トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ358号目次

沢登り・清津川釜川右俣
古屋 純

山行日 2018年8月4日~5日
メンバー (L)古屋、内田、荻原、澤野

 ゴルジュと滝が連続し、遡行者を飽きさせない。泳ぎを交えた滝群の突破、遡行技術を総動員...、そんな感じでトポに載っていた。沢を詰めた後は高層湿原のおまけ付き。これは行くしかない。今シーズン行く沢として自分の中で早々に確定した。
 ちょうど例会山行計画募集中にうっちーから面白い沢見つけたよと連絡があったと思ったら、この沢だった。決行確定。荻原さん、澤野さん、先輩2人も参加となり、気合も入る。
 道の駅 南魚沼で仮眠後、林道ゲートまで車で移動する。最後は未舗装路となるが、普通の車なら問題ないだろう。ゲート手前の左に延びる道を10分程辿れば入渓点の取水堤。はじめは巨岩帯、続くキレイな瀞を左岸につけられた道から快適に高巻くと左俣との二俣。
 ここからはゴルジュ帯となり、水と戯れながらの溯行となる。4mCS滝は右から上がってから落ち口にトラバースして越える。滑りそうでいやらしく見えるが問題ない。2条5mCS滝は左岸から高巻き後、懸垂で沢に降りる。水の中をへつって5m滝に取付き左から越えると、20mの瀞で本日初の泳ぎとなる。その後もへつりや、泳ぎ、突っ張りを交えながら進む。全身で自然と遊んでいる感じがとても楽しい。前方に大スラブが見えると、いよいよ三ツ釜大滝が姿を現す。記念写真を撮った後、左岸のリッジ状を登ってブッシュに入り、ヤド沢を渡ってテラスに降りる。下からの景色も圧巻だったが、上からの景色もスケールが大きく見事だ。釜は想像以上に深く、飛び込んだり、泳いだり、ウォータースライダー(ちょっと怖い)で遊んだりして、1時間近く大滝を満喫する。

20m瀞を泳いで突破オギザイル!?

 三ツ釜上は穏やかな明るいナメ滝と釜が続き、再びゴルジュ帯となる。6m二段の滝は右岸のルンゼから、8m滝はロープを出して水流左脇を登る。この先は瀞や滝が連続するが、フリクションもよく、へつりも泳ぎも特に問題ない。清水沢出合手前の12m滝は右岸から高巻く。ホールドスタンスは豊富だが、岩が不安定なのでロープを出す。懸垂で沢に降りるとすぐに出合となる。
 しばらく行くと沢幅が狭くなり、胸まで浸かりながら進むと大釜をもった2条12m滝。ここは左から簡単に越えられるが、せっかくなので右壁からバンドを左上して滝を潜り、左の水流沿いをシャワーで直登した。ズブ濡れでちょっと寒いが爽快。すぐに橋を架けた林道となり、時間もちょうどよいので予定通り幕場とした。

自然の造形が美しい三ツ釜大滝橋の下が幕場

 翌朝、幕場を7時に出発。当初の計画では本流の横沢左俣を詰める予定だったが、皆初日でだいぶ満足してしまったようなので、行程の短い右俣を詰めることにした。しばらく行くと三段25m滝。右手にトラロープが垂れているが巻き道だろう。一、二段目は容易だが、三段目がちょっといやらしい。途中ハーケンを一枚打ち、なんとか越える。すぐに横沢の二俣となり右に入る。さらに奥の二俣を右に入ると、三段50m大滝がどーんと現れる。一段目は右から、二、三段目は左から。易しいが少し滑っているのと高さがあるので念の為ロープを出す。あとは沢を詰めれば登山道に出るはずなのだが...なかなか出てこない!?稜線に登山道があると思っていたが、よくよく地形図を見るとどうもそうではないらしい...どうやら気づかず通り過ぎてしまったようなので注意しながら来た道を戻ると、ありました。これは注意してないと分からないかも。小松原小屋で装備を解き、一本とる。青空と湿原を渡る風が心地よい。広々とした小松原湿原に癒され、一路帰京の途についた。

25m滝三段目小松原湿原にて
〈コースタイム〉
【8月4日】 林道ゲート(7:30) → 取水口(7:40) → 二俣(8:30) → 三ツ釜大滝(10:30~11:30) → 清水沢出合(14:30) → 林道(16:10)
【8月5日】 林道(7:00) → 二俣(9:50) → 登山道(11:40) → 小松原小屋(11:55~12:25) → 林道(14:00) → 林道ゲート(15:20)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ358号目次