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雪山登山・中の湯温泉~焼岳(南峰・北峰)
千葉 快晴

山行日 2018年3月3日~4日
メンバー (L)千葉(快)、荻原、津田、野畑、坂田

 つい数年前に購入した雪山登山本に記載のあった中ノ湯コース。何回か計画をしては迷った時期もあったのだが、その度に知り合いに「雪崩もありそうだし、ルーファイも難しい」と噂を聞かされ億劫になっていた。山行の時期、天候により山の難易度は変わるのだが山を決して甘く見ている訳ではない。今思えばその話を鵜呑みにし、この山を登頂していなかったのが勿体ないと思うような最高のコンディションで登頂する事が出来ました。ご一緒して頂いた仲間には感謝しきれません。

【3月3日】晴れ
 東京を朝出発し、沢渡第二駐車場まで車で入る。そこから予約していたアルピコタクシーで中ノ湯ゲートまで行くのだが、ゲートから中ノ湯温泉までは雪解けで沢の流れのようになった舗装路を歩く。除雪されている道はここまで。中ノ湯温泉の裏手からはかなり雪解けでぐちゃぐちゃになり踏み抜き地獄の道を暫く林道沿いに歩いて行く。登山口から先は先人のしっかりとしたトレースが付いており、特に苦労する事も危険個所もなく踏み跡を辿る。この日の幕場は下堀沢2,037m付近を考えていたが、実際到着してみると地形図通りどこでも幕張し放題な最高の場所であった。我々は焼岳の南北の峰が見える場所にテントを張った。他に単独行の男性が1名ここで幕としていた。夜はバタ子さんの煎餅汁もあり宴会は大盛り上がり。夕日がきれいに映える。

焼岳が見える幕場

【3月4日】晴れ
噴煙を上げる噴気孔  予定通りの時間に出発。朝一からモナカ状の雪面でツボ足でズボリ、すぐワカンに履き替える。冬の焼岳へは夏道では行けない南峰を尾根通しで登る場合がほとんどらしいが、我々は山スキーのルートになっている2,400m付近のコルまで突き上げる谷沿いをジグを切りながら登っていった。最初から結構な斜度でなかなか先が見えてこないが、標高をドンドン上げていくと焼岳の噴煙がモクモクと見えてきて硫黄臭も強くなりそれを忘れさせてくれた。広大な沢地形を2,400mコルまで登り詰めるとそこからの景色は圧巻。遠くには北アルプスの白い山々も見えるが、近くには迫力ある噴気孔からモクモク噴煙が上がっているのが見える。残雪期限定の風景であろうか。
 ここに荷物をデポし、先に南峰から登頂することにした。残雪期限定の南峰までは一瞬トラバース気味な道があるが特に変な道でもなくあっさり到着。

焼岳南峰を見上げる南峰山頂にて

登って来たコルと北峰  コルへ戻り今度は北峰までは噴煙を避け歩いていくが、風向きで視界はあまりなく、トラバース気味に夏道に合流していった。山頂直下は運が悪ければ焼岳の地熱でかなり深くまで踏み抜き箇所があるかもしれない。慎重に岩の上を伝っていった。山頂には踏み跡はあるが人影はなく、この時間帯はほぼ貸し切りの山頂であった。さっきピストンした南峰には昨日幕場を同じくした男性の姿が見えた。
北峰山頂  荷物をデポした2,400mコルまで戻れば、後は沢沿いに下山するのみ。途中テントを撤収し日帰りハイカーの付けた往路よりも濃くなったトレースを辿り下山にかかる。帰りは白骨温泉に入り、お食事は松本IC近くの洋食屋十字路でお腹を満たし帰宅。これで本山行は終了となった。

〈コースタイム〉
【3月3日】 中ノ湯ゲート(11:00) → 中ノ湯温泉(11:45) → 2,037m付近(15:00)
【3月4日】 2,037m(6:10) → 南北峰中間2,400mコル(7:40) → 焼岳南峰(8:00) → 焼岳北峰(8:30) → 幕場(9:45~10:30) → 中ノ湯(12:40) → 中ノ湯ゲート(13:10)

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