トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ361号目次

沢登り・片品川中ノ岐沢小淵沢
谷口 晃基

山行日 2019年7月6日
メンバー (L)荻原、永岡、菅原、青木、渡辺(智)、谷口

ナメの小滝が連続し、気分が高まる  ナメの続く癒し系の沢だった。登攀に関しては、全行程を通して容易で、体力的にも余裕が持てた。遡行後の、湿地帯の木道歩きも快適で、心が和んだ。天気はあまり良くなかったが、雨に降られなかったのは幸いだった。

 大清水駐車場にて前泊。テント内は蒸し暑かったのでシュラフなしで就寝。そのせいで朝方寒くて何度も目が覚めた。心配だった天気は、なんとか持ちそうな感じ。
 大清水を出発して、1時間ほど中ノ岐林道を歩き、小淵沢林道に到着。沢沿いに林道を歩いて入渓するポイントを探す。8時ごろ入渓。
 なるべく濡れないコースを考えながら、沢に垂れた苔むした倒木をくぐったり、ウォーミングアップにちょうどいい小滝を越えて、先へ進む。途中、渓流釣りをしている人に遭遇。少し迷惑そうな表情。邪魔にならないように右岸を歩いて追い越した。
 やがて堰堤にぶつかり、これを左から巻いて、上で一本。林道から入渓してきたパーティに遭遇した。
 しばらく進むと、小淵沢を象徴するようなナメの小滝の連瀑帯があらわれ、癒された。メンバーそれぞれ思い思いに写真を撮った。その先の6mスダレ状滝は左側から登った。
 その後も歩きやすい沢が続いた。途中、流れが穏やかな場所で休憩のついでに釣りをすることに。どうやら小淵沢には40cm級のイワナがいるそうで、期待が高まる。釣れたら今晩の酒の肴にしようなどと話が盛り上がる。しかし、荻原さんが釣り糸を何度垂らしても、結局何も釣れなかった。
15mスダレ状滝を右から登る  釣りを諦め、遡行を再開。やがて、15mスダレ状滝にたどり着いた。本によると、滝左側からシャワークライムすることも可能らしいが、荻原さんの選択で濡れない右側から越えることに。リードで荻原さんが登ったあと、自分はアッセンダ―で登った。滝に張り出したササや枝が邪魔だったが、登攀自体は難しくなかった。また、今回初めてファイントラックのインナーを着てみたが、待ち時間はやっぱり寒かった。
 容易な小滝をいくつか越えた後、最後の難所とされる10m滝が現れた。先頭の荻原さんに続いて、一人ずつ滝の左側を直登。ホールドやスタンスは豊富だったが、表面がぬめっていたため、滑らないように注意して登った。
 その先もところどころナメが続いて気持ちがいい。晴れてたらなあ、なんて思ったが、雨が降らないだけで十分か。最後の10m滝を左岸から巻いて、そこからは、沢の両側から茂ったササをかき分けながら源頭部を遡った。進んでも進んでも沢の水はなかなか無くならず、結局そのまま登山道にでた。
 登山道を少し歩いて、小淵沢田代と赤安清水の分岐で装備解除。
 他に登山者が一人もいない小淵沢田代を通過し、ビジターセンターで休憩したのち、広大な尾瀬沼を右手に木道を歩いた。木道の両側には花のシーズンの終わったミズバショウが大きな葉を広げる。尾瀬沼には山頂が雲に覆われた燧ヶ岳が映って神秘的。燧ヶ岳はいつか登ってみたいと思った。ミズバショウの他にも、尾瀬を代表する植物がいくつか見られ、渡辺さんや菅原さんに、種名をいろいろ教えてもらった。
 尾瀬沼を離れ、薄暗い登山道をひたすら下り、一ノ瀬へ。最終バスが終わっていたため、ここから広い砂利道を歩いて大清水に戻った。

〈コースタイム〉
小淵沢林道出合(7:39) → 入渓(7:58) → 10m堰堤(9:12) → ナメ小滝連瀑(9:45) → 6mスダレ状滝(10:02) → 15mスダレ状滝(11:10) → 10mスダレ状滝(12:00) → 10m滝(12:49) → 登山道(13:42) → 小淵沢田代(14:18) → 三平峠(16:02) → 一ノ瀬バス停(16:50) → 大清水(17:45)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ361号目次