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縦走・湯ノ丸山~高峰高原 一寸出かけるにはいいかも
鈴木 章子

山行日 2018年8月11日~12日
メンバー 鈴木(章)

 今年の酷暑とはっきりしない天気。心の中まで下降気味。現状脱出と思い立っての、また単独行。
 兎に角、青空と涼を求めて出かけてみたが、標高2,000m以上の山々も暑く、強烈な夕立、幸い濡れることはなかったが期待は大きく裏切られた。
 しかし、このルートは、出発前日思い立っても行けるメジャーなコース。お盆休みの真只中でも静かでゆったりとした山行が楽しめるのには驚いた。公共の交通機関は非常に本数が少ないが不便さは感じなかった。
 早朝、ローカル線を繋ぎながら小諸駅9時55分発湯ノ丸行のバスに乗る(佐久平始発、土日とお盆を挟んだ10日間のみ運行、1日2往復)。乗客は私を含め4名。バスも少しローカル、一生懸命坂道を登る姿がまた良い。
 車内の観光案内を聞きながら35分で湯ノ丸に着いた。湯ノ丸高原ホテルでキャンプ場利用の手続きを済ませ、入浴時間も確認後、15分ほど歩いてキャンプ場に着いた。キャンプ場は、貸バンガロー・貸テントもあったが、ほとんどがオートキャンパーで睡眠テントと調理テントを張っていた。
 人目を避け樹林帯の中に小さな小さなマイテントを張り、昼食を済ませ烏帽子岳に向かう。良く踏まれた道で迷うことはない。途中の鞍部が湯ノ丸山への分岐。そのまま30分ほど進むと稜線に出る。多くの登山者とすれ違いながら小烏帽子岳~大烏帽子岳をピストン。しかしながら快晴で高原の爽やかな風の予定は全く裏切られた。出発2時間前には夕立。霧の充満する蒸し暑い中を歩いた。素晴らしい展望は一体どこ?心の中で格闘(雨が降らないだけいいか、天気に文句を言っても・・・)。
 再び鞍部迄戻り、湯ノ丸山に向かう。50分ほどで小石の敷き詰めた丸い丸いハゲ山頂に着いた。時間が遅いのか誰もいない山頂でひと息。雲の切れ間から展望が楽しめるようになってきた。少し気分も登り気味。
 ここまでの道中、見渡せば花・花・花。雪上訓練、山スキーで来たことはあるが、これほど多くの高山植物が有る山だとは知らなかった。ヤナギラン、ハクサンフウロウ、ヤマアザミなどピンクの花が多く咲く山もいいなぁ。花好きな人はぜひ登ってほしい。

ヤナギラン湯ノ丸山山頂

 湯ノ丸山で展望を楽しんだ後はそのままキャンプ場に下るのがお勧め。此処で欲を出し角間峠に向かったのが失敗。展望も15分くらいで終わり、後は湿気の多い笹藪にできた道を下った。峠から牧場ゲートを経て99番観音~車道~湯ノ丸まで戻ったが全く楽しくなかった。大量の水は持っていたが、食料を持ってくるのを忘れたのも原因だろうが。
 ホテルで入浴後、テントの中で食事を済ませ、早々に横になった。キャンプ場の人は多かったが夜遅くまで騒ぐ人はなく、時折、月も顔を出す静かな静かな夜だった。
 翌朝、キャンプ場で一番早起きして出発した。高峰高原発(16:19)~新宿行バスの予約を入れていたので。
 湯ノ丸スキー場から三方ヶ峰方面のルートが工事中でもありわかりづらかった。ルートに乗ってしまえば特に問題もなく斜度の緩い与えられた道を進んだ。しかし、朝から蒸し暑いのはなぜ?2,000mはあるのに。止まらない汗にウンザリ。
 見晴岳は霧のため展望は難しかったが、三方ヶ峰までのコマクサの群生は圧巻。頑丈な保護柵には目を覆いたくなるけれど、コマクサを期待せずにきたので驚きだった。この山域も花は多そうだ。下部に駐車場が有るので一般客も多くなってきたが、眼下に広がる池の平湿原散策もきっと素晴らしいだろう。湿原の木道を歩いて駐車場へ向かう。
 駐車場で休憩をして篭ノ登山登山口~東篭ノ登山山頂で一休み。西篭ノ登山に登るべきか思案中の時、高齢の男性が近づいてきて
 「池の平湿原は何処ですか?」
 さすがの私も唖然、「登山口が180°反対ですよ。」
 男性は同行の女性と登ってきた道を下って行った。
東篭ノ登山山頂  結局、西篭ノ登山は諦めて水ノ塔山に向かった。水ノ塔山は狭い山頂で特に魅力は感じなかったが、高峰高原からこの山目指して登ってくる高齢の団体が見下ろせた。彼らはうぐいす展望台で終了とか。水ノ塔山~うぐいす展望台までは岩稜帯で歩き難いので賢明な判断かも。
 高峰温泉には予定より早く着いたが、宿の人は非常に対応が良く休憩場所を提供してくれた。宿泊と日帰りの浴室は別になっている。日帰り用の浴室は狭かったが、温泉は1日の疲れを取るには充分だった。この宿は安くはないがリピーターも多いことを知った。
 15時頃夕立があり気温は一気に下がった。防寒着をもっていかなかったので、宿内で時間を過ごした。食事はできないがお茶は飲み放題。発車時刻が近くなるとバスに宿の人が荷物を運んでくれたのでそのまま乗車。バスは佐久平経由で新宿バスタへ、ゆっくり車内で休んだ。

〈コースタイム〉
【8月11日】 小諸駅=湯ノ丸 → キャンプ場(12:00) → 鞍部(12:45) → 小烏帽子岳(13:15) → 大烏帽子岳(13:25) → 鞍部(14:20) → 湯ノ丸山(15:00) → 角間峠(15:55) → 牧場ゲート(16:05) → 99番観音(17:00) → 湯ノ丸ホテル(17:40)(入浴) → キャンプ場
【8月12日】 キャンプ場 → 湯ノ丸ホテル(6:55) → 三方ヶ峰分岐(7:15) → 見晴岳(8:30) → 三方ヶ峰(8:55) → 駐車場(9:40) → 篭ノ山登山口(9:50) → 東篭ノ登山(10:30~11:00) → 水ノ塔山(11:45~11:55) → 高峰高原(12:55)=新宿

〈諸費用〉
高峰高原=新宿バスタ   ¥3,100
小諸駅=湯ノ丸      ¥1,080
キャンプ場利用料+テント代 ¥1090
入浴料 湯ノ丸       ¥650
(キャンプ場利用者¥100引)
高峰高原          ¥500


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