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雪山登山・霊仙山&伊吹山
飯塚 陽子

山行日 2020年2月8日~9日
メンバー (L)飯塚、鈴木(章)、中澤、永岡、渡辺(智)

 年末年始山行で、あっこさんと鈴鹿連峰を縦走した際に、地図上で気になった山が2山できた。それが、霊仙山(リョウゼンヤマ)と伊吹山だ。最近は、西日本エリアの山域にも興味があり、遠距離ではあるが例会に出してみた。メンバーがギリギリまで確定しなかったが、KG車を利用させてもらえることになり、山と観光エリアも広がって充実した山旅ができたのであった。
 2/7(金)西国分寺駅に20:30に集合し、いざ滋賀県へ!中央自動車道から小牧ICを経て目的地には1時過ぎには着いていた。西日本でも滋賀エリアだったら、東北の山へ行くのとほぼ同等の時間で行けることがわかった。この日は某駅の駐輪場を仮眠場所として快適に利用させていただいた。

【2月8日 霊仙山】
 翌2/8(土)AM8:00に、小雪舞うJR醒ヶ井(サメガイ)駅にて常滑に帰省中のあっこさんと落ち合い、本日登る霊仙山の榑ヶ畑(クレガハタ)登山口を目指す。
 我々が登山口駐車場に到着するなり、続々と他の車も到着し、すぐに駐車場は満杯となった。
 どうやら滋賀県では霊仙山も人気があるらしい。身支度を整え出発したが、歩き始めは全く雪がなく、空はどんより曇り空。それでも冬靴では歩きづらかった道にだんだんと積雪が増えて歩きやすくなったが、お猿岩に到着の頃は、ガスと強風が吹きつけてくるようになってしまった。その後霊山神社を過ぎ経塚山分岐に着いた頃には全くのホワイトアウトになってしまい、この辺りで他の登山者のほとんどが下山してしまった。我々も周回コースは諦めて今日はピストンにするしかないかな、と思いながらも、とりあえずはガスと強風の中、山頂を目指す。最後の急登を登りつめ、稜線を辿って一番高くなった場所、霊仙山山頂に到着。全く視界はなかったのだが、到着してすぐ雲が薄くなってきて、我々を待っていたかのようになんと青空が覗きだしたのだ。
霊仙山山頂 と、同時にガスが切れて、霊仙山のカルスト台地の雄大な光景が眼前に広がったのである。メンバー全員で「すごーい!」の大歓声。KGの「俺がもっている男だから!」の言葉にも、思わず頷いてしまうような出来事であった。
 その後、強風もやや収まり視界も良くなってきたので、やはりピストンは面白くないということで、予定の周回コースを進むことにした。この先積雪は少ないながらも踏跡はほとんどなかったが、岩ノ峰、南霊山、近江展望台へと、気持ちのいい稜線歩きを楽しめた。展望台からは明日登る伊吹山も望むことができた。その先からは雪がなくなり、笹峠への激下りが、ズルズルの道で滑りやすく難儀した。笹峠からは里山のような雰囲気になったが、ここからが結構長かった。途中今畑という廃村になってしまった集落のお寺の軒下で休憩をとる。日が差し込むと明るい場所で、辺りにはまだ住めそうな家屋や、村の人が使っていた水場には山からの綺麗な水がまだ引かれていて、人々の生活が忍ばれる。その後、落合(ここも廃村)を過ぎ、沢沿いの道を進み、最後の汗拭き峠への激登りの道を経て、駐車場に戻って来ることができた。
 やや長めのコースタイムとなってしまったが、ピストンではなくこの周回コースを歩いてこそ、霊仙山の良さがわかると思った。

霊仙山山頂カルスト台地青空に映える伊吹山

【2月9日 伊吹山】
 AM8:00、昨日宿泊したみかどや旅館を出発する。ここは伊吹山上野登山口となる三ノ宮神社の目の前にある旅館で、登山口から近いのがありがたい。この日も朝は小雪が舞い山はガスっていたが、1合目に着くころには快晴となり、人気百名山にはかなりの人々が登ってきた。3合目を過ぎる頃には積雪も出てきて、眼前に伊吹山がドーンとその雄姿を現せてくれた。
 青空に白い伊吹山が映えて、美しい。単調で面白みのない道のりだが、伊吹山の雄姿を見て、気を取り直し先へ進む。5合目辺りからは急な登りと岩場交じりの道となるが、眼下には琵琶湖や昨日登った霊仙山も望め、だんだんと気分も良くなってくる。だが登るにつれて、風も強くなってきて、おまけにガスが出てきてしまい、8合目で出合った山頂から降りてきたグループは、山頂は真っ白で何も見えなかったと、残念そうに語っていた。9合目からは新雪の綺麗な雪も増えて歩きやすくなり、我々が山頂直下にさしかかった頃、山頂を包んでいたガスが切れて、青空が広がりだした。なんてラッキーなのだろう!最後はなだらかな斜面を辿って、だだっ広い山頂に到着。山頂は強風が吹きつけていたが、景色は素晴らしく360度の大展望だ。
 そして山頂に鎮座されている、背中にエビのしっぽを羽のようにつけたヤマトタケル様を拝み記念撮影。

伊吹山山頂エビのしっぽを背にしたヤマトタケル像

 山頂からの景色を堪能した後、風が強かったので山頂避難小屋(伊吹山寺を開放し利用可能)を使わせていただき、お昼を食べて、早々に下山開始。下山は、特に危ない箇所もなかったので下山の早い組、ゆっくり組で各々下山し、みかどや旅館に無事集結となった。なお三ノ宮神社下には、靴洗い用に水場とブラシが置いてあり、ドロドロになった靴を洗うことができる。

 この山域では、降雪により積雪が増えたのは、2月2~3週目あたりだけだったらしく、我々が霊仙山と伊吹山を登りにきたタイミングだったので、両山とも雪山の雰囲気を味わえたのは大変ありがたかった。
 翌日は降りしきる雪の中、冬の琵琶湖周辺の観光を楽しむことができた。琵琶湖周辺には興味深いエリアがたくさんあり、是非また山旅で訪れたい場所となった。
 参加してくれた皆さん、ありがとうございました!

〈コースタイム〉
【2月8日】 榑ヶ畑登山口(9:00) → お猿岩(10:30) → 霊仙山山頂(11:55) → 近江展望台(13:35) → 笹峠(14:30) → 汗拭き峠(16:10) → 駐車場(16:30)
【2月9日】 みかどや旅館(8:00) → 伊吹山登山口(8:15) → 1合目(8:55) → 5合目(10:30) → 伊吹山山頂(12:15) → みかどや旅館(15:30)

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