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雪山登山・会津駒ヶ岳
坂井 泰子

山行日 2019年12月21日~22日
メンバー (L)小芝(泰)、小芝(麻)、石毛、坂井

【12月21日】
 6時起床、さっとテントを撤収し30分後には車に乗り込んだ。駐車場に着くと、既に車が数台止まっており、ちょうど出発していく人たちも。先行パーティがいるので、心配していたラッセルもどうやら大丈夫そうだ。身なりを整え、いざ出発。
 滝沢登山口までは40分ほど。駐車場付近に雪は全くなく、国道から林道に入ってもうっすらと積もっている程度。登山道へ入ると雪は徐々に増えていくが、トレースがありラッセルは不要だった。この雪なら夏山のCTからそれほど遅れることなく到着できそうだ。しかし、意外と歩きにくくなかなか前に進めない。天気が良くテンションは上がるが、歩くスピードはちっとも上がらず。とにかく暑い。脚は上がらないし、やたらと息が切れる。
樹林帯  途中でワカンを装着。踏み抜かなくはなるけれど、歩きにくさは変わらない。かなりゆっくり歩いてもらい、それでも遅れる私を何度も待ってもらう。最近の運動不足を一人で猛反省。
 樹林帯を抜けると急に視界が開け、もともとは湿原なのだろうか、何もない緩やかな斜面が広がっていた。
 登り始めの急登も辛いが、緩やかな登りも意外ときつい。やっとの思いで駒の小屋に到着。すぐにテントを張り、ほぼ空身で山頂に向かう。
山頂へ向かう  山頂に着くと、我々の到着を待っていたかのようにガスが引いていく。高さ2メートルあるという山頂標が10センチほど顔を出していた。山頂付近の樹木のモンスターも育ちつつある。雪が少ない少ないと言っても、なかなかの積雪量である。山頂標の裏側に回り込むと、きれいな階段状に掘られてあり、文字を全部見ることができた。大変な労力だったことだろう。何処ぞの奇特な方に感謝。せっかくの展望だったのに、中門岳へ続く稜線を見忘れたのが心残りとなってしまった。

山頂にて育ちつつある樹氷

宴会スタート!  小屋に戻ると小芝さんが黙々と雪を掘り始める。トイレにしては見通しが良すぎると思ったら、テーブルとイスだった。青空の下、飲み物とつまみを広げてカンパーイ!
 まさか雪山で屋外の宴会ができるとは思っていなかった。何という贅沢!
 その後、テントに移動して宴会続行。夕食は石毛料理長によるアヒージョと、冬至を意識したというカボチャのシチュー。アヒージョは油が飛ぶのでテント内調理はNGということで、料理長が前室から上半身を外に出して、ランタンを灯しながらの調理だった。テン泊とは思えない豪華な料理を堪能した後も、もちろん宴会は続く。私はしきりに息苦しさを訴え、テントの空気穴に顔を突っ込みスーハースーハーせわしく外気を吸っていた。飲み食べ笑い(吸い)尽くして22時就寝。

【12月22日】
 5時起床。行程は短いが昼前には天気が崩れそうということで、7時に小屋を出発。
 夜間に降雪があったものの数センチ程度、登山口まで登り返しもなく、かなりの楽ちんコースである。私でもワカンを履いてすいすい下れる。前方に広がる山並みは、天気が下り坂のせいだろうか、前日に比べ格段にクリアに見えて感動的。一人で「おお~!」と歓声(もしくは奇声)を上げながら、写真を撮りつつ進む。登りの時には必死で気付かなかったダケカンバやブナも美しい。

下山開始美しい山並み

 一時間ほど下ったところでワカンを外すと、とたんに歩きにくくなった。滑ることこの上ない。アイゼンを装着したい気持ちにかられながらも、短時間のことなので堪えて歩く。ずっと気が抜けず、登山口の階段が見えたときにはほっとした。
 9時過ぎには駐車場に戻り、朝から温泉に浸かって疲れを癒して帰宅した。
 通常は日帰りのところテント泊で宴会を楽しむ、という売り文句に惹かれて参加。天気とメンバーに恵まれて、雪山ハイキングと宴会を満喫することができた。高山植物や紅葉の時期にも再訪してみたいが、それより何より、次回はぜひとも沢から登頂してみたい。

〈コースタイム〉
【12月21日】 駐車場発(7:50) → 滝沢登山口(8:30) → 駒の小屋(12:30~13:05) → 山頂(13:45) → 駒の小屋(14:00)
【12月22日】 駒の小屋(7:00) → 滝沢登山口(8:50) → 駐車場(9:15)

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