トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ357号目次

山スキー・蓮華温泉~木地屋
さとう あきら

山行日 2018年3月24日~25日
メンバー (L)佐藤、箭内、菅原、成田

 この栂池スキー場から蓮華温泉経由で木地屋に抜ける山スキールートは、昨年永岡リーダーに連れて行ってもらい、大展望露天風呂も滑りもなかなか感激だったので再び企画させてもらった。

【3月23日(金)】
 飯田橋で成田氏と箭内氏を待ち合わせ午後9時発。途中の石川PAで菅原氏をピックアップして中央道をひたすら走り、平岩駅着午前1時。待合室は我々だけの貸し切りで快適だ。箭内氏のプチお誕生祝いをし、今回の山行の成功の前祝いをする。

【3月24日(土)】
 今日は快晴のようだ。駅舎からは朝日に光る北アルプスの山並みが見える。クルマを平岩駅前駐車場に置き、6:55発の大糸線列車に乗車。列車といっても一両編成のキハ120系気動車で、鉄道マニアにはかなりの人気のようだ。この列車は南小谷駅で折り返し運転となるのだが、駅到着と同時にマニアがどんどん乗り込んできて我々は身動き出来なくなってしまう。大声で「降りまーす」と叫び、やっとの思いで下車。そして向かいのホームの電車に飛び乗った。この2駅先の白馬大池駅からはバス乗車で、栂池に8時に到着した。
平岩駅から電車でGO  栂池ゴンドラ乗り場は登山者やスキー客で大混雑している。都岳連加盟団体と書かれた三峰標準の登山計画書を提示してチケットを購入しようとすると、都岳連のTMFカードがあると割引になるという。あいにく直ぐその場で提示することができなかったが、ネゴシエーター箭内氏が何とか交渉し割引料金を適用してもらった。さすがである。ロープウェイに乗り換え、自然園駅でゆっくり準備し出発すると、なんと200人くらいの先行者が登っている。無風快晴の登山日和だが、これほどの登山者(ほとんどが山スキーか山ボード者)がいるとは驚きだ。1時間少々登った天狗原の祠で大休止。素晴らしい大展望で鹿島槍の双耳峰や正面に白く輝く雨飾山が美しい。
天狗原からは北アの大展望が  天狗原を横断し、振子沢に滑り込むと、斜面は固くクラストしている。しかし下るにつれて快適になり、1時間ほどで難なく蓮華温泉に到着した。で、お次は急いで露天風呂へ。寄り道せずに来たのは訳があったのです。小屋の裏から15分ほど登り、仙気の湯に一番乗り。ここからの展望が素晴らしい。正面には三国境から雪倉岳に続く純白の稜線が視界一杯に広がる。
蓮華温泉仙気の湯  湯温もちょうどよく、持ってきたビールやウイスキーもどんどん進んでしまう。2時間くらいほぼ貸し切り状態だったが、その後急に白馬乗鞍岳から乗鞍沢を滑ってきたという山ボーダーが次々と到着。一等地を明け渡し、宿のテーブルでの宴会続行となった。ちなみに当日の宿泊者は120名くらいとのことで、小屋も激混みだった。

【3月25日(日)】
 今日も無風快晴の絶好の登山日和だ。宿の朝食を食べ、7時過ぎに出発。宿泊者の大部分は栂池に戻るようだ。我々は少し林道を歩き、大きく迂回するこの林道をショートカットすべく弥兵衛川へと下る。斜面はクラストが強いが、まあ快適。沢もすっかり雪で埋まっており安心して渡れた。ヤッホー平の美しい林の中を進み林道と合流、8時。威風堂々とした雪倉岳が朝日を浴びて美しく光っているのが印象的である。

威風堂々の雪倉岳雪に覆われた林道を進む

 その後林道上を進むのだが、固い氷の斜面となっている。滑落しないよう慎重に進み、角小屋峠への登りへ。ここも固いクラスト斜面だったが、我々はそのままシールで登ったものの、クトー装着やツボ足にすれば楽だったと反省。なかなか見極めが難しい。さあ、いよいよ大滑降だ。角小屋峠からの滑りは我々がトップだ。大斜面に自由にシュプールを描き、ウド川の源流部へ。東向き斜面なため雪もゆるみ快適そのもの。つい狂喜の叫び声が出てしまう。

角小屋峠下の大斜面猫鼻温泉は手作り感満載

 その後はウド川右岸に付けられた目印を追いながらどんどん下り、木地屋部落から1km手前の標高820m付近の除雪終点まで快適にスキーを滑らせた。当初ここから平岩駅に駐車したクルマまで1時間強歩こうかと思案していたが、ちょうど客待ちをしていた山岳ガイドをネゴシエーター箭内氏が説き伏せ、駅まで送ってもらった。改めてすごい交渉力に脱帽である。その後はマニアック猫鼻温泉で汗を流し、フキノトウ狩りをして都内解散20時となった。

 温泉を満喫するお手軽山スキールート。また行きたい。

〈コースタイム〉
【3月24日】 栂池自然園発(9:25) → 天狗原(10:45~11:05) → 蓮華温泉到着(12:00)
【3月25日】 蓮華温泉発(7:15) → 角小屋峠(9:45~10:00) → 木地屋除雪終点(11:20)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ357号目次