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ハイキング・霧ヶ峰~ガボッチョ~カシガリ山
碓井 真知子

山行日 2019年10月5日
メンバー (L)鈴木(章)、飯塚、中澤、道祖土、碓井

 山に行き始めて数年になるものの、幸か不幸か実際にコンパスを使った「地図読み」をする機会はほとんどなかった。遭難したときに備え身につけておかなければいけないと思っていたところ、章子さんが企画を出してくれたので参加させてもらうことにした。
 山行前夜に集合し、仮眠をとるため三峰の宿にテントを張った。割と静かで夜は星空、明け方には朝焼けの富士山が拝めるとても素敵な場所だった。
 10月になっても暖かい日が続いていたとはいえ朝は肌寒く、なぜか霧ヶ峰周辺だけ厚い雲が立ち込め、伊那丸富士見の駐車場に着いた時には強風が吹きすさぶ荒れ様だったが、コンパスの使い方や地図読みのレクチャーを受けているうちに太陽が顔を出し始め、その後は終始好天に恵まれた。
 コースの最初は下りでススキを分けながら歩いた。やがて野原となって展望が開け、所々で今季最後と思われる花が目を楽しませてくれた。我々のパーティ以外に人影はなく、北アルプスから中央、南アルプス、富士山、そして八ヶ岳の山容を満喫できた。
 いくつか緩やかなピークを越え、カシガリ山に到着。木々に囲まれた目立たない山頂だったが、きちんと名前が書かれたプレートがあった。
 小休憩をとったあとはガボッチョに向かった。暫し来た道を戻り、地図を確認しながら方向を見定めて林を突っ切った。はっきり示されている道を外れ、道らしい道がないところに足を踏み入れることに若干の不安がよぎったが、皆で確認し確信をもって進む。林を抜けるとガボッチョらしき丘が見えた。一旦ススキの藪を下った後は再び道筋がはっきりとしてきた。
 ガボッチョはかわいらしい名前の通り穏やかな場所で牧歌的な雰囲気が漂っていた。遠くにはゴールとなる池のクルミの赤い屋根の小屋が見え、帰りはその方向に丘を下り、林を越えて林道に出た。
 ここで、本当なら微かな道筋を頼りに小川を越えて池の周りの遊歩道に行くべきところ、整備された道に安心して間違った方向に進んでしまった。山ブドウだ、キノコだ(後に毒キノコと判明)と嬉々として林道を歩き、あるはずのない大きく曲がるカーブがあったり谷のような地形になったりして、おかしいと気づいた時にはかなり遠くまで来てしまっていた。そのまま真っすぐ行けないことはなかったが、かなり遠回りになりそうだったので、セオリー通り元の場所に戻った。この林道に惑わされるトラブルは初歩的ではあるけれど、決して侮れない教訓となった。
 遊歩道に出てからは、たおやかな霧ヶ峰を眺めつつ池沿いの美しい景色に感嘆し、まもなくゴール地点にたどり着いた。
 帰りは先に回してもらっていた車で伊那丸駐車場に戻り、その後は上諏訪の名物お風呂に立ち寄った。外観はレトロな洋館で昭和初期に建てられた重要文化財なのだそうだ。一度に大人数が入れるように作られた広々としたお風呂で汗を流し、渋滞に巻き込まれながら帰京した。
 リーダーの章子さん、陽子さん、そして車出しをしてくれた中澤さん、道祖土さん、ありがとうございました!

ゴール地点で振り返ったときの風景

〈コースタイム〉
車山高原=伊那丸富士見P(8:10) → カシガリ山(9:10~9:35) → ガボッチョ(11:10~11:45) → 池のクルミ散策 → 池のクルミP(13:00)=上諏訪


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