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沢登り・大滝沢マスキ嵐沢
平田 淳

山行日 2018年6月23日
メンバー (L)齋藤(慈)、竹中、千葉(快)、野畑、平田

マスキ嵐沢 入渓標識  午後から雨予報というだけあって、どんよりとした黒い雲が立ち込める中、7:15小田急線新松田駅で集合。コンビニに立ち寄り行動食などを購入後、丹沢湖方面から北上し、大滝橋バス停のすぐ先の左側の林道へ。大滝沢沿いに林道を進むとゲートがあり、車5台ほど駐車が可能なスペースがある。先客があったものの、空いているスペースに駐車。準備を整え、畦ヶ丸への東海自然歩道の一部にもなっている林道を進む。30分ほどすると、マスキ嵐沢の標識が立っていた。ここで沢装備を準備して入渓。
 入渓後、しばらく進むと小滝とナメ床が交互に現れた。いくつかの小滝を越え、ナメ状の美しい渓相が40分ほど続いたあと、右側に大岩があるF1-3mの小滝。初めての沢のため、そろりそろりと歩みを進め直登する。おっかなびっくりのため、目線はずっと足元だったが、その足元の水面はいつのまにか晴れ渡り顔を出していた太陽の木洩れ日に照らされ、なんともまばゆい。川床が白いだけに、キラキラと輝きを放ちながら柔らかく流れ落ちる様は本当に綺麗で、見入ってしまった。滝上は一枚岩のナメ。
マスキ嵐沢F2 トイ状の滝  次はF2-10mほどのトイ状滝。ここで流れの中に足を入れた方が登りやすいことを教えてもらう。
 確かに登りやすいと感心しながら登り切り、右に大きく曲がるとF3-2段15mスラブ滝が目の前に現れた。見上げるとそれなりに傾斜があるように見え、足が竦む。ロープを出してもらい右壁ルートを登るも、2段目にたどり着くのに四苦八苦。2段目からは左壁にルートを取り、なんとか滝上に。いつか気持ちいいと心から楽しめるようになりたいとつくづく思う。
 滝上はスラブのナメ床になり、その先にF4-8mの滝。F4は左壁の3分の1が三角形の一枚岩になっているため、ここもロープを出してもらい右壁を慎重に登る。
 F5は6m。少しヌメリがあったが、ここはロープなしで右から登る。2mの小滝とナメを進むと途端に水量が減り、二俣を右手へ。
 F6-5m、F7-10mは共に涸滝。F6は直登するしかないが、階段状になっているので比較的簡単に登ることができた。一方、F7は同じように階段状で登れそうにみえたが、高度があり初心者の私には厳しいと判断。右から巻いた。
 F7を超えると稜線を目指して登るのみ。細い尾根を急登していく。鹿柵が見えた辺りから傾斜が弱まるも、早いペースにヒイヒイ言いながら、権現山の山頂に到着。

マスキ嵐沢F3 楽しむ余裕がなかったスラブ滝鬼石沢F4 綺麗な花崗岩のナメ滝

 下りは鬼石沢を降下。鹿柵まで戻り、鹿柵沿いの踏み跡を鬼石沢へ向かって降りていく。
 F4は花崗岩のナメ滝。この辺りで雨が降り始めた。
 F4からF3までは水の流れていないナメや石積堰堤、乾いた砂地など潤いが乏しい中を下る。
 石積堰堤は巻かずに敢えて懸垂下降を行う。
 F3-15mは滝上の右側の木をビレーポイントにして下った。細く頼りない木に見えたが、腕ぐらいの太さの幹があれば問題なしとのことだった。F3の釜はこの日の釜の中で最も美しいエメラルドグリーン。雨が降っている時でさえこんなに美しいのであれば、晴れている時はさらに澄み切った汚れのない美しさなのだろう。
 F2-10mはロープなしで右側を巻き気味に下る。
 F1を下ると河原歩き。さらに下り一軒屋避難小屋に到着。避難小屋に到着した頃にはさらに激しく雨が降り、寒さに震えながら駐車場まで戻った。

〈コースタイム〉
大滝橋駐車場(8:08) → マスキ嵐沢入渓ポイント(8:30~8:42) → 二俣(11:12) → 権現山(11:50~12:20) → 鬼石沢(12:50) → 一軒屋避難小屋(15:04~15:10) → 大滝橋駐車場(15:47)


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