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沢登り・片品川中ノ岐沢北岐沢
木村 咲稀

山行日 2020年7月11日~12日
メンバー (L)荻原、清水、坂井、梅田、千葉(朋)、木村(咲)

 長い家籠りから脱し、今回が三峰での山行初回となる。久し振りの沢登り、殆ど初めての顔合わせとなるメンバー、予報は雨という状況の中、期待と不安は五分五分。山行直前のルームで参加者が荻原さん以外女性と聞いて驚く。例会の締め切りは早かったと聞いていたがこれはリーダーの人徳だろうか。山行を終えていろいろと納得した。

【7月11日】
 朝8:30に駐車場に到着した時点ではなかなかの雨。どうせこれから濡れるのだからと自分に言い聞かせながら準備をし、大清水登山口へ向かう。
 2時間ほど林道を歩いて入渓点へ。1時間弱、穏やかな沢を歩いた先には大滝。本日初めてロープが出る。久し振りの沢での登攀、感覚が久しぶりだったのでなんだかとても嬉しい。
 荻原さん、梅田さんはテンカラ(そういえば今回の山行の趣旨は釣りだった)、千葉さんはフキを探しつつの釣り、坂井さんはルーペを取り出しコケを観察するなど各々道中を愉しみながら進む。
 2時間程歩くと広い幕場が現れる。といっても幕場の広さの基準はわからないが、先輩方曰く、広いらしい。
 焚火はどれも木が湿気っており、点いたり消えたりと火が安定しない。諦めムードが漂う中、2時間程、荻原さんの粘りでようやく火が安定する。山の中で見る火の安心感、プライスレス。夕飯は清水さんによる野菜カレー。ただでさえ山とは思えない具沢山なカレーだったが、デザートにコーヒーゼリーまで作ってくださる衝撃たるや。

【7月12日】
 初めての幕に、布一枚で大丈夫なんだろうかとも思っていたのが嘘のような快眠。虫にも起こされることのない快適な幕営デビューだった。
 朝食は梅田さんが担当。サラダチキンを使った温かいそうめん。これが絶品だったので昨晩に続き食当へのハードルがかなり上がる。
 2日目は雨も上がり、快晴とはいかないものの、朝日を受けたナメ沢が非常に美しく、気持ちの良い沢歩きだった。
 そのまま登って行くと突如ぽっかり湿原が現れる。事前に湿原があるという情報は見ていたが、いざ山の上に広い湿原が広がっているのを目の当たりにすると不思議な気持ちになる。湿原には小さな湿生植物が咲き乱れており、殆ど人が立ち入っていないことが伺える。
 湿原から少し歩くと登山道に出る。しかし道は何があったのか木々が倒れ、かなり荒廃していた。
 ここから沢へ降りて下山。滝を巻きながら足場の悪い崖を草頼りで歩くのが今回一番ハードな道だった気がする。
 例会、尾瀬、幕営、テンカラ、初めてのことが多く、全てが新鮮で充実した沢だった。
 リーダーの荻原さんをはじめ、皆さまありがとうございました。

ナメ谷湿原
〈コースタイム〉
【7月11日】 駐車場(8:30) → 入渓点(11:00) → 2段の滝(12:15) → 幕場(14:50)
【7月12日】 幕場(6:15) → 小松湿原(9:00) → 登山道(9:30) → ぶな沢下降 → 駐車場(14:30)

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