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縦走・蔵王~南蔵王
三澤 邦夫

山行日 2017年10月14日~15日
メンバー (L)平野、和田、網谷、三澤

 山スキーで知られた蔵王に紅葉の南北蔵王縦走で行った。電車・バスの旅的要素も楽しみのひとつ。
 山形行きの夜行バスは3列座席のトイレ付きで快適だが休憩で車外に出られず腰を伸ばせないのが難点かも。リーダーの事前調査のおかげでわかりにくい登山口までタクシーですんなりと移動できた。

【10月14日】
 タクシー終点の放牧場ゲートから牧場内の舗装道路を20分ほど歩いて登山道分岐。沢沿いコースが崩落しているので乳母神ルートから瀧山に向かう。
 蔵王山は蔵王温泉からロープウェイで登るのが一般的だろう。瀧山コースは結構マイナーなルートだ。しかし地元山屋が好むのか登山道は明瞭で良い感じ。
 火山地形なので岩場も何か所かあるが垂直の壁には鉄筋で作った足場もあり危険と思えるような場所はない。岩場を過ぎるあたりから紅葉が鮮やかになってくる。紅葉のベストタイミングだった。
 乳母神から登山道は明るい稜線歩きに変わりすぐに瀧山山頂に到着。蔵王温泉から上がって来たと思しき登山者が何組かいる。間近に見える筈の温泉街は雲の下で見えない。
 瀧山山頂には社があり道中安全をお祈りして縦走路を先に進む。途中に何か所か分岐があるが道標の地名がやや分かりにくい。地図上では四辻になっていても交差していない所もある。潅木の気持ち良い尾根道を進み地味な大釈山を下ると車道に出る。スキー場の中を歩いているのがわかる。独鈷沼は雰囲気こそ悪くはないが観光客が多い。
 リフト沿いの中央高原散策路を登る。三郎岳とか五郎岳は特筆すべき点のない丘。片貝沼の広場には多くのハイカーが屯していた。中央高原散策路は広場の奥手にありやや分かりにくい。
 スキー場ゲレンデの中をしばらく歩き通年営業のロープウェイを過ぎるとお地蔵さんが鎮座する広場に出る。冬は雪の上に頭だけ出ているが全身を見たのは初めてだ。しばし地蔵コスプレ(?)で写真を撮る。

なんというシンクロ感蔵王のイメージ

 ここで登山道は地蔵山を巻くルートと山頂ルートに分かれるが折角なので地蔵山に登る。山頂から蔵王全体が見渡せた。ここから整備された遊歩道のような登山道が続く。およそ40分ほどで蔵王山塊の主峰の熊野岳に到着。百名山らしく賑わっている。休憩後、避難小屋から馬の背の方向に下る。どこへでも下れるがスキーツアーのポールがあるのでガスに巻かれても大丈夫だろう。
 避難小屋を過ぎると朝方の霧雲も晴れて蔵王山のシンボルの「お釜」もよく見えた。
 刈田岳山頂レストハウスは観光客で賑やかだ。水を補給したりビールを買ったり山屋には便利な所だ。蔵王エコーラインをショートカットして南蔵王縦走路の入口まで下る。
 木道を15分ほど歩き道標に従い左折すると刈田峠避難小屋に到着。小屋はトイレ完備で快適だ。貸切だったのはラッキーだ。

【10月15日】
 小屋の外は視界はあるものの南蔵王方面は雲が低い。雨も予想されるのと「タクシー運転手お勧めの蔵王温泉と山形牛」の魅力もあり不忘山ピストンということで荷物をデポして小屋を出る。
 南蔵王は刈田峠を境として雰囲気が全く異なる。しらびその樹林と湿原の木道は良い感じだ。木道が終わり不忘山に続く稜線を見ながら杉ケ峰を過ぎると眼下に湿原が広がる。
 芝草平は予想以上に大きな湿原でゆっくりするには良い所だ。段差のある登山道を登り南蔵王の主峰・屏風岳に到着。風も強く霧で何も見えないので下山開始。
 刈田峠からのハイカーと何度もすれ違った。なかなかの人気コースのようである。デポした荷物を回収してレストハウスまで戻る。
 風雨が強まりドライブ観光客はお目当てのお釜見物もできず残念だったろう。
 蔵王温泉でバスを途中下車して立寄り温泉・新左衛門の湯に行く。街中を流れる川からは硫黄の匂いが上がっていた。温泉は濃い感じで良かった。
 最後の〆は山形牛。開いている店をみつけて焼肉屋に飛び込んだ。オージーとは全くの別物(当たり前)。次に行ったらまた食べよう。

山形牛です
〈コースタイム〉
【10月14日】 三百坊登山口(7:45) → 瀧山山頂(9:40~10:10) → ドッコ沼(11:50) → 地蔵山(13:50) → 熊野岳(14:30) → 県営レストハウス(15:20~15:50) → 刈田峠避難小屋(16:30)
【10月15日】 刈田峠避難小屋(6:00) → 前山(6:50) → 芝草平(7:30~7:50) → 屏風岳(8:20~8:40) → 刈田峠避難小屋(9:50~11:00) → 県営レストハウス(11:35)

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