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岩登り・伊豆クライミング(城山・城ヶ崎)
荻原 健一

山行日 2019年3月9日~10日
メンバー (L)荻原、澤野、内田、青木、深谷、眞鶴

 この例会は三宅島クライミングのプレ企画として計画したものだが、先週の瑞浪クライミングに引き続き三峰の有史以来の?フリークライミングブームの到来を説明するのに丁度良いかと思い記録に残すことにした。

【3月9日】
 まずは城山へ。ここのところ土曜に城山、夕方に修善寺温泉、夜は近くの河原でテント宴会、日曜に城ヶ崎というのが週末の定番コースとなっている。城山はいつもの南壁へ。ここももう何回通ったか?私は1月下旬から宿題になっている"ハートルート"(5.11a)へ。2週間前に行ったときは4便出したが、全てワンテンだった。アップはヌン掛けとして、ホールドとムーブを再確認。1便目か2便目が勝負と思って深呼吸してまずは1便目。ビレーヤーは2週間前にRPに成功している澤野さん。上部の核心部も余裕を持ってクリア、今回は1発でRPに成功し澤野さんと固い握手。このルートは菊池敏之著の「新版:関東周辺の岩場」によれば、日本で最も初期の5.11のルート(81年、戸田直樹)とのことで、私にとっては嬉しい1本となった。
 あっという間に今日の目的を果たしてしまったので、もう一つの宿題"エキスカーション"(マルチ、6P、10c)へ、うっちーをお誘いしてトライすることにする。このルートは2年前に強風の為、3P終了点で敗退しているのだ。1P目はうっちーリード。"ホームボーイ"(5.7)より登り始める。2P目(5.10b)は私がリードするが、手も足もそこそこホールドがあるにも関わらず上手くムーブを組み立てられなくてテンションを掛けながらのトップアウトとなってしまった。ここはハートルートの疲れが残っていた?ということにしておこう!3P目(5.10c)も私がリード。このスラブのピッチがエキスカーションの核心ピッチである。もの凄く難しいところは無いのだが、まぁまぁ難しいのがずっと続く感じで精神的にじわじわやられてくる感じ。体感的には先日RPした南壁の"スクールゾーン"(5.10c)と同程度というところか?終了点手前の最後のピンにヌンチャクとロープを掛けたところで疲れてしまいテンション。ふと上を見ると後は簡単なクライミング数メートルで終了点だったので勿体ないことをしたが、まぁこれも実力なのだろう。4P目(5.9)はうっちーリード、安定したスラブの登りで終了点へ。なかなか頼もしいパートナーになったものだ。っていうか、もう私よりも登れるかも?5P目(5.10a)は私、このピッチは三日月ハングをフリーで越えるのだが、ホールドだらけでとても簡単に感じた。フィナーレの6P目(5.9)を、うっちーがさっさと登ってエキスカーションを見事完登だ!途中テンションも掛けてしまったが、全てフリームーブで登れたので私的には大満足。2年前に3P目のリードをA0しまくりで登ったことを考えれば、この年になっても少しずつではあるが成長を実感出来たことにフリーの楽しさを再認識した。降りてくると眞鶴くんが"ハートルート"(5.11a)を見事RP、澤野さんが"スクールゾーン"(5.10c)をRP、青木さんとうっちーが"ロング・グッドバイ"(5.10b)をRPとRP祭りになっていた。やはり有史以来の空前のフリーブームは本当だったのだ。
 この後はいつもの修善寺温泉と夜の河原テントで大宴会。

【3月10日】
 今日は城ヶ崎の音次郎エリアへ。"塩辛"(5.9)と"届け指先"(5.10b)に私がロープを張り、"ハバネロ"(5.10a)に眞鶴君がロープを張る。一通り皆が登った後にいよいよ今日のメインディッシュの"音次郎ハング"(5.11a)へトライ!と、いってもクラックのイレブンのリードは敷居が高いので上から回り込んでTRとする。前回来た時はやはりTRでトップアウトしているのだが、核心のハングを越えた後にパンプしてワンテンしてしまっているのだ。今回の目標はノーテンでトップアウトすること。1回目のトライはホールドもムーブも完全に忘れていて全然ダメ。しっかり休んでから2回目のトライで無事にノーテントップアウトに成功した。TRで登っても登ったことにならないのがフリーの世界だが、私のクラックのTRで登った最高グレードが小川山の"クレイジージャム"(5.10d)なので一応TRグレードは更新。しかも5.11台ということで私的には大満足の1本となった。
 さぁ来週は三宅島クライミングトリップ。まだまだこの楽しい世界から当分足を洗えなさそうだ。


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