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沢登り・阿武隈川湯
金子 隆雄

山行日 2019年6月1日~2日
メンバー (L)金子、大田、清水、千葉(朋)、津田、千葉(快)、野畑

 ここのところ毎年、異常気象だと言われ続けられているがどうやら今年もそれが続きそうだ。まだ5月だというのに真夏日が続いたりしている。山屋にとって天候は最大の関心事である、さてさてこの先どうなるのだろうか。
 今年の沢始めは自身初めて足を運ぶ山域である安達太良の阿武隈川の支流の湯川である。東川口駅に集合し東北道を北上する。二本松ICで東北道を出て塩沢スキー場へと向かう。コンビニを求めて彷徨ってから辿り着いたスキー場は、もちろんシーズンオフのため営業はしておらず人っ子一人いないといった状態。真っ暗な中テントを張る場所を探すが微妙に傾斜があって良い場所がない。明るくなってから判ったが、もっと奥へ行けば良い場所はいくらでもあった。閉鎖されている一段高くなった駐車場へ上がってみると良い場所があったので、さあテントを張るぞとなった時、あれテントが1張りしかない。そうテントを忘れた奴がいるのだ。しかたないので忘れた奴も含めて二人は車に寝てもらうことになった。
 明け方数台の車がやってきたが安達太良山へ登る人か山菜採りだろうと思われる。天気はすっきりせず安達太良山はすっかり雲に覆われている。かと言って空一面雲だらけかと言うとそうでもなく、雲が湧いているのは安達太良山方面だけであとは青空も覗いている。車を奥へ移動し準備を整えて出発する。登山道を少し行くと道は二分し、右の僧悟台方面の道へ入ると少しで湯川を渡る渡渉点となるのでここから入渓する。歩き始めて15分くらいである。
 流れは穏やかだが水量は案外多い。しばらくはゴーロが続くのでのんびり山菜を探しながら遡る。ウドや根曲がりのタケノコなどが収穫できた。小滝をいくつか越えるとこの沢の見どころの一つである三階ノ滝のお出ましである。三段になった滝であるが各段の釜はコバルトブルーに輝き真に美しい。右岸にしっかりした踏み跡があるのだが、どうしても登りたい衝動にかられるメンバーもいて半数はロープを出して登った。
三階ノ滝の釜はコバルトブルーで美しい  沢床がナメっぽくなると右岸に威圧的にのしかかるように聳える屏風岩が現れる。この辺りではコシアブラが沢山採れた。この後きれいなナメがでてきて、「おおいいな!」と思ったが長くは続かなかった。やがて二俣となりくろがね小屋方面から下ってきた登山者が休んでいた。我々もここで休憩とする。
 我々は二俣から右俣へと入った。出合の10mほどのナメ滝は左岸の乾いた部分に鎖が付けられているので容易に越すことができた。その後はしばらくナメとナメ滝の繰り返しが続く。やがて最後の大物、霧降滝25mである。この滝は手も足も出ないので左岸の踏み跡を辿って捲くしかない。
霧降滝25m  踏み跡は途中不明瞭なところもある。またかなりな大高捲きとなる。ようやく尾根上のしっかりした道に出るが地図上の登山道ではない。ルート図には沢沿いに二俣まで続く道が載っているが探し出せない。よく判らない道を下るより登山道に出たほうが安全ということになって藪漕ぎ少しで登山道に出た。しっかりした登山道はとても歩きやすく約1時間で車まで帰り着くことができた。
 以上で湯川の溯行は終わったのだが、このまま帰ったのでは遠くまで来たのにもったいない。今夜は河原で焚火山菜天ぷら宴会だ。丁度いい場所も見つかったので言うことなし。
 翌日は岳温泉に浸かってから渋滞にも巻き込まれず帰宅することができた。

〈コースタイム〉
【6月1日】
スキー場駐車場発(8:15) → 入渓(8:30) → 三階滝(10:30) → 霧降滝(12:15~12:45) → 登山道(13:35) → スキー場駐車場(14:40)


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