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沢登り・仙ノ倉谷東ゼン
山蔦 隆宏

山行日 2018年7月21日~22日
メンバー (L)山蔦、齊藤(慈)、野畑

 今年の夏は暑い!とにかく暑い。沢の当たり年か?昨年雨に祟られて続けてついたあだ名は雨蔦万太郎!汚名返上の沢となるかどうかニシゼン、ヒガシゼンを計画して齊藤、野畑の三人で谷川連峰に入りました。
基本、真ん中を選びます  さて、いつものドッタルステーションホテルを始発到着のころ出て毛渡沢沿いの林道を齊藤車で林道終点までワープ。積雪期には出来ない荒業だ。その上、幕場の群大前に酒をはじめ宴会セットはデポ。ビバーク装備で快調に入渓点の渡渉点を目指した。今にも入渓点、とその時出ました。出ました月の輪熊!その距離2メートル!嘘です、10メートルぐらいでしょうか雨蔦さんは初めてのご対面でした。こちらに気付くと熊は右手の藪に消えていきました。我々がそこから笛を吹いたり声を出したりしてビビりながら進んだことは言うまでもありません。
 程なく渡渉点につき、水の好きな雨蔦さんは釜も、小滝もど真ん中を選んで頭から突っ込みました。44歳、中年オヤジがやることでしょうか?でも楽しいんですから仕方がないんです。
 水遊びを小一時間、ニシゼンとヒガシゼンの出合に着きます。1:1、ニシゼンの大きな大きなスラブが良く見えましたが今日は東。
 ガイド本にもあるナメの連瀑帯を越え、左岸に中ゼンのスラブを見送ると大滝登場。
 全体に真っすぐな沢なので手前から見え、登攀意欲をそそられます。右壁はあまりに容易な草付きでその少し左に取り付きたくなるクラックがありました。ホールドが豊富に見えたのでやってみましたがツルツルで全くダメ。すごすごと草付きからやり直しました。最初からムリムリ!と言っていたヒガシゼン2度目の齊藤氏に座布団一枚。

ハイライト 大滝

 バンドを左上、残置支点でピッチを切りました。セカンドはノバちゃん、ラスト齊藤氏。2ピッチ目は齊藤氏トップで15mほど、1ピッチ目の支点から一度右に出てから上がりました。コールもしっかり届くので安心です。その後は快適で簡単な10m前後の滝をいくつか何ということもなくこなしていくと見えました。あれは国境稜線。あれが見えれば踏み跡も地形図もコンパスも要りません。クマザサを軽く15分ほど漕ぐと平標と仙ノ倉の鞍部に到着です。
 沢が終わり、水が無くなり、44歳、雨蔦さんはここでオーバーヒート。疲れちゃいました。結構暑かったので軽い脱水症状だったかもしれません。早々と明日のニシゼンを止めて今晩の宴会を楽しむことに転進です。なぜか元気な仲間の2人に宴会準備をお願いして先に降りてもらいゆっくり、ゆっくり降りました。
 その晩はデポしておいた宴会セットでいつもの焚火。酔っぱらってコックリ、コックリ気づいたら岩の上で一人で寝てました。人生の至福極まれり。このゆるーいところが何度やってもいいですね。ニシは来年行きます。

下山路 平標新道一晩あけた齊藤氏、ブヨかな?

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