山行日 2020年7月23日~27日
メンバー (L)荻原、永岡、野畑、千葉(朋)、千葉(快)、清水、津田
長年憧れていたクワウンナイ川へ、ベストタイミングの7月後半の4連休(+1日)を使って、愉快なメンバーと共に目いっぱい楽しんできました。
【7月23日】
初日は9:30ごろ旭川空港にて集合。あらかじめ予約していたレンタカー2台を借りる。事前に入林届を出していたが、この日は数パーティーで合計30名超が届出をしているとのこと。天気予報では前半の日程は雨予報だったため、初日は、旭川まで足を延ばして寄り道をする。飛行機には乗せられないガス缶は旭川空港でも購入できるが、今回は街中のスポーツ用品店で購入。男山酒造で初日の宴会の一升瓶を購入し、旭川ラーメン村でお昼をとった後は、食料の買い出しへ。その後、天人峡に向かう途中にある大雪旭岳源水で今晩の水と翌日の行動水を得る。
天人峡に到着すると、入渓ポイントの林道入口を確認し、日本の滝百選に選ばれた羽衣の滝を見に行く。周りは柱状節理に囲まれ、曇った天気と相まって幽玄な雰囲気を醸し出している。羽衣の滝は落差270mと、日本の滝の中でも最大級で、遊歩道から見るのではその全容は収まらない。優美で壮大な滝が圧巻だった。最終日は一般登山道で天人峡へ戻ってくるが、その下山ルート上にある滝見台にてその全容が確認できる。天人峡をお散歩した後は、林道入口の目の前の清流橋の駐車場まで戻る。この日はジンギスカンで宴会となった。別パーティーで来ていた山邦さんも入って、雨の中楽しい前祝いとなった。
【7月24日】
小雨の降る中、清流橋付近の林道に入る。入り口には「クワウンナイ川の入渓について」という注意書きの看板があった。道は一部倒木などがあったが30分ほどでポンクワウンナイ川出合に到着。ここは広い河原だ。
クワウンナイ川へ入り、何度か渡渉を繰り返しながら進む。膝下の水量だが流れがあり、重荷を背負っているためバランスが崩れやすい。数名で組んで渡渉した。
1時間ほど歩くと最初のゴルジュに到着する。先を行くパーティーは左岸を行ったが、我々は右岸の巻き道を選択。今年初の沢登りの巻きで緊張し、滑らないように慎重に手足を置いた。その後も何度も渡渉を繰り返し、岩峰の見える開けた河原まで来ると林の中に幕を張っている人がいた。この辺りも柱状節理に囲まれ、まるで異国にいるようだ。川幅は広くなり、場所によっては水量も膝上となるが、渡渉を繰り返す度にだんだん慣れてくる。最初は相手の足を踏んだりしていたが、イチ二イチ二と声を掛けるとスムーズに進み、なんだか楽しくなってくる。
780mの支沢での休憩では堪らず竿が出た。すぐにオショロコマをゲット!オレンジ色の斑点を持ち美しい。この後は各々竿を出しながら進む。再び川幅が広がり、竿をしまって1時間ほど進むとカウン沢出合に到着。幕場は左岸にあり、ジャンテンが張れる場所は唯一、奥の高台に見つかった。この日のおつまみはもちろんオショロコマ。北海道の川の恵みをいただいて大宴会となった。特に天ぷらの揚げ具合が最高で料亭に来たかのようでした!
【7月25日】
前日は途中少し雨に降られたが、この日は青空に恵まれた。幕場をゆっくり出て、魚止ノ滝で大休止をして竿を出す。たっぷり遊んで、滝は右側を巻く。この後の滝を左から巻いた後は、いよいよ滝ノ瀬十三丁と呼ばれる長い長いナメが始まった。ふかふかの絨毯のような緑色の苔を踏みしめながら、日が射してキラキラと光る水面と周囲の緑、高山の花々を眺めながら思い思いに歩く。全員ラバーシューズだが、水量も少なくナメも緩やかで慎重に歩けば心配はない。7人全員で川幅いっぱいに手を広げて繋ぐも川端には届かない。ナメを歩き進む度に、まだあるの~ほんとに長大だね~素晴らしいね~と皆幸せそう。深いエメラルドグリーンの釜にはドボンと飛び込む若者も。この後も魚影があったため、いよいよほんとの魚止めではないかというハング滝前にて、しばし釣りタイム。今晩のおかず分だけを得る。ハング滝は右岸からの高巻きとなり、枯れ木に残置ロープが垂れ下がっている垂直の岩場を上がったが、ここで唯一ロープを出した。巻き道を進むと、滝上に出る直前に整地された小さい幕場があったが背の高い木々に囲まれ虫が多そうだ。
二俣で真ん中の尾根の巻き道を上がると、ジャンテンが張れる整地された幕場があった。ただジャンテン以外のスペースはないため、リーダーらはもっとよい幕場がないか、さらに先まで偵察に行ってきてくれたのだが、残念ながらなかったとのこと。この日はここで幕。昨日に引き続き、居酒屋三峰の暖簾が掛かり、オショロコマで宴会し、最後の沢泊を楽しんだ。
【7月26日】
幕場を出発して少し歩くと、スダレの滝。稜線も見えてきて木々も低くなり、もう源頭の雰囲気を醸し出す。滝は左から巻くと、沢は緩くなり稜線で見られる大雪の花々も出てくる。眩しい陽光の中、明るい緑に色とりどりの可憐な花々が映える。
やがて水がなくなってくると、幕が張れそうな土が出ていて平らなスペースも出てきた。
そのまま沢形を詰めていくと池塘が点在する稜線に出た。ここでザックを下ろして大休憩。ザックをデポしてトムラウシ山へ向かう。もう沢は終わったので、散歩気分で向かうが実は300m超を登るのだ。登っては緩くなりを二度繰り返し、大きな北沼に着く。そこからナキウサギのキュッキュッと鳴く声を聴きながら岩々の急登を進んで2,141mのトムラウシ山へ登頂。トムラウシ山は360度の大展望だ。三峰旗を持って全員で撮影。 ザックをデポした地点へ戻って、再びザックを背負う。もうメインイベントは終わったからなのかザックが重く感じられる。
少し進むと、そこは日本庭園と名付けられたお花畑だ。チングルマ、エゾコザクラ、エゾツガザクラ、イワブクロがそこかしこに大群落となっている。ヒサゴ沼の分岐からは大岩や雪渓の上を進む。沼沿いの木道になると、避難小屋はもうすぐだ。トイレ付きの避難小屋は20名収容の2階建てで広かった。水場は少し戻ったところに流れていた。この日は少なくなったお酒を出し合い、気も緩んで、いつもに増して賑やかな宴会となった(小屋にいた他パーティーの皆さま、ほんとにうるさかったと思います、ゴメンナサイ)。
【7月27日】
3時起床。夜が明けたころに外に出た数名は、ヒサゴ沼の対岸を歩く鹿の群れを見たとのこと。朝焼けでピンクが入った群青色の湖面に鹿たちが写り、写真で見ても幻想的だった。ぜひこの目で見たかった。出発するころにはすっかり青空が広がり清々しい最終日となった。登山道脇には雪渓が広がっているものの、道の雪は融けていて歩きやすい。登り終わると化雲岳で、周囲は360度、大雪の広い山々が見渡せる。ここからは天人峡まで5時間半をかけて下る。登山道脇には、コマクサ、ウスユキトウヒレン、綿毛になったチングルマ、ヨツバシオガマ、ミヤマオグルマ、チシマツガザクラ、などが心を和ませてくれる。
樹林に入ると、登山道はぬかるんでいるが、ゆるやかな下りになる。ただ休憩するとたちまち蚊が寄ってくるので虫よけスプレーが必携だ。木道が敷かれたメルヘンな第一公園では、黄色の大輪を咲かせたエゾゼンテイカ(ニッコウキスゲ)が真っ盛りだった。また白樺が立派なのも印象的だった。川の音が大きくなってくると、柱状節理も見え始め、羽衣の滝の全景が見える滝見台へ到着する。初日に訪れた下の遊歩道からは全く見えなかった上部は豪快な滝が何段も続いていた。立派な羽衣の滝がすべて見えたことに感動し、しばし見入ってしまった。その後はつづら折りに下っていき天人峡温泉に至った。4日間もたっぷり沢歩き山歩きを楽しみ、入渓日がもうだいぶ前に感じた。
お風呂は天人峡温泉のしきしま荘でさっぱり汗を流した。和風の落ち着いた雰囲気の旅館だ。お風呂は源泉掛け流し100%、まろやかな湯で温度もちょうどいい。女性の内風呂には羽衣の滝のモザイク絵もあって嬉しかった。お湯にはいつまでも入っていたく、このまま泊まって宴会でもしたいなあと思った。次回また機会があればぜひそうしたい。
最後の打ち上げは旭川市内で松尾ジンギスカン!お肉が出てくれば次々箸が伸びてきてキリがない。たぶんみんなもっと食べたかったろうが、ある程度おなかが落ち着いたところで旭川空港へ。空港のフードコートで最後の一杯で締め、20時台の最終便で帰京した。
7名と大所帯の山行で、お天気とメンバーに恵まれ、充実した楽しい山行でした。リーダー、皆さま、ありがとうございました。
【7月23日】 | 旭川空港 → 天人峡温泉 |
【7月24日】 | 清流橋駐車場(5:35) → ポンクワウンナイ川出合(6:00) → 618m支沢(ゴルジュ手前)(6:55) → 780m支沢(11:25) → カウン沢出合(幕)(14:30) |
【7月25日】 | カウン沢出合(8:00) → 魚止ノ滝前(8:40~9:30) → 滝ノ瀬十三丁終了点(11:15) → ハング滝前(11:30~12:20) → 二俣の滝(13:45) → 二俣の滝上1,400m(幕)(14:00) |
【7月26日】 | 二俣の滝上1,400m(6:00) → スダレ滝(6:20) → 源頭(沢涸れ)(7:45) → 稜線上1,830m地点(9:00~9:30) → 北沼(10:30) → トムラウシ山(11:00~11:25) → 稜線上1,830m地点(12:40~13:30) → ヒサゴ沼避難小屋泊(14:45) |
【7月27日】 | ヒサゴ沼避難小屋(4:50) → 化雲岳(5:40~6:00) → 第一公園(9:25) → 滝見台(11:45~12:00) → 天人峡温泉(12:50) |