、同ルートは難しいと判断して右岸の少し寝てるように見えた若干草付きの壁を登ることに。齊藤リードで、取り付く。が、ここも見た目と異なり、かなりの垂直壁である。見た目はボコボコしておりホールドもありそうではあるがアックスが決まりづらく、かつ微妙にハングしている箇所もある。一手一手、確実に確認しながらトラバース気味に少しずつ登る。目の前に雪が広がる。これでアックスが決まると一安心。上部のしっかりした木に辿り着き、解除コールを送る。同じ頃、軽部さん達も対岸で支点工作を行う。眞鶴さんを引き上げ、次の作戦はルンゼに戻る。ちょうどすぐ下にバンド状になっている箇所があり、そこをトラバースして、ルンゼに取り付く作戦。
中間に太い木もあるため支点も取れ安全である。その旨を眞鶴さんに伝え、彼をリードで、送り出す。無事に軽部ペアと合流する。
その先のルンゼの小滝も下部と同様に岩が露出している。右上すれば稜線に出られそうなため、小芝、齊藤で、偵察に行く岩の裏側はキレ落ちており、少しのバンドや木があるが、ここもかなり苦戦を強いられそうな所である。小芝さんは岩を登ると話したが先ほど同様、支点もなさそうなため、登攀は諦める。時間も迫って来たため、これ以上進むのはやめ、下降して、3ルンゼ右俣を登ることに。懸垂を行い戻る。右俣に戻り滝を2本登りP3を目指し登る。
昨日同様P3基部に到着。ロープを探すと岩に残されているのを発見。
ホッと1本立てる。昨日同様に南稜を下り、無事にテン場に到着。既に人の気配もなく翌日の嵐を予感させるべく強風が吹き荒れていました。
そうそうにテントを撤収し、下山へ。この山行最大の難所は、下山時のつるつるカチカチの下山道で、ちょっとでも気を緩めると、すぐにすてーんと転び、3mくらい滑落をしました(≧∇≦)
下山後は、もみの湯に入り、汗を流し、全身をもみほぐし、境川で幸せなひと時を過ごしました。
【1月19日】 | 八王子駅南口~小淵沢~道の駅小淵沢(幕) |
【1月20日】 | 道の駅小淵沢~舟山十字路~広河原~広河原にて幕営準備~広河原沢右俣~3ルンゼ~3ルンゼ右俣~阿弥陀南稜~青ナギ~広河原沢2俣~広河原 |
【1月21日】 | 広河原沢右俣~3ルンゼ~3ルンゼ左俣~3ルンゼ左俣敗退懸垂にて降りる~3ルンゼ右俣~阿弥陀南稜~青ナギ~広河原沢2俣~広河原~テント撤収~舟山十字路~帰路 |