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ハイキング・刈羽黒姫山、八石山
鈴木 章子

山行日 2020年3月21日
メンバー (L)鈴木(章)、飯塚、中澤

 3月20日~22日は私の例会『河内山塊 粟ヶ岳』の日だったが、参加者は何時ものメンバーのみ。気楽で良いのに申し分はないが、日本海側は悪天候の予報が出ている。毎年この辺りは悪天候の事が多い。それでも出かけてみようと前夜東川口21:30に出発。
 ドライバー中澤の頑張りで、越後白山登山口(新潟県加茂市 慈光寺P)に20日1:30に到着。既に小雨も降り出していた。テントを濡らすのは、心苦しく思っていたところ駐車場の脇に立派な東屋?・・・3人は迷わずそこを利用させてもらった。

【3月20日】不思議な天気
 7時頃起床はしたが、外は雨、霧も出ている。それでも白山の避難小屋まではと身支度はするが、急に雨・風は強くなっていく。そのうち霙(みぞれ)に変わった。この時点で白山への登山は諦め、折角来たのだからと慈光寺へ。歴史ある寺で杉並木も観光スポット。時間をかけてゆっくり参拝した。3月末なのに今日はなんだかとても寒い。
 駐車場に戻り観光・山菜取りへと、加茂市~五泉市~柏崎市方面に向かう。
 しかし、この日の天気は目まぐるしく変わり、青空・雨・霙(みぞれ)・霰(あられ)・雹(ひょう)・雪・雷と空にあるもの全てが降ってきた。更に、海岸線を走る我々に荒れ狂った海から強風で飛ばされた波の花のプレゼント。何とも旅を楽しませてくれる。
 弥彦山が見えだすと少し歩こうと話は出たが、歩く気持ちは既に失せスカイラインへと車は向かう。が、途中で道路は冬季閉鎖。せめて海でもと弥彦山山頂への登山道を登る。登山道脇には春蘭・カタクリ・カンアオイなどの花が続く、さすが『花の弥彦山』。いつかゆっくり時間をかけて登ってみたい山だ。気力の無くなった体には登り30分位が限界。もと来た道を戻り再度車中の人になる。
 関東を出る前から飯塚さんの「フキノトウ、フキノトウ」と途切れることのない要求に、中澤氏実家周辺の裏山に向かう。しかし、そこでのフキノトウの収穫時期は終盤、ウドには早すぎで満足できる量は採れなかった。近くにある安くて美味しい唐揚げ屋で購入した唐揚げを食べながら今後の事を相談した。
 私はこの辺りには数回来てはいるが、いまだに未踏の里山『刈羽黒姫山』が気になっていた。『信濃黒姫山』『青海黒姫山』と分けるためにそう呼ぶらしい。3人の意見も合ったので、道を尋ねながら今宵の宿も探した。
 『日帰り湯 じょんのびの湯』で地図を貰い登山口にキャンプ場があるので、そこにテントを張ると良いとのアドバイスも頂いた。
 美しい棚田(後で分かったことだが『柏崎市梨の木田の棚田(日本棚田百選)』)の坂道を登ると土手にはフキノトウが途切れることなく続く。宿の事はそっちのけで走り出す2人。採るわ、採るわ、並欲の私、強欲の飯塚、極々強欲の中澤・・・そんなにどうするの?
 結局、キャンプ場は雪でたどり着けず手前の札所のお堂近くで一晩を明かした。
 黒姫山は越後三十三ヶ所観音霊場の9番、北条氏の時代につくられたそうだ。出かけることで知ることも多い

【3月21日】風は強いが何故か快晴
 6時起床。身支度を整え出発。此処でもフキノトウが気になっている2人がいる。
 キャンプ場で『刈羽三山』の案内を見る。全部制覇したくなってきた。
 雪はまだまだ膝まであったが、展望もよく楽しい山歩きになった。斜度は思いの外あり891mの山だが登り甲斐は有った。8合目には鵜川神社のお堂が有り、あと一息で山頂。雪の下にある山頂の様子は伺えないが広くて展望の良い場所だった。近くに避難小屋があり水は持ち上げにはなるが、一晩過ごしてみたくなるところだった。

『刈羽三山』の案内黒姫山山頂近くの避難小屋

急登の後に現れる山頂  ゆっくり休んだ後、同じ道を下った。途中で年に数回来ているという高齢の男性に会った。黒姫山を登るのは今年初めてとのこと。本人曰く、刈羽三山は庭とのこと。中澤氏実家の裏山八石山の事情を詳しく教えて下さったので、3人は行く気になった。一緒に孫の写真もたくさん見せてもらった。
 同じ道を下っても、水場など新しい発見もあった。棚田に春の準備をする人も見られ再々度のフキノトウ収穫は諦め小国八石山へと向かった。
 今日中に帰京しようと八石山は最短の婆石コースを選んだ。だが、この道、僅か30分だが備え付けてあるザイルを握っての急登。登り切れば穏やかな尾根歩きになるが。
 山は上八石・中八石・下八石他、幾つかのピークがあり低山ながら手ごわい。我々は桝形山まで行き引き返したが、遠くに、中八石?の避難小屋が見えた。八石山まで戻ると、中澤さんは車回収も有り、もと来た道を、飯塚さんと私は鉈池方面に下山。この道は時折ザイルは有るが歩きやすい尾根道だった。登山口に出たとき、丁度良く中澤号がやってきた。山はカタクリの花が満開で足の置き場に苦労した。
 下山後の温泉は『じょんのびの湯』、食事は十日町の小島屋で『へぎ蕎麦』を食べ帰路に着いたが、関越高速道路の渋滞3時間は予想外で、これが、その後の、コロナ規制強化に繋がることになった。

〈参考〉
 ・米山 993m 山小屋有 米山薬師が祀られている。三山で一番高い
 ・じょんのびの湯 600円

〈コースタイム〉
【刈羽黒姫山 890m】
駐車場(7:20) → 黒姫キャンプ場(7:35) → (磯の辺コース) → 八合目(お堂有り・鵜川神社)(8:50) → 山頂(避難小屋有)(9:15~10:00) → 八合目(10:15) → (磯の辺コース) → 黒姫キャンプ場(11:05) → 駐車場(11:20)
【小国八石山 518m】
駐車場(12:55) → (婆石コース) → 八石山山頂(13:30) → 桝形山山頂(13:50~14:00) → 八石山山頂(14:20) → (鉈が池コース) → 石川登山口分岐(14:30) → 鉈池(14:40) → 登山口(15:00)

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