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ハイキング・南木曽岳
鈴木 章子

山行日 2020年9月12日
メンバー (L)鈴木(章)

 今年の暑さは心身ともに疲れたが、いつまでも後ろ向きではいけないと好天を狙って木曽の入口南木曽岳に登った。古くから山岳信仰の山として知られているが登るのは初めてで、暫くは情報収集も考え、土日の行動をと思ってはいたが、本日出会った人は挨拶のみが、登山口付近で今風の身なりの単独若者3名のみ、山中では誰も出会わなかった。駐車場には10台ほどの車は有ったがなんとも静かな山旅になってしまった。
 南木曽駅からコミュニティーバスで尾越下車。登山口までの1時間は暑い暑い車道歩きから始まった。折角だからと登山口近くの男滝女滝を見学後(ガッカリ)登り始めるが『金時の洞窟』までは山登りの印象が薄い。
 『喉の滝』(滝はザレで埋まり今は無い)で登りと下り専用の道に分かれる。登り道を10分ほど進むと『金明水』が有り喉を潤した。
 『金明水』を過ぎると道はイヨイヨ修験道らしく険しくなるが、手入れは良くされていて急登を梯子状態の階段が山頂近くまで続いていた。
 緊張と汗だくで痩せ尾根の階段・鎖場を通過。ヤレヤレと思うと間もなく木々で覆われた誰もいない暗い山頂に着いた。山名板は忠魂碑のように大きい。誰が担ぎ上げたのか。傍に修験札が置かれていた。此処でゆっくりと体温を下げた。
 山頂から20分で視界の広がる避難小屋に着く。ここからの展望は素晴らしく小屋も良く整備され泊まってみたい気分になる。小屋から300m下山道専用を下ると水場が有るようだ。
 小屋は上の原コースの分岐点になる。今回は上の原コースを選んだが、周回コースで『喉の滝』に戻るのも面白そうだ。
 上の原コースでは笹藪の中ひたすら下った。急下降のため笹の刈入れはしてないのだろう。笹に捕まらなければ降りられない状態がかなり続いた。
 下って下って下って・・・気温が上がっているのに気づく頃、鉄塔に到着。其処から40分ほど下り登山口に、その後駅まで20分。暑さで真っ赤な顔をして歩く私に、すれ違ったおじいさんに「大丈夫かね」と声を掛けられてしまった。
 しかし、上の原コースは、ブナ・ミズナラ・檜などの巨大な美林に圧倒され、生命力を感じるコース。誰にも出会わなかったけれど寂しさを全く感じさせなかった。
 木曽の森の深さ、谷の深さを新発見した山行だったが、寂れていた南木曽駅は悲しかった。

〈コースタイム〉
南木曽駅=尾越(8:35) → 登山口(9:35~9:50) → 男滝女滝見学~金時の洞窟(10:40) → 金明水(11:10) → 山頂(12:30~12:50) → 南木曽避難小屋(13:10~13:15) → 上の原コース下山 → 上の原(15:40) → 南木曽駅(16:00)


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