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沢登り・黒薙川北又谷
荻原 健一

山行日  2019年8月10日~14日
メンバー (L)荻原、古屋、永岡、内田、澤野

 黒部川の最大支流である黒薙川にあって豪渓として名高い柳又谷と並び称される北又谷(きたまただん)にトライして来た。北又ダム建設後の入渓方法は小川温泉から北又林道を歩きかタクシーで越道峠へ行き、峠から踏み跡を辿って1,030m鞍部へ。鞍部から北又谷本谷へ繋がる支流を降りるのが一般的だ。一方で上流部のルートとしてはいくつかの選択肢が考えられる。最もポピュラーなのが、①黒岩谷から中俣新道または朝日岳経由北又小屋、合理的な周遊ルートとしては②吹沢谷から北又乗越を経て相又谷か尾安谷を下降、そしてあくまで本流を最後まで詰めあげる③カナホリ谷から犬ヶ岳などがよくトレースされている。我々は予備日をたっぷりとって完全遡行となる③のルートを狙ったが、結果的には①のルートで生きて帰ってくるのが精一杯であった。天気や水量も含めてコンディションには恵まれたが、想定を遥かに上回る厳しい沢であり、気力・体力が日増しに削られていくような困難な遡行となった。

【8月10日】
魚止滝  前夜21:00に東所沢駅に集合。車で関越道、上信越道を走り、今夜(今朝?)は名立谷浜SAにて仮眠。そこから朝日ICを経て小川温泉元湯駐車場へ。8:00に待ち合わせしていた黒東タクシーに乗り換え8:30に越道峠に到着。ここから踏み跡を辿って1,030m鞍部で踏み跡を離れ、北又谷へ通じる支流の沢を下りていく。約2時間で無事に北又谷に降り立つことが出来た。入渓後すぐに魚止滝がその姿を現す。以前の集中豪雨でずいぶんと埋まってしまい小振りになったというが、それから20年くらい経っており滝の高さはだいぶ復活したと思われ、近づくと物凄い迫力だ。

大釜淵大釜淵(滝上から)  まずは釜を泳いで取付き、滝の左岸をトラバース気味に登るがホールドが細かい。トラバースなのでリードは落ちれば激流で洗濯機状態になっている下の釜に落ちることになり、なかなか緊張する。気休めにハーケンを2本打ってなんとか登り切り、後続を迎える。いきなり北又谷の洗礼を受けた気がした。
 滝上も激流が続き飛び込み徒渉などで少しずつ進んでいく。次は数多の人命を飲み込んできた大釜淵だ。

又右衛門滝  ここは、泳ぎなら任せろ!のKGが率先してトップで行く。滝下までは水流の流れに乗ってほぼ泳がなくても自然に行けてしまう。しかし水流が強いと滝下のリッジに取りつけず、そのまま水中に引き込まれてしまうので、いざとなったらすぐにKGを引き上げられるようロープを持つ手に力が入る。今回はそれほど水流が強くなかったようで、すんなりリッジに取り付くことが出来て、水中からの這い上がりも足場があったので簡単に上がることが出来た。この先すぐで恵振谷出合となり、目の前は又右衛門滝となっている。この滝は通常直登できず大高巻きとなるので本日はここまでとする。薪は豊富で盛大に焚き火をしていつもの楽しい宴会へと突入する。

【8月11日】
 今日は出来ればというか、あわよくば黒岩谷出合まで行けたらいいなー等と淡い期待を持って出発する。まずは又右衛門滝の大高巻きから開始する。左岸のリッジから登るが朝一からなかなかの急登でいきなり気合いが入る。最初は踏み跡がはっきりしているが、そのうち不明瞭になってくるので適当なところからトラバースに入り目処を付けて50mダブルで懸垂する。ロープ残り5mくらいで沢床に着地出来た。今日の核心は越えたかと思ってほっと一息も束の間、ここから先のゴルジュは一筋縄では行かない滝の登攀やトラバース、長瀞の泳ぎや激流の徒渉が連続し、とにかく全然進まない。
 結局今日は一日かかって距離にして300mくらいしか進めず、予定の半分以下であるミズカミ谷出合手前の河原までとなった。恐るべし北又谷!しかし今日の幕場もとっても平和で焚き火も盛大、澤野さんのおかげで岩魚のフライにもありつけ、愉快な仲間達との楽しい夜が過ぎていく。

急流の長淵北又谷の恵み

【8月12日】
 今日も6時に出発。行程の消化ペースは遅いが、天気もメンバーの体調も良く気分はとっても明るい。出だしの中瀞を簡単な泳ぎで突破するとゴルジュと言っても昨日とは比べ物にならないほど平和なゴルジュを順調に進んでいく。左岸から忠右衛門谷が入ってきたところでトラブル発生。メンバーの一人が乗った大きな流木が崩れ、流木ごと水の中に滑落。大事故に繋がるような落ち方であったが、幸い足の打撲のみで済んだ。気分が落ち着いたところで多少の荷分けをして再出発。痛みはあるようだが、頑張ってこの後も歩いてくれた。すぐに白金沢を分けると白金滝が行く手を阻む。ここは定石通り右壁を登る。難しいとあったが、空身で登れば問題ない。しばらくで漏斗谷出合だ。この支流は水量が多くここを過ぎると北又谷本流の水量もぐっと少なくなる。ずいぶんと気が楽になったので釣りタイムへと突入。澤野、古屋両名の活躍で岩魚のなめろう(日本酒付き!)にありつくことも出来てとっても幸せ。このペースで行けば早い時間帯に黒岩谷出合に着いて釣り三昧、宴会三昧だなーとこの時は本気で思っていた。
漏斗谷出合のなめろう祭り(日本酒付き!)三段の滝  たっぷり休んでようやく重い腰をあげて出発。すぐ先の長持淵はなんなく通過。三段の滝でも余裕の釣りタイムを取る。
 この滝は予定通り左岸より巻くがここからいろいろなことが狂ってくる。しばらくは踏み跡があるがすぐに消えてしまいルート取りに右往左往する。一旦左岸のルンゼに懸垂で降りて登り返し最後は50mダブルで無事に沢に戻ることが出来たが、だいぶ時間を食ってしまった。更にその先の小さな滝の突破が難しくここでも時間がかかってしまう。ここをハーケンとカムの人工で何とか突破すると、あとは黒岩谷出合まで歩くだけ。思ったよりぎりぎりになってしまったのであんまり遊べないなー等とぶつぶつ考えながら歩いていると今度は見たこともないような巨大な雪渓が行く手を阻む。雪渓から手前100mくらいは不気味なガスが立ち込めていて前がよく見えない。
 雪渓の入り口まで来るが中は真っ暗。ヘッデンをつけて潜ろうとするがガスが立ち込めており視界はほぼ0m。何百mあるか分からない雪渓の中を足元も見えないような視界の条件で入るのはあまりにも危険なため、メンバーと相談して高巻くことにする。左岸のルンゼから高巻くがだんだん傾斜が増してくる。空身と荷揚げで突破したあたりでようやくトラバース出来る傾斜が出てきたのでここから巻きに入る。時刻は18時を過ぎており最低限の水を汲んで高巻き途中でセルフビレーしながらのビバークを覚悟する。幸いルート取りが上手くいき最後は50mダブルで無事に沢に戻ることが出来た。時刻は既に19時近くになっており、歩けるのもせいぜいあと5分程度か?足早に進むと大きな釜を持った3m滝に出合う。壁は被り気味でとてもザックを持って登れるような代物ではない。あたりも暗くなり始めている。万事休す!ということで今日はこの手前でビバークすることにする。タープは張れないが、焚き火も宴会も出来る。空は一面の星空でペルセデウス流星群が綺麗な、素敵な夜だった。

妖気を帯びた雪渓が立ちはだかる

【8月13日】
 連日の強行軍でメンバーにも疲れが出始めている。黒岩谷出合で遡行を終了してこれを詰めて稜線に出る選択肢も匂わせながら、自分自身も決心がつかぬまま出発する。まずは昨日越えられなかった3m滝だがやはり右壁の直登は厳しそうだ。あとで記録を読み返すとここは右壁に空身で取付き左にトラバースした後に直上するルートをとっているパーティーが多かったが、このときは知らなかったので左岸からの小さな高巻きルートを選択する。しかし下から見たときよりも実際は傾斜が立っており足場も岩っぽくて滑りまくるのでとても行ける感じがしない。一旦戻って右壁の取付きまで見に行く。最初の一歩をショルダーで上がれば後は空身なら行けそうだ。
 結局多くのパーティーが取っている左にトラバースするルートには気づかなかったが、無事に直上で突破して後続を迎え入れる。これを越えるとすぐに黒岩谷出合だ。ようやくといったところか...。
 残りの予備日を含めた日数、台風の状況、メンバーの体力や怪我を含むダメージの状況等々、諸々の事情を考慮して最終的にリーダー判断で最短ルートである黒岩谷から稜線へ上がるルートを選択する。
 黒岩谷はとにかく良く滑るが危ないところは何一つなく平和な時間が過ぎていく。思った以上の時間をかけて稜線に上がるとそこは桃源郷のような湿原で、あーこれで北又谷も終わりだな。全員五体満足で生きて帰ってこれて良かった!!と満足感と達成感で感無量となる。

黒岩谷出合手前の3m滝黒岩谷出合にて

詰めあげた桃源郷  しばらく湿原で皆死んだように横たわって充実感に浸っていたが、今日は出来ればこのまま下山して民宿に泊まって盛大な打ち上げをしたい!ということで疲れた体に鞭打って黒岩山から中俣新道の下りに入る。
 道は結構荒れていて、時たま不明瞭となって道を外すこともあるような悪路である。またマムシ天国でもあるので先頭は結構怖い。標高を下げるに伴って気温は上昇、複数名に軽い熱中症の症状が出始めるが、それでも登山道終点となる中俣小屋に無事到着する。ここから少々下ると川原沿いの林道に出るが、ここからのアブ地獄は想像を絶するものがあった。一番熱中症の症状が重かったメンバーは林道に出た途端、横になってしまったがアブ地獄の一番の犠牲者になってしまい気力、体力ともに満身創痍の状況になってしまった。古屋くんが河原に降りて水を汲んできてくれたおかげでなんとか回復し、日が沈んで気温が多少下がったのとアブがいなくなったことも幸いして無事に歩けるまでになった。すると今度は別のメンバーがふくらはぎに肉離れを起こしてしまい、パーティー自体が満身創痍になってしまった・・・。
 でも大丈夫なのです!夜はアブがいないのでメンバーはこんな状況でも明るく冷静。鬼の居ぬ間ならぬアブの居ぬ間にと夜通し林道を歩くことに決めました。怪我したメンバーは杖を付きながら空身でゆっくり少しずつ、でも休まずに着実に距離を稼いでいく。ザックは古屋くんがピストンとダブルザックで大活躍!夜中の3時過ぎまで一部崩壊しているような荒廃した林道を歩き続けた。そしてさすがにあと少しだろうと思っていたところに、またまた試練が!山腹が大崩壊しており、これ以上林道を進むことが出来なくなってしまったのだ。万事休す!でもやっぱり大丈夫なのです。「万事休す!」を今回の山行でもう数えきれないほど経験しているメンバー達に動揺はありません。(少しはあったかな?)
 とにかく体力は限界に来ており、眠いし、疲れてるし、正常な判断が出来る状態ではないので、明るくなるまで仮眠をとることにしてその場に横たわる。

【8月14日】
 2時間ほど爆睡してアブの音で目を覚ます。周囲は明るくなり始めている。林道の崩壊地帯を突破するルートが見つけられなかったらいよいよ遭難だなとドキドキしながら見に行くが、やっぱり突破するルートは見いだせない。崩壊地帯を空身で突破することも考えたが、足場は崩れまくりで危険すぎる。強行すれば死ぬかもしれない。明るくなるにつれて活動が活発になってくるアブに思考力も鈍ってくる。とにかく一人で考えるよりもメンバーと相談することとする。仲間たちと改めて周囲を見回すと崩壊して堆積した石を伝って河原まで下りられそうだ。しばらく河原沿いに進めそうだが、林道まで登り返すルートは見いだせない。しかし数百m先に発電所が見えており、なんらかの人工物を使って登り返せるかもしれない。何の根拠もないがトライして我々が失うものは無いので、とりあえず偵察に行ってみることにする。そしてその結果は??なんとか無事にルートを発見!!林道に登り返し、事なきを得た。そこから車道をもうひと踏ん張りでヒスイ峡フィッシングパークに到着し、本山行を終了することが出来た。ただしここは電話が繋がらないところであり、無線を介してタクシーを呼んで貰った。その際に二人組のバイカーにも大変お世話になり、改めて人の温かさを感じることが出来た。この場を借りてお礼申し上げます。

 最後にメンバーからのコメントを載せて締めくくりたい。

【荻原】
 26歳で三峰に入会し、おぎちゃん!と呼ばれ続けた私もあと数カ月で50歳。もう厳しい沢はいくらも出来ない年齢になり、お盆の沢の集大成として選んだのが北又谷であった。その困難度はこれまで経験して来た5級クラスの沢と比べてもダントツで滝や長淵、高巻き、雪渓、崩壊した林道などの突破に頭を悩ませること数知れず。精神的にこれだけ追い詰められたのは初めてであり、だからこそパーティーで遡行する心強さ、有難さを強く実感することも出来た山行であった。
 しかし北又谷は素晴らしい。澄んだ水の色、白い岩、萌えるような緑、眩しい光、温かい焚火の灯り、そして見上げれば最高の夜空、その全てが明日の予定が全く立たない不確定要素満載の北又谷の厳しい環境の中で目にしたものであるからこそ、今でも私の脳裏に強烈な印象として焼き付いている。
 この素晴らしい体験を共有できた最高の仲間たちに感謝!

【内田】
 今まで経験した中ではズバ抜けて厳しい沢でした。柳又谷は未経験ですが、北又谷が女性的というならそれは間違いなく「女傑」ではないかと・・・ 大きな滝はなくても、ゴルジュを勢いよく流れる強烈な水のうねりと不気味とも神秘的とも取れる大釜のユラユラと揺れる水面に、目が離せなくなるような魔力がありました。そして今回はいつにも増して仲間の結束を強く感じた山行でした。厳しい分得るものも大きかったです。
 蛇足ですが、今回初めて脳裏に「アブ死」という言葉が(そんな言葉はありません)思い浮かぶ程の壮絶なアブの襲撃でした。富山ではオロロ、新潟ではウルルと言うそうです。なんともかわいらしい・・・ アブが多い地域に行く際は黒色の衣服、手袋の着用は避けましょう!

【永岡】
 荻原さんとは2014年の上ノ廊下敗退から毎年、お盆、9月の連休に沢のビッグルート(2015年上の廊下、2016年赤石沢、2017双六本谷、2018年八久和川、奥利根本谷)をご一緒させていただいているが、今回の黒薙川北又谷は、今までの全てを包括しても余りある遡行でした。

〈楽しかったこと・嬉しかったこと〉

  1. 魚止めの滝を越えた先のゴルジュ突破
    他の沢だったら、核心となるような滝の連続で時間はかかったが、適度に泳げて、楽しい遡行でした。ウエットスーツのおかげで、寒さも感じず、快適な水泳が楽しめました。登りがダメな分、唯一皆さんの力になれたかなぁ・・・
  2. 遡行中のなめろう
    自分は釣れなかったが美味しく頂きました。
  3. どんな逆境に陥っても皆の総合力でそれを打破し、最後には皆で笑い飛ばす今回のメンバーと一緒に遡行ができたこと。

〈二度と御免〉

【澤野】
 水量は多分、平水かそれ以下。一度も雨に降られず、常に陽の光を浴びて、夜の寒さに晒されることもなく、これ以上望むべくもないコンディションの中での遡行だった。見渡すと、どこまでも続く白亜の殿堂の中の全てが息を飲むほどに美しく、興奮を通り過ぎ、ただそこに佇むだけだった。
 但し・・・滝の直登も、へつりも、泳ぎも、高巻きも全てが今迄経験したものよりも厳しいものであった。表向きは、いつも通り笑いの絶えない遡行だったが、内心では普段よりも強く仲間や自分の死を意識せずにはいられなかったのも事実だ。
 行動中常に一見すると全く注意を必要としない一挙手一投足の裏に他では感じたことのない致命的なリスクを孕んでいて、絶対に間違いが許されないのだ。乾いていても滑る旧魚留滝のへつりを手始めに、大釜淵を超えても気を抜けば二度と浮かび上がれない釜や淵が幾つも続き、雪の封印から解かれた岩は思いのほか脆く、水は一気に体温を奪い、ルーファイはあっという間に時間を進めてしまう・・・。
 にも拘らず、パーティーには一切悲壮感はなくいつも通り全力で楽しむことができたが、これはもうひとえにリーダーの圧倒的な力量と経験と判断力とそれに対する信頼以外の何物でもないと断言して構わないだろう。
「どうしてこれをリードできるのだろう?」「なぜ考えもせず、躊躇もせず、このラインが見極められるのだろう?」と思ったことは一度や二度ではない。状況が悪くなり追いつめられる程、研ぎ澄まされていく様には、水道橋の飲み屋での姿は微塵も感じられなかった。更にリーダーの大車輪だけではない。ウェットスーツに身を包み、まるでアメコミのスーパーヒーローの様に縦横無尽に水の中を泳ぎ抜けた永岡氏がリーダーの負担を軽減したことは言うまでもない。アクシデントにも取り乱さずタフだった紅一点のうっちー。そして最後の最後にずば抜けた体力でパーティーの救世主になってくれた古屋氏。終わってみればそのまんまハリウッドムービーのよう。準備、天候、その他重要なことは挙げたらキリがないが、今こうして冷静に振り返ると、お互いを信頼し合うことが何にも増して大切であったと思わずにはいられない。
 大げさに聞こえるかもしれないし、公にされている場での内輪の自画自賛は正直あまり好きではない。それでもここまで一言一句、全て過不足なく事実なのだということを理解して貰えたのなら幸いに思う。
 最高を経験してしまった嬉しさの中に、もう二度とこんなことは出来ないだろうという一抹の寂しさが漂っている。

【古屋】
 キタマタ。荻原さんの口からその名前を聞いたのは昨年だっただろうか。笑顔で、キタマタ行こうよ(ニコッ)って。
 黒部・北又谷、やばいやつだ。その時はそこに自分が行くことが想像できず、返事に困ってしまった記憶がある。北又谷のことは知ってはいたが、まじめに考えたことはなかった。
 黒部の谷は別格だった。北又谷が女性的と言われることに淡い期待を抱いていたものの、それは渓の美しさの例えであって、遡行の難易度とは別のものだとすぐに分からされた。
 今回ほど必死に、夢中に沢を遡ったことはないだろう。大きくはないが迫力に満ちた滝や、うねり躍動する水面、星が天上に煌く夜、アブの襲撃、下界への帰路、等々。
 どれもが強く印象に残り、また同じ思いを共有し協力することの素晴らしさを再確認できた山行だった。

〈コースタイム〉
【8月10日】 小川温泉=(タクシー)=越道峠(8:30) → 北又谷入渓(10:30) → 恵振谷出合(15:30)
【8月11日】 幕場(6:00) → ミズカミ谷出合手前の河原(16:00)
【8月12日】 幕場(6:00) → 黒岩谷出合手前の3m滝(19:00)
【8月13日】 幕場(6:00) → 黒岩谷出合(7:30) → 黒岩山(13:00) → 中俣小屋(18:00) → 中俣林道途中
【8月14日】 幕場 → ヒスイ峡フィッシングパーク=(タクシー)=小川温泉

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