トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ357号目次

沢登り・一ノ瀬川大常木谷
野畑 祐子

山行日 2018年5月26日~27日
メンバー (L)内田、金子、千葉(朋)、千葉(快)、坂田、眞鶴、野畑

 自身が参加する今年4本目の沢となった今回。初めての渓中泊に期待と緊張でどきどきしていたはずなのだが、前夜泊した道の駅たばやまで内田さんと千葉(朋)さんと女子トークがはずんでしまい、しょっぱなからうっかり飲みすぎてしまった。
 翌朝目覚めると、後発で来ていた金子さんたちが、すでにテントをたたんでいる。慌てて準備をし、道の駅を出発した。
 一ノ瀬林道の入渓点手前駐車スペースに到着し、身支度を整え入渓点に向かう。急な踏み跡を降り、7時半に入渓。水流に足を付けると、ようやく少し目が覚める。薄曇りだった空も陽が差してきた。
 そのまま一ノ瀬川を15分ほど下降し、大常木谷出合に到着。しばらくゴーロを歩いたのちに現れる8mナメは、倒木を頼りに越える。9時過ぎに五間ノ滝に到着。過去の記録にはない大きな倒木が滝中央にかかっている。こちらは水流の右側から登った。
 その後は、釜と小滝を腿まで水に浸かりながら進んだり、へつったりしながら進んでいく。深い谷で陽の光も届かないためか、思ったより気温もあがらず、あまり深くまで水に浸かると寒さを感じる。だが、初めて見るゴルジュの美しさに、その冷たささえも幸せに感じられた。
美しいゴルジュに気分が盛り上がる  11時ごろ25m千苦ノ滝に到着。力強い流れで白い水飛沫があたり一面に広がる。マイナスイオンたっぷりだ。しばらくの間写真を撮ったりしてから、右側の高巻きにとりついた。高巻きは、踏み跡はあるものの、途中のルンゼの通過が厳しい。内田さんがロープを出し、一人一人慎重に通過する。ここで時間を要し、山女魚淵手前に到着したのは12時半過ぎとなった。ここで金子さんと眞鶴くんが竿を出したが、残念ながら釣果はなかった。
 13時ごろ、いよいよ山女魚淵にとりかかる。快晴くんがトップでロープを引いて泳ぎ、2番手以降を前方から引っ張ってくれた。泳ぎに自信のない私は、浮袋がわりのザックにしがみついているだけで進むことができて、大変助かった。
山女魚淵を泳ぎで通過  20分ほどで全員が渡り終え、続いて早川淵を通過する。途中倒木を頼りに、えいやと体を持ち上げる箇所があり、少し手強かった。14時ごろになり、内田さんからそろそろ幕を張ろうと声がかかる。このペースでは会所小屋跡まで到着するのは難しいとの判断だろう。その後は小滝を通過しつつ幕場探しとなった。
 広い幕場にありつき、初めての渓中泊。タープの張り方を金子さんに教わる。薪を集め終え、焚火を囲んでの宴会が始まった。みなそれぞれ手に串を持ち、ウインナーやイカ、しいたけ、マシュマロなどを炙って食べる。川で冷したビールが身体に沁みていく。焚火のやわらかい炎を眺めながら、日が徐々に暮れていき、暗くなるころにはお腹もいっぱいになって、うとうとと眠りについた。
 翌朝はのんびり準備し7時半ごろに出発。8時前には不動滝に到着した。直登もできそうだったが、時間が押していたので、巻道を使う。
 9時過ぎに会所小屋跡に着き、一休みしてから大常木林道へ抜けた。竜喰谷を下降予定だったが、タイムアップのようだ。林道は途中崩落箇所があり、こちらも内田さんがロープを出して、全員無事通過した。最後の林道歩きが思ったより長かったが、楽しくおしゃべりしているうちに車までたどり着いた。

 渓中泊は本当に楽しいことだらけで、くせになりそうだ。次回は是非岩魚にもありつきたい。
 内田さん、初心者にもかかわらず快く参加を受け入れていただき、ありがとうございました。

不動滝の前で
〈コースタイム〉
【5月26日】 入渓点(7:30) → 大常木谷出合(7:45) → 五間ノ滝(9:00) → 千苦ノ滝(11:00) → 山女魚淵(13:00) → 幕場(14:00)
【5月27日】 幕場出発(7:30) → 不動滝(8:00) → 会所小屋跡(9:00) → 大常木林道・三ノ瀬・二ノ瀬経由 → 一ノ瀬川駐車スペース(14:30)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ357号目次