トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ362号目次

岩稜ハイキング・裏妙義周遊
内田 優生

山行日 2019年11月16日
メンバー (L)内田、石毛、萩原、梅田、千葉(快)

 11月は妙義にはうってつけの季節だ。暑くもなく蛭もいない。そして静かな岩稜歩きが楽しめる。バリエーションハイクにスパイス?を追加するべく、烏帽子岩と丁須の頭も皆で攀じ登り秋のバリハイを存分に楽しむことができた。
 前夜、国民宿舎跡に泊まり、朝は7時半に出発。歩き始めて間もなく沢を渡渉したところから登りが始まるが、はじめはこの沢に降りるポイントがわからず通り過ぎてしまった。三方境までは傾斜は緩やかではあるが、地形は複雑で谷をいくつもトラバースしていくように登山道がついている。やっと稜線にあがったと実感したら、そこが三方境だった。風がとても冷たかった。今回烏帽子岩と赤岩のどちらかは直登してみたいと思っていたので、ハーネスやロープを携帯していた。烏帽子岩直下にたどり着くと痩せ尾根の右側に階段状に腐った土と灌木があり、ここから登れるなとあたりをつける。降りられなくなったら困るので事前に回り込んで懸垂下降ポイントもチェック。一応、木はあるように見えるが上までは見えないので1回で降りられるかどうかは謎だった。妙義特有の脆い岩や土をだましだまし触りながら高度をあげていく。 灌木も引っこ抜けそうなのであまりまともに体重はかけられない。そうこうして烏帽子岩の頂上に到着。噂には聞いていたが眺望ゼロ!あー、こんな気持ち良くもないボロボロの岩肌登ったご褒美にせめてもの眺望があれば・・・と思ったが、まぁ、そこは妙義。今回のバリルートは新人を妙義に連れていくことと自分のルーファイトレと思い、気持ちを切り替える。懸垂は案の定、芳しくなかった。ヤブヤブの中、50mロープいっぱいに懸垂で降りていき、なんとか次の懸垂が出来る太めの灌木までたどり着く。藪が濃いので屈曲したラインになってしまい、最後にちゃんとロープが回収できるか心配になった。途中で引っかかったら、この先、上も下も崖なのにどうやって脱出しようと、今更ながらロープ1本で来たことを激しく後悔した。幸運なことにロープは無事回収できた。その後もう一回の懸垂で無事登山道にたどり着き、ほぼ今回のミッションは終了。赤岩も登っていたら日が暮れそうだったので、ここはおとなしく一般道を辿っていく。
赤岩を巻く登山道は妙義特有の杭を辿る  途中チムニーを直登するルートと回り込むルートに分かれ、どっちにしようかと考えているとがっちゃんが登る!と即答したので、皆でチムニーに挟まれながら攀じ登っていく。すると同ルートを懸垂で降りようとしていたパーティが我々が上がってくるのを待っていた。意外と人気ルートなのかな? その後ほどなくして丁須の頭が現れる。 近くで見るとやっぱり奇形だ。 登りたい~と思ったが、既に1パーティ取り付いていたので、我々はひとつ隣の大きな岩の上で彼らが登り終えるのを昼寝しながら1時間程待った。辺りは霞がかった青空と程よい雲のコントラストが広がり晩秋の里山の風景が広がっていた。たまにはこういうのもいいな。ほどなくして我々の順番になった。登りは残置されている鎖を掴み、力任せに登り、帰りは持参したロープで空中懸垂。丁須はどうしても全員で頭に立ったところを写真に収めたく、一足先に降りて先程休憩していた隣の岩から記念撮影パシャリ。ミッションコンプリート。

丁須の頭には全員で登頂丁須の写真はこの反対側の岩から取りました

 あとは国民宿舎跡で宴会を残すのみ。と思っていたが、案外ここの下山路が悪かった。紅葉した落ち葉はキレイだが、まぁ滑る滑る。ヘッデンギリギリのところでなんとか幕場に辿り着いたのだった。11月の妙義はやはり楽しかった。

〈コースタイム〉
旧国民宿舎(7:30) → 三方境(9:30~9:40) → 烏帽子岩(10:00~11:00) → 赤岩(12:00~12:15) → 丁須の頭(13:15~15:00) → 旧国民宿舎(16:20)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ362号目次