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沢登り・伊藤新道~竹村新道
清水 三枝子

山行日 2018年10月6日~8日
メンバー (L)古屋、千葉(快)、早川、清水

 宮田新道から伊藤新道の計画でしたが、2日目の台風通過の予報により伊藤新道から入り竹村新道の沢登りと縦走をまじえた山行になりました。

【10月6日 曇り時々晴れ、夜に台風通過による雨と強風】
 前夜発、1時間30分の仮眠で七倉に向かう。タクシーで高瀬ダムに向かい湯俣温泉までほぼ平坦な道を歩く。約2時間30分で到着。晴嵐荘へのつり橋が流されていて、石を伝って渡れるらしいが水量が多く石が全く見えない。途中竹村新道へ向かうパーティーと会ったが引き返した理由が判明した。
 沢装備に替え入渓すると、まもなく硫黄の匂いが漂い噴湯丘が出現する。恐る恐る触ると・・・熱くない!周りの石灰石はピンク色で綺麗。
墳湯丘と  湯俣川の流れは強くて水量も多く古屋さんとスクラム徒渉をするが、清水は初めての経験で緊張する。振り返ると快晴さん早川さんは仲良く楽しんでいるみたい。途中4人で輪になって徒渉したり、深い場所は古屋さんが泳いで渡り、ザックを浮き輪にして渡る場面もあった。
仲良く徒渉  硫黄尾根方面の荒涼とした風景と対岸の紅葉の景色が素晴らしい。所々沢沿いより1段高い場所にかつての伊藤新道の面影もありました。第2つり橋跡付近が特に崩壊していて、足元が崩れるザレた場所はロープを出してトラバースした。
 有名な第3つり橋跡を確認し先を進むが、時間も押していて幕場予定の赤沢出合いまでは時間的に無理と判断し、泊まれそうな場所をさがしながら進む。第4つり橋跡付近のワリモ沢出合いに格好の砂地があり、快晴さんが主に整備し(千葉ビーチと命名)幕場とした。ワリモ沢への水汲み中に全員のプラティパスを流してしまうハプニング?もあったが、焚き火を囲んで楽しく夜を過ごす。

【10月7日】 薄曇り
 台風の影響で一晩中雨風強く、何度かテントが飛ばされそうな風が吹いたが、朝には収まっていた。沢沿いは昨日より歩きやすく快調に進み、第5つり橋跡を確認すると湯俣川から離れ、茶屋と呼ばれる台地は枯れた枝沢を詰める。少しの藪こぎで踏み跡に合流し、白い敷石がある茶屋に到着する。ここから伊藤新道を見下ろす景色は素晴らしいです。
紅葉と伊藤新道  踏み跡をたどりながら赤沢を徒渉し急登を登り展望台に到着する。名前通り硫黄尾根の眺めが良い。展望台からは整備された登山道を順調に歩き、13時前に三俣山荘に到着。山荘受付時に伊藤新道から来たのを告げると大変驚かれた。9月に雨が多かった影響で小屋の人も途中までしか行っていないとの事でした。テント設営後小屋で昼食を摂りのんびりし、夕食後は食堂でスライドショーを見ながら小屋の方と歓談する。

紅葉と伊藤新道 【10月8日】 晴天
 3,000mの幕場は寒く、外に出していた沢靴は凍っていた。今日は竹村新道を下るだけだが、コースタイムが長く(12時間)七倉のゲートの時間も考慮して4時30分に出発する。
 黒部源流の碑へ下るが、所々岩や木道が凍っていて慎重に歩く。3日目になり清水の足取りが重く遅れ始める。岩苔乗越到着後3人に荷物を振り分けてもらう。申し訳ない。
 水晶小屋をすぎ真砂分岐に到着。竹村新道は橋流失による通行止めだが承知の上進む。
竹村新道を下る  清水の歩くペースが中々上がらないが、真砂岳、湯俣岳と続き12時すぎに晴嵐荘に到着。湯俣川の水量が2日前より少なく、たぶん30~40cmは下がっているのでは?橋の代わりの石が現れている。濡れずに対岸に渡り、後はダムまでの平坦な道を歩くだけ。するとタクシーへの連絡の為に早川さんが走って行った!ダムに到着するとタクシーがすでに待機していて無事七倉に戻る。
 古屋リーダーはじめ参加者の皆様、3日間ありがとうございました。

〈コースタイム〉
【10月6日】 高瀬ダム(6:30) → 湯俣温泉(9:05) → 噴湯丘(10:00) → 第1つり橋跡(11:30) → 第3つり橋跡(14:25) → ワリモ沢出合い(15:10)
【10月7日】 ワリモ沢出合い(6:30) → 茶屋1,800m(8:15) → 展望台2,116m(10:00) → 庭園(11:45) → 三俣山荘(12:45)
【10月8日】 三俣山荘(4:30) → 岩苔乗越(5:50) → 水晶小屋(6:40) → 湯俣岳(10:15) → 湯俣温泉(12:00) → 高瀬ダム(15:05)

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