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読図登山・畦ヶ丸
眞鶴 哲郎

山行日 2018年3月31日
メンバー (L)千葉(快)、小芝、峯川、坂田、早川、眞鶴

 三峰山岳会に入会して初めての原稿を書くこととなった。読図山行が計画にあると知ると直ぐにリーダーの快晴さんに参加表明連絡を入れた。このような機会があろうかと読図の教科書で事前に独学しておいて良かった。私自身、実際に読図を必要とする山行の経験が少なく、コンパスは持ってはいても正確に活用していなかった為、入会したら必ず読図講習山行には参加したいと思っていたので、参加できてよかった。当初の計画では山行の事前に机上講習を行うとの事であったが、それは中止になり、速攻実地講習の形になった。計画書を確認すると、周囲から話は聞いていて機会があれば山行をご一緒したいと願っていた峯川さんも参加と知り楽しみになり、当日を迎えた。

【3月31日(土)】曇り
 当日朝、新松田駅前バス停に7:30に集合。計画書にあったメンバーの数名が不参加になってしまったのは残念だったが、バス車内でワイワイ話をしているうちに約1時間で西丹沢ビジターセンターに到着した。今回はリーダーが、磁北線や26のチェックポイントが記載された地形図を段取りしてくれていた。まずこれに感動。読図講習が始まった。
 まずスタート前に地形図、コンパスの使用方法や今回の概要説明などがリーダー講師の快晴さんからあり、スタート地点で現在地の確認をした。ちゃっちゃと歩けばいいじゃん!といつもなら思うところ、今回は真面目に学習しようと耳かっぽじって話を聞いた。

チェックポイント入りの地形図 これを辿った地図を念入りに確認する

 行程は、1~5地点までは全員で考え答え合わせをし、6地点目からは1人ずつ順番に各地点まで行き回答するという形で進んでいく。
 1地点目は西沢の右岸に沢地形がある所だった。この地点がなぜ1地点目なのか全員でその根拠を挙げていく。進行方向左側に沢地形があり、右手側は特徴がない急な斜面で、数十メートル先に堤防があり...等々、2地点目からは前の地点目からどれほどの直線距離なのか、針葉樹マークがある、広葉樹マークがあるなど、歩き進めるごとに周囲から得られる情報が増えてきた。地形図で見る沢の形、大きさ、屈曲具合などと実際のそれをピンポイントで同定する事は簡単ではなかった。
 小休憩を入れた5地点目では全員が間違った認識をしていて、再出発後に「あれ?ここが5地点目だったね!」となり、先輩達でも間違えるほどだから地図読みというものは難しいと思う。
 各地点目的地に到着する度に、ナゼここがここなのか根拠を言い答え合わせする。また、次の地点を目指す前にも目的地はこういう地形になっているはずだ等、地図から情報を拾い上げてイメージを持ってから進んだ。
鞍部に来ると嬉しくなる  5地点目からは1人ずつ順番に先頭に立ち次々とチェックポイントを特定して進んだ。8地点目(11:20頃)では向かい側の権現岳も同定することができた。本日のピークである畦ヶ丸山(1,292m)は16と17地点目の中間にある。山頂でしばし大休止ランチタイムだ。足腰は疲れてないのに腹が減るのは脳ミソが糖分を使っているためか。
 ここからは下りだ。ここからが楽しくもあり難しいと先輩方が口を揃えていう。登りとは見える景色も異なるし、スピードがついてチェックポイントを通り過ぎてしまうことが多々あるというのだ。歩いてみると確かに実際にそうなった。チェックポイントが微妙な緩傾斜にあり分かりづらかったり、小さな支尾根が分かれていたり、コル&小ピークが連続したり、迷いやすいことが分かった。リーダーの快晴さんもがっつり間違えて、登り返したりやっぱりあっちだったり、などしていたので、それほど難しいのだ。ただ尾根を下ること、それが難しい。山での本番を考えると同じような場面には多々出くわすであろう。その時は落ち着いて立ち止まり考えがまとまってから行動しようと学んだ。そして、核心部は25と最終の26地点目だった。6人全員で迷い、探し、最も時間を要した。説明は端折るが、26地点目からは九十九折になっている道を下り、直ぐに最初に小休止した5地点目手前のベンチに帰りついた(15:52)。
 あとは帰りのバス時刻を確認したらば全員で17時発新松田駅行きのバスに乗れるように下った。

 チェックポイントらしき地点に到着した際に、「地図上の現在地から目標物にコンパス左角宛て、磁北線に回転盤を合わせ、コンパスを地図から体の真正面に移動して持ち、方角が合うように体を回す。すると地図上と現実が一致する。」これが山座同定。これができるようになってからは楽しくなった。地図とコンパスさえあれば何処でも歩けるじゃんか!と思わすほどだ。また、方角に地図を合わせる方法(整地と言うらしい)も有効だった。また、峯川さんが実際に用いていた、下りでの支尾根が複数あり迷いそうなポイントでは消去法で正しいルート1つに絞る方法もとても実践的であった。
 この日、キーワードとして、沢地形、鞍部、コル、尾根、小ピーク、堤防、ガレ場マーク、針葉樹、広葉樹、源頭部、台地などなどが登場してきた。その中でも思い出せば出すほど、鞍部鞍部鞍部鞍部が脳内を侵食する。峯川さんは「自称鞍部マニア」らしい。この1日1人で30回近くは連発してたんじゃなかろうか。
 最後に。とても楽しく読図を学ぶ事ができた良い1日でした。また読図山行の計画が挙がれば参加したいと思いました。リーダーをはじめ参加メンバーの皆様ありがとうございました。おつかれさまでした。(翌日4月1日は会の大集会である。しかし私は1人トレランレースに向かいました。)

〈コースタイム〉
西丹沢ビジターセンター(8:50) → 畦ヶ丸(13:05~13:30) → 西丹沢ビジターセンター(16:30)


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