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山スキー・ニセコ
さとうあきら

山行日 2019年3月21日~24日
メンバー (L)佐藤、清水、箭内、成田

 今シーズンの三峰の山スキーはチト贅沢だ。毎月北海道スキー例会が企画されており、そこそこの人数が飛行機で北海道の山岳スキーと温泉を楽しんでいる。1月は旭岳、2月の十勝岳に続き3月はこちらニセコでの例会だ。

 3月21日、春分の日。金曜休暇の4連休にした人々で早朝の羽田空港は激混み状態だ。荷物預けカウンターは長蛇の列で、これは飛行機乗り遅れかとも心配したが、出発間際の乗客用の優先受付に救われ、ギリギリでLCC便に乗り込む。同便には今回のパーティ4名全員が搭乗しているが席はバラバラ。新千歳空港でやっと全員との顔合わせとなった。清水さんは早朝便が家からでは間に合わないとのことで羽田空港付近に前夜泊。また成田さんは朝4時のバスに乗ったとのこと。早朝便は廉価なのはありがたいが、乗るまでの苦労も多い。
 新千歳空港でレンタカーを借り一路倶知安へ。ここの大きなスーパーで3泊分の食材を調達した。やはり北海道の味、ジンギスカンは外せません。
 本日の行動として、当初はまずアンヌプリ山頂下までリフトで登り、山頂から北斜面を下って宿の五色温泉に滑り込む計画でいたものの、山頂ゲートの開放終了時刻の2時半にはギリギリなことが判明し、そのままクルマで五色温泉へ向かった。到着後早速旅館の裏山を滑るが雪質も良好で短いながらも楽しめた。

五色温泉上部の斜面にて五色温泉旅館を望む

 今回の五色温泉の宿泊は自炊棟。キッチンも広くテーブルも連日自分たちで独占だ。また専用の露天風呂もあり、かけ流しの熱い湯が24時間ドボドボと流れ込んでいるのがなかなかよろしい。部屋も12畳位と広々で予想外に快適そのものだった。

 翌3月22日はチセヌプリスキー場からシャクナゲ岳を目指すことにした。このチセヌプリスキー場は外国人が地元蘭越町から営業権を購入してキャットを運行しており、一般山スキーヤーに対し旧ゲレンデ内の通行禁止を主張している。我々は地域に詳しい清水嬢のガイドで圧雪された旧ゲレンデ内そのままを登ったが、営業前だったためか特にトラブルはなかった。
 旧ゲレンデ前の駐車場発7:15。1時間ほど登り廃線リフトトップに到着するも風雪が強く行先の山は見えない。それでも30分ほどGPSの助けを借りながら進むが視界はさらに悪化の一方である。チセヌプリとシャクナゲ岳コル手前の大木のそばでツエルトをかぶって30分ほど天候回復を待つも好天の兆しは見られなかったため往路を下山した。
 その後男性陣は雪秩父の露天風呂へ。おおお、素晴らしい白濁の硫黄泉だった。一方元気一杯の清水譲はひとりアンヌプリスキー場内滑走を楽しんだ模様だったが、強風でゴンドラが止まりがちだったとのこと。

悪天でチセヌプリスキー場に戻った雪秩父の露天風呂は最高

 3月23日、今日は羊蹄山への遠征だ。車で40分ほど走り真狩登山口に到着。7:30にシールを付けて歩き出し、先行するガイドグループを追った。前夜は10㎝位の新雪があったが、その下はカリカリのアイスバーン。クトー必須の登りを3時間ほど耐え、標高1,220mまで登ったところから滑降を開始した。これがすこぶる快適なのだ。新雪はとても軽く、その下のバーンは硬いも平滑なのでターンも快適に決まる。途中休みをはさみ1時間ほどでクルマに滑り下り、さすがの北海道での充実の滑りに感激だった。

羊蹄山への登り、表面カリカリでシールが滑る豪快な羊蹄山での滑り
羊蹄山の最高の滑りで皆さんご満悦羊蹄山を振り返る

羊蹄山を振り返る  最終日の3月24日も天候は良くない。スキー場最上部のアンヌプリ頂上ゲートが開かないことを懸念し、五色温泉から直接西尾根沿いにアンヌプリ頂上を目指した。7:50分出発。昨夜の新雪は約20㎝。その下はカリカリのアイスバーンだ。昨日の羊蹄山以上に悪い登りで、シールが滑ってなかなか登れない。そのうちに視界も悪化し強風が吹きすさぶようになったため、10時過ぎに標高1,100m付近から五色温泉に滑り下った。幸いにも厳冬期のような軽い雪質でなかなか楽しい。
 その後は五色温泉の裏山を同宿のボード組と一緒に1本滑り、宿の風呂で汗をながしてから新千歳空港への帰途に付いた。
 陽光あふれる春スキーを期待していたのだが、連日厳冬期のような天候で残念だった。反面、そこそこ良い雪にも恵まれ遠路行った価値のある山行だった。また来ようね、が今回の皆の合言葉になった。


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